現在位置の階層

  1. トップページ
  2. 広報室
  3. WEB広報誌 かいはつグラフ
  4. WEB広報誌 かいはつグラフ2015.03
  5. 網走川大曲堰

網走川大曲堰

WEB広報誌 かいはつグラフ 2015.03(3)

  • 網走川大曲堰
  • 網走川大曲堰
  • 豊かな自然と豊富な漁獲量を誇る湖
網走湖
 網走湖は、網走川の下流に位置する面積32.3㎢の湖です。国定公園に指定されている網走湖及びその周辺では、豊かな自然の下、夏はボートやカヌー、キャンプなどのレジャー、冬はワカサギ釣りなどで多くの観光客で賑わいます。また、水産業も盛んで、中でもヤマトシジミ、ワカサギ、シラウオは道内一の水揚げ量を誇ります。 
  • 青潮やアオコの発生
  網走湖は淡水と海水が混じり合った汽水湖(きすいこ)で、湖水の上の方は淡水層、下の方は塩水層、という2層構造になっている特徴があります。下部の塩水層は、海水の逆流によって形成されたもので、プランクトンの死骸が沈降・分解される過程で酸素消費が進み、硫化水素・栄養塩を大量に含む無酸素の状態となっています。
  網走湖では、流域からの栄養塩の流入などにより、昭和50年代後半からアオコの発生が頻発するようになりました。
  また、この頃から海水の流入により塩淡境界層(塩水層の上端)が上昇しはじめ、昭和62年に初めて青潮が発生しました。青潮は平成21年まで頻発し、魚類等がへい死する被害も発生しました。
(図)アオコと青潮の発生メカニズム
  • アオコの発生メカニズム
  • 青潮の発生メカニズム
  • 清流ルネッサンスⅡの策定

 このため、平成16年に網走川流域の関係機関や団体が連携し、(1)青潮発生の抑制、(2)アオコ発生頻度の低減及び湖内閉鎖性水域の水質改善のための汚濁負荷の削減、(3)啓発活動の3つの施策を柱とする「網走川水系網走川水環境改善緊急行動計画」(通称:清流ルネッサンスⅡ)を策定しました。  
 北海道開発局は、これらの施策に関係機関等と連携し、水環境の改善に取り組んでいます。

  • 網走川大曲堰の完成(平成25年3月)
 清流ルネッサンスⅡで計画された対策の一つである大曲堰は、平成25年3月に完成しました。本施設は可動式のゲートにより海から湖への海水の流入を防ぎ、塩水層の上昇を防ぐことで青潮やアオコの発生を抑えるための施設です。
  • 建設中の大曲堰
  • 可動式ゲート
建設中の大曲堰の様子(写真左)(平成24年2月撮影)と可動式ゲート(写真右)。
幅20.7mの2門のゲートを遠隔操作します。
大曲堰は、北見河川事務所からの遠隔による自動制御で操作しています。
  • 図解1

    (1) 網走湖からオホーツク海に水が流れ込んでいる時(湖水位が潮位より高い場合) → ゲートは倒れる

  • 図解2

    (2) オホーツク海の水が網走湖に流れ込んでいる時(潮位が湖水位より高い場合) → ゲートは起立する

  • 水産資源などに配慮した堰の操作
 湖への海水の流入は、潮位が湖水位より高くなる時期が多い冬に多くなることや、ワカサギやシラウオなどの魚類の遡上・降海が比較的冬期は少ないこと、堰周辺の舟運が冬期に減少することなどから、11月から3月の冬期間に堰を操作しています。
  • 大曲堰の本格運用へ
  平成18年1月から平成21年度までの間、仮ゲートによる試験運用が行われました。
  この試験運用により、ゲートの有効性や湖の環境への影響を実証、確認した上で、平成22年度から堰工事に着工し、26年1月からは本格運用がスタートしています。

  仮ゲートによる試験運用以後、塩淡境界層は、水深約6mで安定し、平成22年度以後、青潮は発生していません。また、シジミの資源量も回復傾向にあります。

  今後はゲートの運用を続けながらモニタリング調査を行い、水環境改善に向けた効果や環境などへの影響を検証することとしています。
  • 表1 (表1)塩淡境界層の推移と青潮発生状況
  • 表2 (表2)標高別ヤマトシジミ推定個体数の推移(10㎜以上)
TOP
NEXT

お問合せ先

開発監理部 広報室

  • 電話番号:011-709-2311
  • ファクシミリ:011-709-8995

現在位置の階層

  1. トップページ
  2. 広報室
  3. WEB広報誌 かいはつグラフ
  4. WEB広報誌 かいはつグラフ2015.03
  5. 網走川大曲堰