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雪氷輸送物流システム検討調査に関するQ&A

Q1:どのような背景があって雪氷輸送物流システム検討調査を実施したのですか?

物流対策として
(1) 北海道と首都圏間は貨物船フェリーやRORO船を利用して、多くのトレーラーやコンテナが行き来しています。首都圏から北海道へ向かうトレーラーやコンテナは、一年を通して荷物が満載ですが、これが首都圏へ戻るとき収穫期の秋以外は、トレーラーやコンテナを全ていっぱいにできず空荷のまま帰る片荷輸送となっています。
  なぜ片荷輸送が問題かというと、行き帰りとも荷物が満載であれば、それぞれの荷主は片道の輸送経費分のみ負担します。しかし、行きの荷物が満載でも帰りの荷物が空になる片荷輸送だと、行きの荷主は往復分の輸送経費を負担することになってしまいます。このため北海道物流は片荷輸送による高コスト構造となってしまい北海道に産業立地が進まない要因にもなっています。
  片荷輸送を解消するための荷物として、近年環境対策において、冷熱源としての価値が評価されはじめた雪氷に着目しました。雪氷を運ぶことができれば帰りの荷物が確保でき、エネルギーやコストをかけて空荷で帰る無駄な輸送力を有効活用できると考えました。

環境対策として
(1) 地球温暖化防止のため二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの削減が緊急の課題となっています。また、東京などの大都市では、熱帯夜が増加するなどヒートアイランド現象が問題となっています。
(2) 首都圏では、昼間の電力ピークを抑え電力の平準化を図るため、夜間電力で氷や冷水を作り、それを地下の水槽に貯蔵して昼の冷房に利用する氷(水)蓄熱冷房システム方式が普及してきています。しかし、このシステムも電力を使うので、やはり二酸化炭素は発生します。また、夜間に氷や冷水を作るときに排熱が発生するので、熱帯夜の増加やヒートアイランド現象の一因となっています。
(3) 雪や氷は、石油に代わる自然エネルギーとして利用が期待できることから、平成14年から「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」において新エネルギーとして認められました。積雪寒冷地である北海道ではこの雪氷冷熱の利用事例が増えています。また、さらなる利用促進を図るため技術開発等の取組が行われています。

 北海道の雪氷冷熱エネルギーを首都圏の冷房に使用することで、地球温暖化対策や首都圏の熱帯夜・ヒートアイランド現象の改善が期待でき、昼間の電力ピークを抑える環境にやさしい冷房システムが実現できるのではないかと考えました。

 以上の背景から、北海道の自然冷気を利用して氷を製造し、保冷設備を持たない一般のトレーラーやコンテナで氷を輸送し、首都圏の冷房に利用する、雪氷輸送物流システムを検討調査することとなりました。
 ただし、雪氷は現在のところ、通常運賃を負担するまでの付加価値がないため、多くの輸送コストを掛けることはできませんので、空荷回送の経路上でほとんど陸送を必要としない苫小牧港近傍で氷を製造し、東京港臨海部で氷を利用するシステムを基本に検討しました。また、空荷を有効利用する観点から、氷の輸送を【注文する】のではなく輸送事業者の都合が良い時のみ、今まで空荷で帰っていたトレーラーやコンテナに氷を積んで貨物フェリーやRORO船で苫小牧から首都圏に運ぶという全く新しい輸送システムとして検討しました。

RORO船

Roll On Roll Off Ship(ロールオンロールオフ船)の略で、「乗り込んで、降りる」を意味する。貨物の積み降ろしのコストを削減するため、クレーンを使わずに直接船の中へトレーラーが自走して乗り込むことが可能な構造の貨物船です。

片荷輸送

「行き」の荷物はあっても、「帰り」の荷物がない輸送形態をいう。物流の効率化には帰り荷の確保が課題となっています。

Q2:この調査の目的は何ですか?

 この調査は、北海道物流の長年の課題である片荷輸送における潜在的な輸送余力を活用し、北海道の自然冷気を利用して製造・保管した氷を新たなエネルギー資源として首都圏へ輸送し、臨海部オフィスビルの冷房熱源として利用することにより、次の社会的な効果があると期待して国が調査を行いました。

(1) 北海道物流の片荷輸送による高コスト構造の改善への寄与
(2) 雪氷冷熱関連産業の創設
(3) 二酸化炭素削減による環境改善効果
(4) 首都圏におけるヒートアイランド現象の緩和

Q3:なぜこの調査を国が行ったのですか?

 この調査は、環境面や北海道の経済発展に貢献できるという大きな社会的意義がありますが、先駆的・実験的な取組であるため、国が基礎的な調査を行い、民間企業がその成果を活用して事業化に取り組むことを期待しています。
 また、この調査では実証実験により次の課題を解決しましたので、この要素技術は雪氷輸送物流システム以外にも応用可能なものです。

(1) 自然冷気を利用した氷の製造及び屋外での秋季までの保存方法
(2) 保冷設備を持たない一般のトレーラーでの氷輸送方法
(3) 自然氷と蓄熱冷房システムのハイブリッド方式

蓄熱冷房システム

夜間電力を利用して冷房用の冷水や氷を蓄熱槽に蓄え、この冷熱エネルギーを昼間の冷房に利用する方式です。

Q4:氷を製造するコストはどのくらいなのですか?

 この調査で、氷1トンあたりの製造、保管、切り出し、積込み・荷下ろしに掛かる最小コストは、千円弱となる可能性が示されています。今後、民間企業がその所有資機材やノウハウを活用し、検討を深めることにより、さらなるコスト削減が可能であると考えています。

Q5:雪氷冷熱を利用することで二酸化炭素はどれくらい削減されるのですか?

 苫小牧で製造した氷1トンは、空荷を有効活用して東京に運び冷房に利用すると、二酸化炭素の発生を約21kg削減できます。
 雪氷輸送設定期間を2月~10月とすると苫小牧港から東京港へは氷を約10万トン輸送できる余力があり、全て有効活用すると約2,100トン-CO2が削減されます。これは、札幌ドーム約68個分(373ヘクタール)の森林が1年間に吸収する二酸化炭素量に相当します。
〔「蓄熱無しの電気冷房システム」と「蓄熱冷房システムに自然氷冷熱を25%利用するハイブリットモデル」で比較〕

Q6:雪氷冷熱を利用することでヒートアイランド現象は改善されるのですか?

 電気による冷房は、電力消費により大気に熱を放出しますので、ヒートアイランド現象の一因となっていますが、電気に代えて雪氷冷熱による冷房を行うことで、排熱が抑えられます。さらに北海道から供給した雪氷により首都圏を冷やすことになり、ヒートアイランド現象の改善に有効です。
 この雪氷1トンにより削減できる発熱は13リットル分の重油を燃やしたときに相当します。また、7~8月の氷輸送量2.1万トンは、ドラム缶約1,370本分に相当し、ヒートアイランド現象の改善に貢献します。

お問合せ先

開発監理部 開発調整課

  • 電話番号:011-709-2311(内線5477)
  • ファクシミリ:011-709-9215

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