鵡川河口干潟の保全・再生の取組
ページ内目次
鵡川河口干潟の保全・再生の取組
- 鵡川河口の風景(H27)
鵡川河口の干潟
- オグロシギ、ハマシギ
- バードウォッチング
鵡川河口の干潟は、日本有数のシギ・チドリ等を中心とした渡り鳥の重要な中継地となっています。
シギ・チドリ類は、シベリアと東南アジア、オセアニアを行き来する渡り鳥で、非常に長い距離を移動するため休息地、餌場が必要です。
鵡川河口は、サハリンと千島列島ルート合流点に位置し、空から発見されやすく、餌となるゴカイ(底生生物)が豊富なため、多くの渡り鳥が羽を休めています。そのため、多くの野鳥愛好家がこの地を訪れ、バードウォッチングを楽しんでいます。
失われつつある干潟再生の取組
鵡川の河口部には、かつて30haを超える干潟が存在しましたが、昭和50年代から約20年間に、海岸が最大で約400m浸食され、干潟が大きく減少しました。
この海岸侵食は、鵡川河道内でこれまで実施されてきた砂利採取や鵡川河口から南東に位置する鵡川漁港の整備により、鵡川河口域における土砂収支バランスが変化したことが原因と考えられます。
この海岸侵食は、鵡川河道内でこれまで実施されてきた砂利採取や鵡川河口から南東に位置する鵡川漁港の整備により、鵡川河口域における土砂収支バランスが変化したことが原因と考えられます。
室蘭開発建設部は、鵡川河口におけるシギ・チドリ類を中心とした渡り鳥の中継地としての機能を回復させるため、平成8年から地域の方々と議論を重ね、平成12年から干潟再生の取組を行いました。その後、河口干潟面積も徐々に回復傾向にあります。
(鵡川河口自然再生事業:実施期間 平成12年度~平成21年度)(平成22年度事後評価)
(鵡川河口自然再生事業:実施期間 平成12年度~平成21年度)(平成22年度事後評価)
〈実施内容〉
- 人工干潟の造成(平成13年~平成14年)
干潟減少に対する緊急的な措置として、2.5haの人工干潟を設置。
- 水制工の設置(平成16年~平成18年)
海岸侵食を弱める働きをする河口テラスを左岸寄りの海域に形成するため、水制工を設置し、河口の位置を現在より左岸寄りに移動。
- サンドバイパスの実施[関連事業:北海道](平成12年~)
鵡川漁港の機能を維持するため漁港に溜まった土砂を掘って、鵡川河口に運搬して土砂を供給。
地域と一体となった干潟保全・再生の取組
鵡川河口干潟の保全と再生は、住民、行政、さらに学識者等がおのおのの役割を持って、自然環境学習、植樹会、野鳥・底生生物のモニタリングなど様々な活動を展開させてきました。
- 干潟観察会
- 鳥類調査
- 干潟勉強会
鵡川河口干潟のモニタリングや維持活動は、現在も地域の活動団体等の協力を得ながら実施しています。
一つの事例としては、「鵡川河口人工干潟の除草」です。この取組は、平成17年にヨシ抜き取りを行い、その後、平成22年から除草の維持活動を、ネイチャー研究会inむかわ、地元高校生、ボランティアの方々、室蘭開発建設部等が参加して継続実施しています。
地元の活動団体であるネイチャー研究会inむかわは、平成28年3月に河川協力団体となり、干潟除草、外来種防除など、引き続き室蘭開発建設部と連携して取り組んでいます。
一つの事例としては、「鵡川河口人工干潟の除草」です。この取組は、平成17年にヨシ抜き取りを行い、その後、平成22年から除草の維持活動を、ネイチャー研究会inむかわ、地元高校生、ボランティアの方々、室蘭開発建設部等が参加して継続実施しています。
地元の活動団体であるネイチャー研究会inむかわは、平成28年3月に河川協力団体となり、干潟除草、外来種防除など、引き続き室蘭開発建設部と連携して取り組んでいます。
また、ネイチャー研究会inむかわとともに、地域を支える子供たちに向けて、地域の財産である自然豊かな鵡川を理解し大切にすることや、川を守る活動の大切さを伝え、理解を深めてもらうことで、地域づくりの人材育成につながるように取り組んでいます。
〈近年の主な取組〉