現在位置の階層

  1. トップページ
  2. 広報室
  3. WEB広報誌 かいはつグラフ
  4. WEB広報誌 かいはつグラフ2015.11
  5. 日本の食料供給基地~十勝~

日本の食料供給基地~十勝~

日本の食料供給基地~十勝~

  • 日本の食料供給基地~十勝~
 十勝は、日本を代表する食料供給基地です。
 『十勝』いう言葉を聞いて、小麦やジャガイモなどの畑作物、野菜、畜産物等といった『食』に関するものを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。または、十勝平野に広がるパッチワークのような畑作地や大規模な草地などの景観を思い浮かべる方もいらっしゃると思います。
 今号のかいはつグラフでは、そんな日本の食料供給基地である十勝に焦点を当て、またそれを支える当局の社会資本整備事業も一緒にご紹介します。
  • 十勝の農業

十勝の農業

十勝の農業(概要)
十勝の農業(概要)
 十勝は北海道東部に位置し、大雪山系と日高連峰を後背に拓けた丘陵地帯であり、太平洋岸南部に酪農畜産、中央部に畑作を主とした大規模農業が行われています。
 広大な土地を背景に、日本の食料供給基地として国民の期待を担っています。
 また、農業は十勝の基幹産業となっています。
十勝の農家の状況及び耕地の状況
戸当たり耕地面積の比較
戸当たり耕地面積の比較(十勝・北海道・全国)
 十勝管内では、主業農家の占める割合が高く、全体の約70%を占めています。
 また、十勝管内の耕地面積は、北海道の約22%、全国の約6%を占めます。
 戸当たりの耕地面積は、41.6ha/戸であり、北海道の1.8倍、全国の23倍となっています。
十勝の主要作物について
 十勝管内は、小麦、小豆、ばれいしょ、てん菜は作付面積及び収穫量共に日本有数の生産地です。近年では、海外でも注目をされる長いもが作付面積を伸ばしています。
 その他にも、枝豆(大豆)やにんじんについては、ここ10年程で急激に作付面積を伸ばしています。
長いも
■長いも
十勝の農協で連携して産地を形成し、近年は輸出も伸長しています
枝豆
■枝豆
中札内村では高品質の冷凍枝豆を生産し、アメリカに輸出しています
にんじん
■にんじん
音更町では、近年にんじんの作付面積が伸びています。選果施設は日本最大級の規模です。
  • 十勝の野菜作付面積
  • 日本の食糧供給基地を支える社会資本整備事業
農業農村整備事業
 十勝の農業は、寒冷な気象条件の中で、近代技術の導入や主に排水改良の土地基盤整備をすすめて、現在では恵まれた土地資源を生かした大規模な畑作・酪農地帯となっています。
 農業農村整備事業は、生産性向上を促進するため、農地の区画の拡大、農業用用排水施設の機能の維持増進等の農業生産の基盤整備を行っています。
 【国営かんがい排水事業】
 農地に水を引き、その土地を潤す「かんがい」と大雨や湿地の地下水などの農地の余分な水を排除する「排水」を兼ね合わせた事業で、農業生産の基礎となる農業用用排水施設の整備を行い、農業生産性の向上や農業構造の改善等に資することを目的としています。
 農業用水の安定的供給や洪水による農業被害を防ぐための排水等のため、ダム、頭首工、用排水路、揚排水機場等を整備しています。食料の安定供給とともに、流域内での水循環を支えるなど、多面的機能も併せ持っています。
  • 美蔓貯水池 美蔓貯水池
  • 整備中の幹線排水路 整備中の幹線排水路
 【国営農地再編整備事業】
 大規模土地利用を生かした生産性の向上と効率的な農業経営のため、ほ場の大区画化と農地の利用集積を促進する生産基盤の整備を行い、地域農業の展開方向に即した農業の実現を図るとともに、土地利用の整序化を図ることにより、農業の振興を基幹とした、総合的な地域の活性化に資することを目的としています。
  • ほ場の大区画化
治水事業
 十勝川は、北海道の屋根大雪連峰十勝岳を源に、音更川・札内川・利別川などの多くの支流を合流しながら、広大な十勝平野を南下し、太平洋に注いでいる一級河川です。
 十勝川流域は、大雪山国立公園等をはじめとして、全国的にも珍しいケショウヤナギの群生、サケの遡上やシシャモの産卵、タンチョウの営巣地や採餌場及びハクチョウ等の渡り鳥の中継地として重要な位置を占めるなど、多様な動植物が生息・生育・繁殖する自然環境を有しています。
 十勝川の治水事業は、こうした自然環境や河川の利用を考慮しながら、安全・安心に暮らせる地域の実現に向けた川づくりを行っています。治水事業の実施により、人口・資産の集積する帯広圏の安全・安心の確保、我が国の重要な食料供給基地としての供給力強化に向けた農地の保全や水供給の安定等を進めています。
  • 十勝川流域 十勝川流域の図
  • 十勝川でのイカダ下り 十勝川でのイカダ下り
 【河川事業】
 洪水被害を軽減するために、環境に配慮しつつ堤防等の整備、河道の掘削などを行っています。また、洪水ハザードマップの充実・活用に関する技術支援等を行うほか、堤防点検を実施するための堤防除草や樋門などの機能を保持するための整備等を行っています。
  • 河道掘削(相生中島地区) 河道掘削(相生中島地区)
  • 堤防除草 堤防除草
【砂防事業・大規模土砂災害への取組】
 土砂による災害を未然に防止することを目的とし、洪水時における土砂流出の抑制・調節を図るために、砂防堰堤の整備を推進しています。また、土砂災害防止法に基づき、大規模な災害が急迫している状況において、市町村が適切に住民の避難指示の判断等を行えるよう必要な情報を提供しています。
【ダム事業】
 河川事業とともに洪水被害を軽減し、安定した水利用を行う水資源の開発のため、ダムの管理を行っています。ダムは、洪水から私たちを守り、電気や水道用水、農業用水などを供給することで私たちの暮らしを支えてくれています。
 国管理のダムとして、十勝管内においては、洪水調節と発電を目的とした多目的ダムの十勝ダム、洪水調節と水道・農業用水の供給及び発電等を目的とした多目的ダムの札内川ダムがあります
十勝ダム
十勝ダム(昭和59年完成)
【十勝ダム】
 十勝ダムは、十勝川の洪水調節と発電を目的とした多目的ダムとして、昭和48年に着工し、昭和59年に完成、昭和60年から運用が開始され、今年30周年を迎えました。
 十勝川は過去に何度も洪水を繰り返し、十勝川流域に多大な被害を及ぼしてきました。十勝ダムはこのような状況を防いで安全を守るために、造られました。
 大雨が降った際、上流にダムがなければ雨水が下流に流れ込み、洪水が起こります。十勝ダムでは、上流に降った雨を貯留し、川の水の流れる量を調節することで、洪水を未然に防いでいます。また、十勝川の豊富な水量を利用した発電も十勝ダムでは行っています。
「十勝ダム30周年記念」講演会
「十勝ダム30周年記念」講演会

