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インタビュー~平成28年熊本地震におけるTEC-FORCE活動について~

WEB広報誌 かいはつグラフ2016.6

  • インタビュー
  • 打合せ
  • 阿蘇
    九州地方整備局災害対策本部内での活動     国道57号阿蘇大橋地区で崩落法面の監視
  • 調査
  • 宇城市長への概要報告
         菊池市で橋梁の調査             宇城市長への概況報告
【TEC-FORCEとは?】
 大規模自然災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、被災地方公共団体等が行う、被災状況の迅速な把握、被害の発生及び拡大の防止、被災地の早期復旧その他災害応急対策に対する技術的な支援を円滑かつ迅速に実施することを目的に国土交通省内に設置された緊急災害対策派遣隊のことを指します。
 Technical Emergency Control FORCEの略です。

 北海道開発局は、4月14日に発生した平成28年熊本地震による災害の応急対策を支援するため、TEC-FORCEを被災地へ派遣しました。(活動期間は4月19日から5月11日)
 当局から派遣された隊員は126名(人・日延べ572名)となり、各地方整備局の隊員とともに土砂災害危険箇所の調査、道路や河川の被災状況調査など、自治体のみの対応では長期間を要する作業を支援するほか、九州地方整備局管轄の被災箇所の調査や応急復旧作業の応援を実施しました。
 今回は、当局から派遣された隊員の中から3名の隊員の方に、隊員としての心構えや被災地での活動内容などについて、幅広くお話を伺いました。
  • インタビュー
【写真中央】北海道開発局 事業振興部 技術管理課 遠藤技術管理企画官・・・・・第4陣(5/4-9)隊長、総括班班長
【写真右】北海道開発局 札幌開発建設部 河川計画課 大谷上席治水専門官・・・・・第1陣(4/20-26)被災状況調査班(砂防)班長
【写真左】北海道開発局 札幌開発建設部 札幌道路事務所 阿部第1工務課長・・・・・第1陣(4/19-24)被災状況調査班(道路)班長

 
インタビュー
当局を代表して隊員として任命され、派遣先へ出発される前の心構えなどについてお聞かせください。

遠藤隊長
 私は第4陣の隊長・総括班の班長として、派遣されました。事前にTEC-FORCE隊員手帳を読んでいたので、当局の職員として恥ずかしくないような行動をという思いは持っていましたが、撤収・帰還に向けて派遣体制を縮小していく段階となっていたので、被災地での作業の進捗状況や自治体、九州地方整備局のニーズを的確に把握して、北海道開発局が来てくれて良かったと言ってもらえるよう存在感をしっかり出して帰還しようと考えていました。

大谷班長
 今回初めてTEC-FORCEとして派遣されました。経験が無かったのと、被災地の最大震度が7ということから、出発前は不安感と緊張感がありました。また、自分は第1陣として派遣されたので、具体的に被災地で何をするかは決まっておらず、被災地での土地勘が無いことや衣食住について不安はありました。しかし、北海道開発局の名前を背負っており、国の立場としての責任の重さを感じ、しっかり任務を遂行しようと思いました。

阿部班長
 事前にTEC-FORCEとして登録されており、また事前に研修を受講していたので、心構えはしていたつもりです。大谷班長と同様に、第1陣として派遣され被災地へ行くまではテレビなどからの情報しか無く、何をするかも決まってなかったので、そこに不安は感じました。
 また、少しでも被災地のために!という思いと、全員無事に帰還することを考えながら出発しました。


 

インタビュー
派遣先においての主な活動内容についてお聞かせください。
遠藤隊長
遠藤隊長
 私は、九州地方整備局内の各地方整備局からのTEC-FORCE総括班が詰めている部屋で情報収集活動をしていました。派遣体制を縮小する時期だったので現地で作業している各班の作業状況の確認、撤収に向けた九州地方整備局や北海道開発局本局との調整が主な業務でした。また、今回幸いにして体調を崩した隊員はいませんでしたが、各隊員の健康状態の把握も大事な任務でした。

