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基本的な考え方

基本的な考え方

地域の生命・財産を守る基礎となる治水対策

 治水対策は地域住民の生命、財産を守るための最も基本的な社会基盤です。豪雨による河川の氾濫は、地域社会に大きな打撃をもたらすものであり、これは昨年全国各地で発生した河川の氾濫による災害の状況を見ても明らかです。

天塩川の治水対策の現状

 天塩川流域は、昭和初期の屈曲部の切替に着手から始まり、捷水路の開削、河道の掘削・浚渫、堤防の整備、岩尾内ダムの建設等を進めてきました。しかしながら現在の整備状況は、戦後最大規模の洪水に対してさえ安全ではない状況です。
 このため、天塩川の河川整備計画では戦後最大規模の洪水を当面の目標に洪水対策を進めていくことを考えています。

サンルダムによる治水効果

 サンルダムは堤防の整備や河道の掘削等の河川整備と相まって、洪水を調節することにより、ダム下流の名寄川及び名寄川の合流後の天塩川に治水効果を発揮する事業です。
 サンルダムの治水対策の費用対効果は全国で用いられている一般的な手法で検討した結果、十分な投資効果があると考えています。サンルダムの事業費については、さらに今後新たな技術開発に取り組む等、コストの縮減に努め、事業の効果的、効率的な推進に努めます。
 また、平成15年8月に発生した台風10号により、日高地方の沙流川では、本流や支流から大量の流木が発生しました。二風谷ダムでは約5万m3の大量の流木を捕捉したことで、ダム下流ではダム上流で見られたような流木による被害がありませんでした。流木被害は橋梁の損壊や堤防の破堤など直接的な被害だけでなく、海へ流れ出ると航路障害や漁場・漁具等への被害を引き起こしたり、海流に乗って遠くの海岸へも被害を拡大させるため、貯木効果のあるダムは、洪水調節とあわせて、流木被害軽減に有効と言えます。

サンルダムによる渇水時の効果

 サンルダムでは融雪期や洪水時の水を一時貯留し、夏期・冬期の流量が少なくなる時期に水を補給することにより、既存の水道用水、かんがい用水等の安定的な取水を確保するとともに、動植物の生息・生育等に必要な河川の流量を補給します。サンルダムは、渇水時における河川環境の維持のための流量を確保する計画となっており、常にダム下流に対して適切な流量を補給するため、ダム下流に無水・減水区間が生じ河床が干上がることはありません。 

サンルダムと遊水地の比較

 名寄川のように河床勾配が急な河川では遊水地の容量が十分確保しにくく効率が良くありません。
 遊水地により河川整備計画で目標としている戦後最大規模の洪水に対応する場合、天塩川流域の当該市町における洪水を防御する対象となる農地のおよそ1~3割が遊水地内となり、洪水時には冠水して営農に影響を受けることになります。
 また、河川整備基本方針の洪水に対応するには、名寄川流域で洪水を防御する対象となる農地のほぼ全域が冠水することになります。天塩川流域では当該市町における洪水を防御する対象となる農地のおよそ3~4割が冠水することになります。このため、農業が主要産業となっている天塩川流域の地域に与える経済的、社会的影響が大きいと考えられます。
 遊水地案とサンルダム案を比較すると、サンルダム案は、全体事業費が小さく経済的に有利であること、効果の発現が早いこと、河川整備計画で目標としている洪水を超える洪水に対しても被害を軽減できること、河川整備基方針に対応する場合に遊水地案は規模を拡大しなければならないのに対しサンルダム案は新たな事業が必要ないこと、遊水地案は正常流量の補給など利水面及び低水管理面では他に有効な代替案がないこと等、サンルダム案が総合的な対策として有利と考えています。 

生態の保全

 サクラマスは天塩川流域の広い範囲において生息が確認されています。 
 また、サンル川流域において行った調査では、サクラマスの産卵床は、サンル川本川上下流部や支川など広い範囲で確認され、貯水池になる箇所以外にも多くの産卵床が確認されていることから、ダム地点において遡上・降下の機能を確保することにより、サクラマスの生息環境への影響を最少限に抑えるよう取り組むこととしています。 

森林の保水機能

 日本学術会議の答申(平成13年11月「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価について(答申)」)において、森林の多面的な機能について評価する一方で、森林の水源涵養機能(洪水緩和機能等)の限界について指摘されています。その中で、
治水上問題となる大雨のときには、洪水のピークを迎える以前に流域は流出に関して飽和状態となり、降った雨のほとんどが河川に流出するような状況となることから、降雨量が大きくなると、森林による洪水の低減する効果は大きくは期待できない。このように森林は中小洪水においては洪水緩和機能を発揮するが、大洪水においては顕著な効果は期待できない。
あくまで森林の存在を前提にした上で治水・利水計画は策定されており、森林とダムの両方の機能が相まってはじめて目標とする治水・利水安全度が確保される
 ことが示されています。天塩川の治水計画は、流域の約7割を占める森林の存在を前提としており、森林の機能と河川の整備が相まって、目標とする安全度が確保されるものです。 

サンルダムの周辺整備

 サンルダム周辺整備の構想は、下川町を事務局とする「サンルダム周辺整備検討会」により、具体化に向けた検討が進められているところです。
 また、「水源地域ビジョン」は、ダムを活かした水源地域の自立的・持続的な活性化を図り流域内の連携と交流によるバランスの取れた流域圏の発展を図ることを目的としており、ダム水源地域の自治体、住民等がダム事業者・管理者と共同で策定します。現在、下流の自治体・住民や関係行政機関に参加を呼びかけながら策定する水源地域活性化のための行動計画の策定の取組を進めているところです。 

お問合せ先

治水課

  • 住所:旭川市宮前1条3丁目3番15号
  • 電話番号:0166-32-4245

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