 十勝ダムが30周年という節目の年を迎えたことから今年の10月22日に、これまで十勝ダムが担ってきた役割を振り返り、ダム建設・管理に深く関わりのある方を講師としてお招きし、「十勝ダム30周年記念」講演会が開催されました。(右の写真です)
 十勝ダムゆかりの方々から、沢山の貴重なお話を聞きました。今後のダム管理運営に役立てていきます。
道路整備事業
 高規格幹線道路や一般国道は地域の暮らしや物流、観光等において大きな役割を担っています。
 十勝管内では、帯広開発建設部において高速道路ネットワークを形成する高規格幹線道路の整備や渋滞箇所の解消、安全・快適な走行のための道路防災や維持管理など、地域社会を支援する道路整備を実施しています。
【国道の整備・維持管理】
 北海道横断自動車道は、黒松内町と起点とし、小樽市、夕張市、清水町、本別町等を経由し、根室市・網走市へ至る延長約694キロメートルの高速自動車国道です。高速道路ネットワークの拡充により釧根圏・オホーツク圏と道央・十勝圏の連絡機能の強化を図り、地域間交流の活性化、及び物流効率化の支援などを目的とした事業です。
 帯広・広尾自動車道は、北海道横断自動車道の帯広ジャンクションから分岐し、帯広市、とかち帯広空港、中札内村、更別村、大樹町を経由して広尾町に至る延長約80キロメートルの一般国道の自動車専用道路です。高速道路ネットワークの拡充による近隣都市間の連絡機能の強化を図り、地域間交流の活性化、物流効率化による地域産業の支援を目的とした事業です。
 また、災害に強く安全・安心な通行確保のため、一般国道336号黄金道路において、岩盤斜面対策及びトンネル工事等を推進しています。
 他にも、交通安全・老朽化対策・日々の維持管理や除雪などを行っています。
  • 十勝の食料品製造業の立地 十勝の産業を支える交通基盤整備
 上記の図からもわかるように、帯広・広尾自動車道の沿線では乳製品などの工場立地が進みました。
 また、付加価値が高い加工食品が生産され、沿線自治体の食料品出荷額も増加しました。
  • 十勝の交通基盤
帯広市と南十勝地方との交流促進 
 帯広・広尾自動車道の更別IC~忠類大樹IC間が開通したことにより、帯広市と南十勝地域との交流が促進されました。特に、帯広川西IC~忠類大樹IC間の利用増加が大きく見られました。
港湾整備事業
 十勝港は、太平洋に面した広尾町にあり、えりも岬の北北東約42キロメートル、釧路港の西南約120キロメートルの地点に位置する十勝管内における唯一の港湾です。年間取扱貨物量の約7割を農業関連品が占め、近年、十勝管内の小麦の移出量が増大しています。また、製糖工場用石炭や化学肥料の原料を輸入しています。平成23年度から道内最大級の飼料コンビナートが本格稼働をしており、十勝の農業のおける十勝港の役割が重要となっています。
      【主な農業関連品 十勝港の取扱高】
  • 十勝港の取扱高
  • 配合飼料コンビナート 配合飼料コンビナート
ダミー

 十勝港において、取扱貨物の半数以上は農業関連品が占めています。小麦や馬鈴薯などの農業関連品の本州方面の移出、肥料の原料となるとうもろこしや製糖工場の燃料となる石炭などの移輸入が多くなっています。

【主な整備】 
 地域の基幹産業である水産業の振興を図るため、漁船の安全と作業効率向上を目的として、外港地区に小型船だまりの整備を進めています。また、内港地区では飼料の原料を運搬する大型貨物船の離接岸を補助するタグボートの係留施設が不足していることから物揚場の整備を進めてます。
  • とかち飼料
北米からの輸送コスト
■大型船によるコスト縮減
 岸壁(-13m)の完成により、4万トン級貨物船が入港可能となり、海上輸送コストの縮減が可能となります(約2割程度)。

お問合せ先

開発監理部 広報室

  • 電話番号:011-709-2311
  • ファクシミリ:011-709-8995

現在位置の階層

  1. トップページ
  2. 広報室
  3. WEB広報誌 かいはつグラフ
  4. WEB広報誌 かいはつグラフ2015.11
  5. 日本の食料供給基地~十勝~