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平成29年10月24日局長記者会見

記者会見内容

局長
平成29年10月24日局長記者会見の内容 
  1. 国道274号日勝峠の通行止め解除について
  2. 国道36号竹浦橋の通行止め解除について
  3. 北海道開発局建設業等の働き方改革推進本部の設置について
  4. 平成29年度頻発する暴風雪を踏まえた今冬の取組について

会見日時・場所

日時: 平成29年10月24日(火曜日) 13時30分~13時58分
場所: 札幌市北区北8条西2丁目札幌第1合同庁舎17階 北海道開発記者クラブ
会見実施者: 北海道開発局長 和泉 晶裕

配布資料

話題1

国道274号日勝峠の通行止めを10月28日(土曜日)13時に解除

 日勝峠の開通のご案内について、台風21号の通過に伴う積雪の関係で、積雪の状況を確認した上でのお知らせということになりまして、急にお呼び立て申し上げまして大変申し訳ありません。
 それでは、まず国道274号の日勝峠の通行止め解除についてのお話をさせていただきます。平成28年8月30日から台風10号の影響により通行止めとしておりました国道274号日勝峠の日高町千栄から清水町清水までの36.1kmにつきましては、平成29年10月28日(土)13時に通行止めを解除することといたしました。工事進捗状況によりましては、一部区間は通行止め解除後も片側交互通行になる可能性があるとお知らせしておりましたけれど、現地での復旧作業が順調に進み、施工業者さんのご協力にもよりまして、全線で上下線の対面通行が可能ということになりました。施工に当たりましては、調査段階ではドローンや3次元レーザー測量等のICT技術を導入した調査ですとか、ICT土工の導入などにより工期の短縮が図られ、この時期の開通ということになりました。
 被災直後からネクスコ東日本さんに、平成28年9月1日からですけど、道東道の代替路(無料)措置を実施していただき、地域の経済、社会活動に対して多大なる貢献をしていただきましたが、この解除のタイミングをもちまして終了することとなっています。また、通行止め解除に当たりましては、報道機関の皆様を対象とした現地説明会や除雪出陣式を計画しております。詳細は、後日、開発建設部から報道発表する予定としておりますので、改めてご案内申し上げたいと思います。なお、通行解除後も多少管理体制を強化しておりまして、連続雨量が160mm、又は連続雨量110mmかつ時間雨量が10mm降った場合には通行止めということでご案内させていただくところでございます。

話題2

国道36号白老町(竹浦橋)通行止め解除予定及びこれに伴う道央自動車道における代替路(無料)措置の終了について

 2点目は、国道36号竹浦橋の通行止めの解除についてです。これは今年の台風18号の接近に伴いまして、平成29年9月18日から通行止めを実施しておりました国道36号竹浦橋、白老町字北吉原から白老町字竹浦に至る延長0.6kmにつきまして、現在仮橋設置工事を実施しておりましたけれど、完了いたしましたので、平成29年10月27日(金)9時に通行止めを解除することといたしました。当面は仮橋でのご利用ということになります。
 また、竹浦橋が重大な損傷を受けたことから、9月27日からネクスコ東日本さんにより道央道の代替路(無料措置)を実施していただきましたが、この措置も通行止め解除とともに終了することとしています。

話題3

北海道開発局建設業等の働き方改革推進本部の設置について

 3点目です。先ほども災害復旧において、ICT土工やドローン等の活用で生産性が向上したことにより、災害復旧にも非常に大きく役に立ったということを説明しましたが、建設産業における担い手の確保ということも含めまして、働き方改革につきましての体制を整えましたので、ご案内いたします。
 背景としましては、今年の3月28日に政府による「働き方改革実現会議」で決定された「働き方改革実行計画」では、建設業における時間外労働規制の見直しが行われ、これまで週40時間を超えて労働可能となる時間外労働時間の限度が適用除外とされていたものが、災害復旧に関するものを除きまして、時間外労働の罰則付き上限規制の一般則を適用、改正労基法の施行5年後から適用することとされました。
 これを受けまして、今年の8月28日に「建設業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議」で申し合わせた「建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン」では、受注者・発注者が相互の理解と協力の下に取り組むべき事項を指針として、「適正な工期設定・施工時期の平準化」、「生産性向上」などが掲げられ、関係各省等に通知されたところでございます。北海道開発局といたしましても、これを受けまして、北海道の建設業及び建設関連業、関連業といたしましては、測量業や地質調査業、建設コンサルタント業、補償コンサルタント業というものについて、「適正な工期設定」や「適正な賃金水準の確保」、「週休2日の推進などによる休日確保」など、労働環境の整備及び技術者・技能労働者の確保・育成やその活躍を図るといった働き方改革を推進するために、本日、10月24日をもちまして、私を本部長とします「北海道開発局 建設業等の働き方改革推進本部」を設置したところでございます。今後、当局の発注工事等におきましては、施策の推進を図るとともに、関係地方公共団体、関係事業者に対して施策の普及に取り組んで参る予定でございます。

