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けんせつの現場から(災害対応 中野さん)

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中野さん(平成27年12月2日掲載)

中野 一之 さんの写真
・氏名                 :中野 一之(株式会社磯田組[日高町])
・主な担当業務  :道路維持(1級土木施工管理技士)
・業界歴     :約32年(道路維持には通算17年間従事)
・紹介コメント  :国道237号(日高町内)及び国道274号(国道237号の交差点から日勝峠まで)の道路維持を担当。担当区域の中心に存する日高町は、道央、道東、道北及び胆振日高地方を結ぶ国道の結節点となっており、道東道が開通になった今でも、大型車の交通量が多い地域です。特に国道274号は、標高1022mの日勝峠を抱えていること、冬期間の積雪量が多ことなどから、冬期間の除雪作業や峠を登っていけなくなる車両の対応等で苦労が多いと聞いております。冬本番を迎えるに当たって、当区域で作業の指揮を取っている株式会社磯田組の中野さんからお話を伺いました。

1 これまでの道路維持作業の中で特に記憶に残っている対応等があればおしえてください。

 平成15年度と平成18年度に災害対応を経験していますが、担当区間の道路維持を語る上で日勝峠の交通事故対応(大型車と普通車の衝突事故など)は外すことができません。2合目から3合目にかけては特に交通事故が多かった区間で、目を覆いたくなるような悲惨な事故現場の対応をしたことがあります。近年は線形改良されたこともあり事故が少なくなりましたが、毎年峠のどこかで事故が発生しています。
 また、冬期に峠を上がれなくなる車両(以下「スタック車両」と記載。)が発生する度合いが高いのも、この峠の特徴ではないかと思います。

2 今年三月の暴風雪対応の状況をおしえてください。

 国道274号(日勝峠)は早めに通行止めになったので、長期にわたる厳しい対応はありませんでしたが、国道237号でスタック車両が発生し、5キロメートルにわたる渋滞が発生したので、渋滞解消に汗をかいたところです。

3 この業界に入った(目指した)きっかけは何ですか。

 自分が若かった頃は建設業界で働く人が多かったこともあり、専門学校で測量を学び、自然体で札幌の測量会社に就職しました。その後、縁あって磯田組にお世話になり、今に至っています。

4 普段の仕事で、苦労している(した)点はありますか。

 道路維持を担当している人は皆同じだと思いますが、道路に何か問題が生じたら出動しなければならないので、気が休まることがありません。
 道路に何か不具合が生じて通行止めになれば、不具合を解消して通行止めを解除するまで飲まず食わずの対応となり、きついものがありますが、その分、仕事を終えた時の達成感や充実感、さらには自分が安全安心な国づくりの一翼を担っているということを実感できます。

5 仕事に「やりがい」を感じるのはどんな時ですか。

 道路維持の仕事は、改築工事のように大規模な構造物をつくるなどの華々しさはなく、今ある道路の傷んでいる所を補修するなど裏方的な地味な仕事です。道路を安全安心に通行できることのありがたみを言ってくれる人はなかなかいませんが、自分達の日々の仕事があってこその安全安心な道路交通だと自負しています。
 「やりがい」を感じるという問いに対する直接的な答えになっていないかもしれませんが、そういう思いで仕事をしていますし、自分達の仕事に誇りを持っています。

6 仕事をする上で、普段心掛けていることはありますか。

 私が担当している道路は、日勝峠と日高峠を挟んで向こう側が他開建のエリアとなり、日頃から連携を取るようにしています。例えば日勝峠の帯広側で事故が発生し、帯広側からアプローチするのが難しい場合は、こちらから支援に向かうなど、できるだけ早く現場に駆け付けて通行止めが解除されるよう頑張っているところです。

 また、我々の仕事は路上で行う作業なので、作業員がもらい事故を受けないよう、細心の注意を払っています。このほか、自分自身のことで恐縮ですが、同僚から真顔が怖いと言われるので、現場の雰囲気が悪くならないような雰囲気づくりにも意を用いています。

7 この業界を目指している若者や女性へのアドバイスがあれば、お願いします。

 大型トラックの運転手として運輸業界で活躍する女性のことを新聞か何かで読んだことがありますが、建設業界でも、例えば女性職員が除雪車を運転し日勝峠の除雪で活躍すれば、日勝峠の安全安心のために働く者のイメージアップにつながると思うし、建設業界のイメージアップにもつながるのではないかと思います。降雪状況により時間を問わず対応しなければならないという除雪作業特有の勤務事情があるので、難しいものがあるかもしれませんが、機会があれば日勝峠の除雪を担当する女性職員を育ててみたいと思います。
 
 ちなみに除雪車は大型一種免許を持っていれば運転できますが、一人前の除雪車運転作業員になるためには10年は要すると思います。どなたか挑戦してみませんか。
  • 日勝峠の除雪中の写真 日勝峠の除雪状況。

    降雪状況等を見ながら、除雪作業の陣頭指揮をとる。

  • 夜間の除雪作業の写真 雪崩のおそれがあるため、夜間の除雪を行う。

    昼夜を問わない除雪作業により、安全安心な交通を確保する。

【インタビューした感想】
 インタビュー当日は、北海道に二日間ほど停滞した低気圧と寒気の影響が抜けきらず今ひとつのお天気で、日高町内からも山に雪をかぶっているのが分かりました。このような天気が災いしてるのか、インタビュー中も中野さんの携帯には現場から電話連絡が入り、道路維持の苦労を目の当たりにしたところです。
 仕事の「やりがい」をたずねたとき、しばしの沈黙の後、静かな口調で一言一言かみしめるように語った言葉、そして自分達の仕事に対する自負と誇りに現場の一線で汗を流す男の格好良さを感じるとともに、建設産業に従事する方々が私たち「むろけん」のカウンターパートなんだなぁということも実感したところです。

お問合せ先

広報官

  • 住所:室蘭市入江町1番地14
  • 電話番号:0143-25-7051

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