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千代田新水路~十勝を守る~

WEB広報誌 かいはつグラフ2015.11

  • 千代田新水路 十勝を守る
千代田堰堤とその歴史
千代田堰堤とその歴史
 十勝川の中流部に設置されている千代田堰堤は、農業用取水施設として完成して以降、サケマスの養魚用水の取水施設として利用され、現在は採卵用のサケの捕獲場として重要な役割を果たしています。堰堤から流れ落ちる流水の壮大さとサケが水面をはねる様子は十勝の観光名所の一つとなっています。
 また、十勝の開拓の歴史の中では、洪水等の自然の猛威に幾度となく襲われてきました。古くは、明治31年に大洪水があり、大正11年には千代田下流から大津河口まで一面が冠水する大きな洪水が発生しています。近年では、昭和56年に田畑や家屋が浸水する洪水が発生しました。
  • 千代田堰堤
千代田新水路
千代田新水路
 千代田堰堤は、十勝川の計画河床高より5.6mも高い固定堰です。また、低水路も左側に大きく蛇行しており、増水時のスムーズな水の流れを阻害していました。千代田地区において、地域の財産である千代田堰堤を残すと共に流下能力不足を解消し、治水安全度を向上させるため、洪水時に流水を分流する新水路を建設する必要がありました。
 これにより、千代田新水路が新たに整備されることとなりました。
  • 新水路
 千代田新水路は、上記の写真のように、右岸側の高水敷に掘削された新しい低水路です。新水路内上流側には分流堰が設けられ、通常時は分流堰ゲートを閉めて本川に水を流し、洪水時には分流堰ゲートを開けて新水路に水を流し、安全に洪水を流下させます。

分流堰
分流堰
起伏式ゲート
 流量調整の容易さと経済性に優れた起伏式ゲート(転倒式)を採用しています。起伏式ゲートとしては、国内最大級の施設です。川の水位、流量に応じてゲートの倒伏、起立操作を行います。ゲートの操作については、管理棟で行います。

                                   起伏式ゲートの構造図


【分流堰】
【分流堰】
この堰には、高さ3.91m、幅43.3mのゲートを4門設置しています。
■出水に伴う分流堰のゲート操作(下の写真)
【分流堰】
 出水に伴い、分流堰のゲートを開き、新水路側へ水を流している写真です。
 新水路側にも水を分流させることによって、洪水に対する安全性を高めています。
魚道及び魚道観察室
魚道及び魚道観察室
 千代田堰堤には魚道が設置されており、一部の魚類は遡上できていましたが、小型魚類等は遡上しにくい状況にありました。そこで、千代田新水路では階段式と水路式の2種類の魚道施設を設け、十勝川の魚類が容易に遡上できるようにしました。
 また、魚類がを遡上する様子を観察する事ができる魚道観察室を設けました。

 【階段式魚道】
 【階段式魚道】
遊泳力が強い大~中型魚類が主に利用することを考えて作られました。(サケ、カラフトマス、サクラマス、ニジマス、アメマス、ウグイ等)
魚道観察室が設けられています。
【水路式魚道】
【水路式魚道】
遊泳力が弱い小型の魚類が利用することを考えて作られました。(ワカサギ、イトヨ、エゾハナカジカ等)
【魚道観察室】
【魚道観察室】
魚道観察室から、階段式魚道を利用している魚を観察することができます。魚の様子を横から観察することができる魚道観察窓のほか、魚道の底からも観察することができる窓もあり、水に潜った気分で、魚の泳ぐ姿を観察することができます。
千代田実験水路
千代田実験水路
 実験水路は、新水路の一部を利用し、その水路に擬似洪水を発生させる、国内最大規模の実物大河川実験施設であり、安全で安心できる国土づくりや美しい国土づくりに資する成果を得ることを目的として、設置されました。
 また、精度の高いデータは、今後の河川管理に関する行政課題の解消に役立てます。
 安全で安心できる国土づくりや美しい国土づくりに資する成果を得ることを目的として、設置されました。
  • 新水路イメージ
  • 実験水路全体図
  • 堤防の破堤に関する実験
  • 堤防の破堤に関する実験
【実験の内容】
 洪水により堤防が決壊した場合、水が住宅や農地などに氾濫し甚大な被害が発生します。
 そこで、千代田実験水路を活用し、堤防が決壊した際に氾濫する水の量を抑えることで浸水被害を小さくしたり、沿川住民が避難する時間を稼ぐ効果を期待した破堤拡幅抑制工(破堤部の拡幅を抑える工法)の検証実験を行ってきました。
 破堤拡幅抑制工の実験は、破堤箇所の下流側にブロックを配置して、破堤拡幅の抑制状況を検証するものです。ブロックの配置パターンを変えた実験を2ヵ年に亘って行ったところ、破堤拡幅はブロック設置区間で停止又は速度が遅くなる傾向が見られました。また、破堤拡幅の停止後にブロックを撤去して再通水を行ったケースでは、破堤拡幅が再度進行していきました。 これらの実験結果から、ブロックの設置は破堤拡幅を抑制する一定の効果があったと考えています。

 (主な観測船による流速・水深の計測状況の写真)
  • 抗ワイヤー式ADCP観測船 抗ワイヤー式ADCP観測船
  • ラジコンボートADCP観測船 ラジコンボートADCP観測船
  • 高速流タイプADCP観測船 高速流タイプADCP観測船
十勝エコロジーパーク 
十勝エコロジーパーク 
 十勝エコロジーパークは、「千代田新水路事業」(国)、「十勝圏道立広域公園事業」(道)、「都市計画公園事業等」(1市3町)からなる計画であり、音更町と幕別町、池田町にまたがる総面積409.8haの公園です。平成18年4月に全面開園し、既に100万人を超える人が訪れています。
 エコロジーパークの4つの理念として、「自然と人間の共生を目指す公園」、「市民活動を誘発する公園」、「100年先を目指す環境育成型の公園」、「十勝圏全体へと発信する公園」が掲げられています。

最後に
最後に
 千代田新水路は、水と自然に親しめる場所です。
 千代田新水路周辺には、水辺、草原、林など多様な自然が残されており、多くの鳥類や小動物などの姿も確認されています。
 皆さまも、是非一度、自然豊かな中で魚類の観察をされてみては如何でしょうか。

お問合せ先

開発監理部 広報室

  • 電話番号:011-709-2311
  • ファクシミリ:011-709-8995

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