話題4

平成29年度頻発する暴風雪を踏まえた今冬の取組について

 4点目は、平成29年度頻発する暴風雪を踏まえた今冬の取組についてご案内をいたします。資料の1ページです。このページの内容につきましては、赤字部分が今年の冬から取り組む内容となっております。 3ページです。昨年は、雪自体での通行止め回数も少なく、あまり大雪となった所は無かったのですが、一方、12月下旬の低気圧の影響で広い範囲で大雪となり、ご記憶にあると思いますが、千歳空港周辺での大混乱などがあり、札幌市内でもその際には市内で大渋滞となりました。札幌では50年ぶりに12月の積雪が90cmを超え、旭川におきましても、1961年の統計開始以来、最も早い10月29日に根雪になったというのが昨年の雪の状況でございました。
 8ページです。先ほどご案内いたしました日勝峠の管理体制につきましては、雨量規制等を新たに設けた以外に、現地に気象観測装置を3基から4基に増やし、CCTVカメラを25基から27基、これは一部道路構造等も変わっている箇所もありますので、そういう箇所を重点的に複数増やしています。積雪計も3基から6基という形で、日勝峠周辺は管理強化を図っているところです。
 9ページです。昨年度から通行止め解除の予定時刻を、概ね1時間くらい前から道路情報板等に掲示していたところですけれども、アンケート等行いましたところ、比較的好評でございましたので、今冬は、メール配信サービスにおいても冬のサービスを行うことといたしました。1時間程前から何処が通行止め又は解除になるということがわかるようになりますので、通行の予定がある方は、そこを確認していただくということも可能になります。
 10ページです。昨年の新千歳空港周辺の大雪による混乱を受けまして、今までもゴールデンウィークやお盆の時期には、千歳空港周辺の混雑状況を道路情報板に掲示していたところでございますけれども、今後、冬におきましても、千歳空港周辺の混雑状況をネクスコさんと連携しながら、道路情報板に掲示していくこととしました。札幌から苫小牧周辺まで、広域的なエリアでこの情報を出して注意喚起を行うことといたしますが、道路情報板につきましては、51箇所で対応することといたします。 私からは以上でございます。

質疑応答

(記者)日勝峠の工事が順調に推移したとのことですが、ドローンなどのICTを利用したことによってという話でしたが、ICTをどのように利用したからこうなったとか、もう少し具体的に教えてください。

(局長)ドローンについては、人が立ち入れないところを飛ばして、路線全体の被害状況を概略で把握することと、災害申請等に使う書類のベースになるような資料をドローンを飛ばして全体を把握しました。これによって延べ200日かかる予定のものが30日程度に短縮されました。現地に入ってから具体的な図面を作成するのに3次元のレーザー測量等を行いながら、具体的な災害復旧のための土工量を計算して、図面をおこしていくことができるようになりました。 ICT土工については、日勝峠の大規模土砂崩壊が起きた区間について、土工の効率が約1.2倍になりました。現地の対応上、災害復旧にICT関係の取組が非常に効果的であったと考えています。

(記者)ICTを本格的に導入したのは、日勝峠の災害復旧が初めてですか。

(局長)今まで通常の工事では、活用していましたが、これほどの大規模な災害で、我々が活用したのは初めてです。

(記者)初めてというのは、北海道開発局として初めてですか。それとも全国的な災害ではどこか使っていますか。

(局長)全国的な災害としては、熊本地震の際に使っていたと思います。北海道内の大規模災害で使うのは、初めてです。

(記者)大幅に短縮ということで、全体把握で200日くらいかかる予定が30日になり、大幅だと思いますが、当初予定していた目標値は。この秋くらいと当初から言っていたと思いますが。

(局長)全体像を把握できたのが早かったので、この秋に解除できるであろうと目処が付けられました。発表したのは昨年の11月だったと思いますが、9月から2ヶ月間くらいの間、現地に入っても増水していて反対側に渡れないなどがありましたので、そのようなところをドローンを飛ばし把握をして、11月に平成29年の秋頃には、解除できるであろうと発表しました。

(記者)発表した時点で、大幅に短縮されたということですか。

(局長)調査の段階ではそうです。その後、土工関係で約1.2倍くらいの効率で施工できたことが、秋の実現に向けて有効でした。

(記者)ドローン以外に短縮する要素は他に何かありましたか。

(局長)3次元レーザープロファイラー等です。

(記者)それは、どのようなものですか。

(局長)飛行機を飛ばして、上からレーザーを照射して図面化するものです。

(記者)10月28日13時に解除すると、最終的に判断したのはいつですか。

(局長)今朝(10月24日(火))です。

(記者)その要因としては、昨日現地を見たとか、今朝現地を見たとかですか。

(局長)昨夜、日勝峠は20cmくらい降雪があったので、その除雪作業等を行った上で、今週の土曜日にはなんとかなるだろうと。天気予報を確認してもこれから荒れる予報もなかったので、大丈夫であろうと判断しました。