大谷班長
 私の主な活動内容は、土砂災害危険箇所の緊急点検でした。土石流やがけ崩れ、地滑りなどの危険がある箇所について、今回の地震で重大な危険が迫っていないかを調査することで、対象箇所は1,100箇所あり、全国の    (写真:遠藤隊長)
各地方整備局から集まっTEC-FORCEで分担しました。

阿部班長
 私は、宇城市で道路調査の作業を行いました。市役所は、市民や水道の復旧などの対応に追われており、道路や河川の調査ができていないとのことで、TEC-FORCEに被災状況調査の作業を依頼されていました。市の職員と打合せを行い、地元のコンサルの方が同行してくれたおかげで土地勘の無い中作業を順調に進めることができました。


インタビュー
被災箇所を間近で目にされ、どう感じられたかお聞かせください。
大谷班長
大谷班長
 私は宇城市での作業で、震央の益城町から離れてたので、大きな被害は無かったです。ですが、余震が続いており学校の避難所などで避難している方々を見ると、改めてきちんと作業しなければならないと感じました。

阿部班長
 私も宇城市での作業でした。被害は比較的少なく見受けられましたが、屋根をブルーシートで覆っている家が多く、たまに潰れた家も目にしました。避難生活をされている方が多くて、避難所には、廊下や階段、至るところに人がたくさん居ました。そんな中で中高生がボランティアの受付に並んでるところを目撃して、皆で助け合っているんだなと感じました。     (写真:大谷班長)


インタビュー
派遣先では、どのような事を意識しながら活動されていましたか?
インタビュー
遠藤隊長
 やはり隊員の健康や安全を考え、二次災害に巻き込まれたりすると他の地方整備局や他班のTEC-FORCEの活動にも大きな影響を与えるので、気象状況などをしっかり把握して、的確に安全の確保や注意喚起を行うことを意識しました。

大谷班長
 安全に作業を行うということと、二次災害などで隊員に被災者が出るとTEC-FORCEの活動全体に影響するので、そこを意識しました。現場での作業判断は全て班長にあるので、雨が降った時、余震が起きた時は作業を中止することを強く意識しました。 
                                     (写真:阿部班長)
阿部班長
 調査中に近所の方が、被災前の現地の状況を教えてくれたり、また、防災服の背中に書いてある北海道開発局という文字を見て、『遠いところから来てくれてありがとう』と声をかけてくださり、私も頑張ろうと思いました。


インタビュー
今回の派遣を通じて、何か感じられたことはありますか?(苦労したことなど)
遠藤隊長
 北海道と九州とでは気候は違います。TEC-FORCEは自前で装備して被災地で作業を行うことになりますが、冬の北海道で大規模な災害が発生したときに、全国の地方整備局から派遣されてくるTEC-FORCE隊員の方が寒さ対策について、理解しているのかが気にかかりました。 また、先陣の方が混乱の中で苦労される中で、TEC-FORCE隊長の情報共有会議が1日2回開催されており、各地方整備局の間での情報共有に有効に機能していました。

大谷班長
 苦労したことは、各被災箇所毎に資料整理を行い報告書をまとめるという内業で、もっと装備が充実していたら良かったと思います。外業の装備は割と予想できるのですが、内業について、例えば容量の大きいデータを送信する際は、モバイルパソコンではなかなか難しかったです。
 今後のTEC-FORCEに向けて、何が必要なのかを整理していくのが大事かと思います。

阿部班長
 私は、荷物が多くなったことを反省しました。今後、解決していかねばならないと感じました。
 あと、作業する場所にも因るかと思いますが、私もモバイルパソコンの通信状況について苦労したと隊員から聞いています。タブレットがあれば、その場で被災地の写真を撮り、送信することができ、作業の効率化が図れるのではないかと感じました。そして、TEC-FORCEでの活動は貴重な体験なので、若い方に是非行って貰いたいと思います。


※ほかにも、平成28年熊本地震における北海道開発局のTEC-FORCE活動状況は、こちらにまとめていますので、ご覧ください。

お問合せ先

開発監理部 広報室 

  • 電話番号:011-709-2311
  • ファクシミリ:011-709-8995

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