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インタビュー~音更町役場~

WEB広報誌 かいはつグラフ2015.11

  • インタビュー~音更町役場~
髙木副町長写真1
 今回は、日本の食料供給基地である十勝地域の中で、小麦や小豆について日本一の産地である音更町の高木副町長に、音更町の魅力から当局の事業について、幅広くお話を伺いました。

(写真:音更町 髙木副町長)
音更町について
音更町についてお伺いします。貴町の魅力についてお聞かせ下さい。
 自然ですね。音更町の面積は466.02平方キロメートル、河川が多く音更川を中央に士幌川、然別川が北から南に貫流し、いずれも十勝川に注いでいます。また、本町は広大で肥沃な十勝平野のほぼ中央に位置し、各種農産物の育成に適しており、道内でも屈指の穀倉地帯です。
 町名の由来は、 アイヌ語の「オトプケ」(毛髪が生ずる)から転訛したもので、音更川等支流が沢山流れているところからついたと言われています。
 基幹産業は農業です。主要作物の、小麦、てん菜、馬鈴薯、豆類等で、酪農も盛んです。寒冷地農業の確立を目指してコストの削減を行い、機械の共同化さらには基盤整備の推進で、農業経営の近代化を進めるなど、将来に向けての基盤づくりに、積極的に取り組んでいます。
 そして、観光です。十勝川のほとりに「十勝川温泉」があります。この温泉は世界でも珍しい『モール温泉』として広く知られ、平成16年11月に北海道遺産に指定されました。その他にも、町内には家畜改良センター十勝牧場、十勝が丘展望台、花時計で有名な「ハナック」、十勝エコロジーパークなどがあり、四季を通して観光客が訪れています。
 本町は、買い物や医療の環境、ゴミの収集やリサイクル、上下水道など都市的な利便性が整っている一方で、郊外には豊かな自然や農村景観が広がっており、“まちの便利さ”と“自然の近さ”があります。

小麦や小豆の収穫量日本一の理由
小麦や小豆の作付面積及び収穫量が日本一であり、近年はにんじんについても作付面積を大幅に伸ばされておりますが、どのような理由からでしょうか?
 本町の農業については、ご承知のとおり小麦、小豆は作付面積、収穫量も全国でもトップクラスであるのは間違いありません。作付面積20,800haを有する本町の主要作物は、小麦、てん菜、馬鈴薯、豆類の基幹作物が約80%、飼料作物が約13%、野菜類が約5%が作付けの状況であり、大規模な農業を展開しています。
 なぜ「にんじん」かと言いますと、「にんじん」は播種から収穫まで機械作業が可能で、畑作四品の輪作体系に組み込めるのと、JAおとふけの委託生産方式により、個々の生産者の労力が軽減される仕組みとなっています。近年の全国的な人口減少は、農業においても農家戸数の減少に顕著に表れてくることが想定され、農家戸数の減少の反面、生き残る生産者は経営規模の拡大に向かうことになりますが、次の問題として労働力が追いついていかなくなるということで、各生産者が省力化を図りながら収益の向上を図るために取り組み、その結果作付面積が伸びてきたところです。
 このような「にんじん」の取り組みや他作物の収量・品質の向上を支えているのが、実は地下水位を低下させる暗渠排水や明渠排水などの農地整備が大きく貢献しています。

数年前、台風による大雨について
髙木副町長写真2
数年前、台風による大雨により、音更川で堤防の一部が流出したことなどの災害があったかたと思われますが、貴町と水害、治水事業などについて、何か記憶に残るようなことがございましたら、お聞かせ下さい。
 町内における河川堤防は整備されていますので、近年では洪水による堤防決壊や氾濫などの大きな水害は起きていません。
 記憶に新しいと言えば、平成23年9月に北上してきた二つの台風がもたらした記録的な大雨により、音更川の東音更で堤防一部流出が発生し、町では30年ぶりとなる避難勧告・指示を出し、最大で66世帯、151人が避難しました。その経験を教訓とし、平成23年11月に上士幌、士幌の流域3町や河川管理者、糠平ダムを管理する電源開発と「音更川流域連絡協議会」を組織し、関係機関相互の連携の充実及び強化を図っています。
 その他では、平成17年9月の台風14号に伴う大雨により市街地の音更樋門において、内水被害(17戸床下浸水)がありました。その後、帯広開発建設部により堤内の排水用釜場の整備がなされ排水作業の効率化や、貴局の光ファイバー網との接続により、防災情報の共有化が図られています。また、相生地区の内水排除のため緊急を要したことから、貴局の排水ポンプ車の出動を要請し、排水作業の支援をいただいた経緯もあります。
 十勝川においては、千代田新水路の完成、相生中島地区の河道掘削等により、大雨時の十勝川の水位低下が図られており、更に計画的な河道掘削を実施していただいております。
 また、音更川においても、計画的に護岸対策や堤防強化対策を実施していただき、治水安全度の向上が図られています。
 音更町の地形として、北から南へ低く十勝川が町界となっていることから、音更川の合流部付近の宝来地区や木野地区が一番の低地のため、洪水に対する防災意識が近年非常に高い地域となっており、今後も治水事業の更なる推進をお願いしたいと考えております。
十勝エコロジーパークの事業について

