特殊項目
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水質の特性及び基準値
特殊項目: 生活環境に係る排水基準で指定されている項目のうち、健康項目ほどではないが有害性が認められ、かつ工場排水などに比較的普通に含まれている成分です。
項 目 | 特 性 | 基準値 |
亜鉛 | 亜鉛は自然界に比較的広く分布する金属であり、生体必須元素の一つで、欠乏すると様々な障害が起こりますが、亜鉛による水質汚染が人間の健康上問題になることはほとんどありません。ただし、植物や微生物、魚類に対してはかなり強い毒性があるので注意が必要です。人為的供給源は、鉱山排水、金属工場排水、大気粉塵などが主なものです。と定められています。 | 水道水質基準 1.0ミリグラム/L以下 |
溶解性鉄 | 鉄は、自然界において酸素、ケイ素、アルミニウムについで多く存在する物質で、流域の地質によっては自然水中にかなり多量に含まれているので、水質調査では普通、溶解性のものだけを問題にします。通常の地表水では溶解性鉄はきわめて少ないのですが、地下水や有機汚濁の進んだ河川や工場排水や鉱山排水が流入する水域では、溶解性鉄を含むことが珍しくありません。鉄は生物にとって重要な栄養素の一つですが、鉄分が多いと水に臭味や色をつけたりします。 |
排水基準 |
溶解性マンガン | マンガンは挙動が鉄と似ており、鉄と同様の理由で溶解性のものだけが規制されています。マンガンもまた生体必須元素の一つですが、毒性の点では鉄よりも有害で、多量に摂取すると神経症状を中心とする慢性中毒を引き起こし、一時に大量を摂取した場合は危険であるとされています。マンガンによる障害は、鉄と同様、臭味や着色などによるもので、水質基準値もやはり健康被害の面よりも利水面から決められています。一般に、自然水中の溶解性マンガンは0.1ミリグラム/L以下で、1ミリグラム/Lになると異常値とみなすことができます。 |