(記者)10月末頃とお知らせをもらっていましたが、31日ではなく、できるだけ早くということですか。

(局長)できるだけ早く開通した方が、地域のためになると考えました。もっと早く解除できればよかったのですが、台風の影響もあったので、状況も踏まえて今日発表させていただきました。


(記者)ドローンやICTを使用しなかったら、どのくらいかかったのですか。

(局長)難しいところですが、先ほど延べ200日と話しましたが、測量は人数を大量に入れればできますが、昨年の災害の場合は、道路が寸断されていて対岸にも渡れないような状況でありましたので、どのくらいの人数を入れられたのかというのは、なんとも言いがたいものがあります。予測日数というのは、全線をもし従来方法でやろうとすると延べ200日かかる作業を、ドローンを使ったことにより、30日でできたのですが、200日が実際には何日だったかというところは、お答えしづらいところです。

(記者)作業員の人数についても、効率が上がったのですか。

(局長)人数が少なくても作業できるというのが非常に大きいです。

(記者)効率が1.2倍となったのは、どの部分の効率が1.2倍となったのですか。

(局長)土を盛っていく作業の時間・日数が、約1.2倍のスピードで盛ることができました。土工というのは、土を盛ったり切ったりする時に、法面を斜めに積み上げていきますが、その時に「丁張り」という斜めの角度を測量して角度を付けて、そこに誘導員を付け、土工を行っていきます。一方、ICT土工では「丁張り」を行わなくても、機械が画面だけで角度が自動的に出て盛れるようになりますので、丁張り等がいらなくなります。また、日勝峠ですので、濃霧が出た場合に誘導員の危険性も増すので、施工を途中で止めなければいけませんが、ICT土工では、重機だけで盛ることができるので、そこの効率が上がっています。

(記者)開通前に報道陣が先に入れることはできますか。

(局長)開通前に現地記者説明会を予定しています。開発建設部からご案内しますので、改めて発表します。

(記者)当日の朝になる可能性は。

(局長)当日の朝になる可能性はあります。現地の標識の点検作業等が残っていますので、当日になる可能性はあります。

(記者)竹浦橋について、仮橋で対応とのことですが、本格的な復旧はいつですか。

(局長)まだ目処が立っていません。現在、調査と設計を検討しているところです。これから、具体的な構造等を決めて予算要求するという流れとなりますので、目処が見えていないという段階です。

(記者)今回の日勝峠の復旧費はどのくらいかかったのですか。

(局長)トータルで227億円です。

(記者)日勝峠が復旧工事で1年余り通行止めになっていましたが、今回、全線対面通行という形で通行止め解除を迎えることについてのご所感は。

(局長)未曾有の大災害に見舞われて、日勝峠がこのような災害になるとは誰も想像できなかったのではないかと思います。しかも、道東と道央圏を結ぶ大動脈で、多くのトラック輸送が通行していたということもあって、北海道の社会経済に多くの影響を与えたと思っています。唯一道東道が短時間で災害復旧し、無料の措置をしていただきましたので、最小限の影響で済んでいると考えています。北海道のネットワークの脆弱性が露呈したと実感しています。ネットワーク整備等の必要性、リダンダンシーの確保が非常に重要だということと、道路だけではなく、鉄道網も含めてリダンダンシーの確保が重要であると実感しています。

(記者)工事は終わったということですか。

(局長)まだ続いています。開通する部分につきましては、ひととおり完了しましたが、周辺の工事は、来年まで続く予定です。河川の護岸、通信施設など、まだ残っている工事があります。

(記者)道路の整備はいつまでに完了したと言えるのですか。

(局長)道路の整備は、路面は完了したと言っていいと思います。周辺の施設整備は若干残っています。

(記者)気象の観測装置は増強されるのですが、管理体制はいかがでしょうか。

(局長)CCTVカメラも増やします。構造が変わっているところもありますので、雪の状況等が変化している可能性があるところにつきましては、今回、CCTVカメラを増設し、引き続き道路管理の一助としていくことになります。

(記者)CCTVカメラの増強は何台ですか。

(局長)2台です。

(記者)何台が何台に。

(局長)25台が27台になります。

(記者)日勝峠の関連で、被災当初からコンサルタント関係の業者や地域の建設関係の業者がとても頑張ったと思いますが、改めてコメントをいただければ。

(局長)発災当初から日勝峠に限らず、今回の災害全般で調査、設計、施工という各段階において、業界の方々には、24時間作業を行いながらご尽力いただきました。おかげさまで、1年余りという短期間で開通することができました。改めて、地域産業としての建設産業というのは、災害の時には非常に重要なものだと実感しているところです。そういう意味でも、先ほど話した建設業の働き方改革で、担い手の確保や人材確保、魅力ある建設業にして、人が入ってきてもらえるような環境を作っていくことが、地域に根ざした建設業を引き続き維持できるようにしていくために非常に重要であると考えているところです。

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