十勝川付近にあります千代田新水路を含めた、十勝エコロジーパークの事業に携われているかと思いますが、こちらの事業に対する感想や今後期待されることをお聞かせ願います。

 千代田新水路につきましては、市街地の洪水対策はもとより農地の早期排水に大きく寄与していると考えております。
 十勝エコロジーパークについては、十勝川温泉に隣接されているため、十勝の観光客入込客数に大きく貢献しています。こちらには、道民、町民のみならず、多くの人が訪れています。冬季のオープンも実施しており、ワシ観察クルーズやスノーラフト森林ツアー&スノーチューブ等、冬も大いに自然を楽しめます。
 本町としましても、十勝川温泉観光協会と連携し、エコロジーパークでのイベント共催など有効に活用させていただいております。今後期待することは、エコロジーパークを拠点とした、池田町、幕別町、十勝川温泉の周遊サイクリングロードについてご理解いただければと思っております。
 また、河川敷地占用許可準則の一部改正により、河川管理者が河川敷地を「都市・地域再生等利用区域」として指定した場合、当該地域内で営業活動を伴うイベント等の実施が可能となるため、現在区域の指定を受けるべく検討を進めています。指定を受ければ、十勝川温泉地区のにぎわい創出、交流人口拡大による観光振興という新たな魅力を生み出すことができると思っておりますので、その点についてもよろしくお願いしたいと考えております。
最後に、開発局に対する期待は
髙木副町長写真3
最後になりますが、当局が実施しています各事業に対して、期待される事はどのようなことでしょうか。ございましたら、お聞かせ下さい。
 治水事業については、十勝川、音更川と整備を進めていただいており、感謝しております。治水対策に終わりはありませんので、引き続き河川の適切な管理や維持をお願いしたいと考えております。 洪水対策として、河積を阻害する河畔林の伐採・間伐並びに高水敷及び低水路の護岸対策を引き続き、計画的に実施していただきたいと考えております。そして、相反しますが、河川空間には、河畔林や水辺にも様々な環境があり、生物の生息・繁殖の場となっているほか、公園などの整備が行われた箇所では地域住民の憩いの場であり、更に、地域の景観をつくりだす重要な要素で、観光資源にもなっています。整備にあたっては、多様な環境のバランスを考慮していただきたいと考えております。
 道路整備事業については、道東道、帯広・広尾自動車道の延伸と、高速自動車道のネットワークの整備が進められており、地域間交流の活性化や物流の効率化、観光振興の活性化に寄与されています。しかしながら、未だに「当面着工しない区間」とされている、足寄~陸別間の早期解決と事業着手を期待しております。また、音更帯広IC~池田IC間にスマートICの設置を協議中でありますが、設置により十勝川温泉、幕別町へのアクセス向上による物流の効率化、産業振興等に整備効果が期待できることから、早期の設置実現をお願いしたいと考えております。高規格道路の供用にあわせて、道東道と帯広北バイパスの交点に造成した音更町IC工業団地は、土地の分譲率が82%を超えており、利便性や物流の安定性等を評価いただいた結果であると思います。他にも、様々な場面において交通利便性の向上、物流の効率化、観光交流活性化等の効果が確認されており、今後も高規格道路等によって長期持続的に発現されるストック効果を積極的に取り入れていくことが重要と考えています。
 農業農村整備事業については、現在、かんがい排水事業が美蔓地区と富秋士幌川下流地区、農地再編整備事業が中鹿追地区の計3地区が実施されています。美蔓地区については、用水路と排水路が整備され、干ばつ被害解消と同時に排水不良による過湿被害も解消され、農作物については品質向上や収量の増加、農作業としては排水改良や用水確保時間短縮による営農労力の効率化や節減が期待されています。また、中鹿追地区では区画整理により不整形な農地や分散した農地の再編が行われており、ほ場の大区画化に取り組んでおります。大区画化によって大型機械による作業が可能となるほか、コントラクター利用による労働力不足の解消や生産コストの低減が期待されています。近年の異常気象等により、短時間降雨が多く発生しており、今後におきましても、排水対策を始めとする農業農村整備事業の推進をお願いいたします。
 最後に、社会資本の整備のための投資により、建設業などの工事に関連する産業の生産活動が高まるフロー効果と、整備された施設が機能して、長期的に本町の生産性や安全性を高めたり、環境を改善するなどのストック効果に期待します。

お問合せ先

開発監理部 広報室

  • 電話番号:011-709-2311
  • ファクシミリ:011-709-8995

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