湧別川流域懇談会NEWS【第2号】(平成12年9月12日)
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湧別川流域懇談会NEWS 第2号
【第2号】
発行者:懇談会座長 内島 邦秀
発行者:懇談会座長 内島 邦秀
第2回懇談会は、湧別川の現地見学のほか、「湧別川に対する意見と課題」 及び「河川環境管理基本計画」について話し合いました。
●第2回 湧別川流域懇談会 日時:平成12年9月12日(火曜日) 午前10時~午後4時 場所:遠軽町役場 3F 大会議室 参加者:委員14名、報道機関2社 |
事務局からの報告
事務局からの報告として、前回懇談会(湧別川に対する思い)の整理、これまでに行われたアンケート結果の紹介、湧別川流域会議で提案されている「湧別川リバーサイド物語 川の道構想」、河川環境管理基本計画の考え方、について報告がありました。
湧別川に関するアンケート調査結果
平成11年に実施した湧別川に関する郵送アンケート結果と、平成11年と12年に湧別川で行われた「みずウォーク」の際に実施したアンケート結果から、住民の皆様が考えている「湧別川」とは以下のようなものであると思われます。
=湧別川に関するアンケート調査結果=
•湧別川は自然が美しい川。
•湧別川は、散策、釣り、スポーツ、ジョギングなどが楽しまれている川。 •湧別川では「自然な川の流れ」と「広々とした風景」が好まれている。
•湧別川では「治水対策」と「自然の保全」が求められている。 •河川事業について、事業計画前から実施後までわかりやすい情報提供が必要。
•日常からの情報提供が必要。 •水量・水質への関心が高い。
•洪水時における、情報伝達体制の整備が必要。 •日常の情報提供は、町村の広報誌など身近なツールで。
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第2回懇談会の様子
「湧別川リバーサイド物語 川の道構想」の紹介
1本の川沿いの道で上流の白滝村から河口の湧別町までを結ぶ「川の道構想」が湧別川流域会議から提案されています。
湧別川流域会議とは、湧別川流域6ヶ町村の異業種間の人々が一堂に会し、地域の活性化のために「湧別川」という共通のテーマのもと1986年から活動している会議です。
川の道を通じて「湧別川の水を大切にする心」「森林に対する理解」「街と街の交流の深まり」「地域の発展」を目指しています。
6ヶ町村テーマ
白滝村 丸瀬布町 生田原町 遠軽町 上湧別町 湧別町 |
原始の川 川と森 川と魚 川と里 川とスポーツ 川と海 |
湧別川河川環境管理基本計画の見直しの概要
同計画は湧別川における環境面の具体な管理について位置づけられたもので、平成2年度に策定されています。
その後、約10年が経過し、河川の水質、生態系の保全、水と緑の景観、河川空間の快適性など、地域の方々の要望の増大に応えるべく、内容をさらに充実させるため見直すことになったものです。
見直しする主な部分として、湧別川リバーサイド物語を踏まえ重点的に施設整備を進める地点を再設定し、新たに河川内の土地利用の区分と湧別川に必要な水量を設定すること等があげられます。
その後、約10年が経過し、河川の水質、生態系の保全、水と緑の景観、河川空間の快適性など、地域の方々の要望の増大に応えるべく、内容をさらに充実させるため見直すことになったものです。
見直しする主な部分として、湧別川リバーサイド物語を踏まえ重点的に施設整備を進める地点を再設定し、新たに河川内の土地利用の区分と湧別川に必要な水量を設定すること等があげられます。
現地見学会

見学先は、サケ・マスの捕獲場や河川敷ゴルフ場など利用がなされている箇所、平成10年の水害で河岸が崩壊した箇所、これから工事が進められる箇所など7地点でした。
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見学地点位置図

洪水を流す能力が不足している箇所。

平成10年の洪水で河岸が浸食されました。
写真は平成10年被災直後のものであり、被災した護岸はすでに復旧しています。

見学会当日も捕獲作業が行われていました。
4.河川敷ゴルフ場
高水敷に設置された「リバーサイドゴルフ場」。
高水敷に設置された「リバーサイドゴルフ場」。

高水敷に設置された「せせらぎ公園」。

歌句碑と一体となった親水整備が行われています。

自然環境及び景観に配慮した河川改修実施箇所。
懇談会でのご意見
現地見学会を踏まえて行われた討議での主な意見を紹介します。
- サケやマスが産卵する中流域は、資源の再生産のために大切な場所で、伏流水が多いと考えられる。レクリェーションの場として整備すると人間が近づくことで魚に負荷がかかってしまう。整備する場合は、十分留意してほしい。

- 湧別川の川縁はきれいになったが、水質は良くなっていない。利用計画だけを議論するのではなく、空間管理計画と水管理計画を分けて議論すべきだ。 サケマス捕獲場と河畔林
- サケマス捕獲場付近にある河畔林は、カワセミなどが生息しており、良好な自然空間の様相を呈している。ここだけは、手をつけないで欲しい。
- サケマス捕獲場を、千歳川のサーモンパークのような観光資源としてうまく活用出来ないだろうか。
- 高水敷に水がつき、散策路などが壊れるようだが、洪水後に再生可能な工法を考えたら良いと思う。
- 洪水が起きると河岸が決壊するが、高水敷を利用して設置している河川敷ゴルフ場などでは、河岸決壊を防ぐような手だてが必要。
- 洪水時に流木が流れないような高水敷を守る工法を開発し、実施できないか。
- 湧別川流域の学校では、湧別川が母なる川として校歌に唄われている。教育基本法が改正され、学校教育の中にボランティア活動が位置づけられる。このボランティア活動を河川の整備や維持管理に積極的に活用し、河川との関わりのなかで学生の教育を行う取り組みをして欲しい。
- 良い水が流れていないと良い川にはならない。良い水を保全することはただでは出来ないと言うことを流域の人々に知ってもらう必要がある。たとえば、水道料金の一部を川の水質の保全に利用するなどの方法もあるのでは。
- 畜産廃棄物、家畜糞尿などの対策の必要性はわかっているが、財政的な課題もあり、すぐに対策できないジレンマを感じている。
- 川が危険であるとか、水質に問題があるとかなどで親水活動がしにくい状況であり、川から子供を遠ざけているというのが現状。子供たちに川とどう関わらせていくかが課題と感じている。
このNEWSは、『湧別川流域懇談会』の様子を流域のみなさんに広くお知らせするために発行する ものです。 |