昭和55年頃:空知川流域-歴史のひとこま【札幌開発建設部】治水100年
石狩川流域誌 支川編
昭和55年頃(昭和55年~平成8年頃) 空知川流域 歴史のひとこま
ドラマなまちづくり
富良野市「北の国から」
昭和52年、テレビドラマを中心に活躍する脚本家・倉本聰(くらもとそう)が、富良野の文化村に移り住んだ。原作・脚本を務めた、麓郷地区を舞台にしたテレビドラマ「北の国から」は、昭和56年から24 回にわたり放映された。自然とともに生きる一家の家族愛を、富良野地域の壮大な大自然を背景に描き、全国から共感を呼ぶとともに、一躍富良野ブームを巻き起こした。以降、スペシャルドラマとしてシリーズ化された。富良野や北海道が、全国の人から「憧れの地」といわれるようになったのは、このドラマの影響が大きいといえる。 昭和59年、ドラマで使われた主人公の家などがある一帯は「麓郷の森」としてオープンした。ドラマ の貴重な資料を展示した「北の国から資料館」が、富良野駅前に大きな倉庫を改装して平成15年にオープン。さらに「優しい時間」「風のガーデン」という、富良野三部作が放映されるたびに、それぞれのロケ地に全国からファンが集まり、観光名所になっていった。
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『2002遺言』に登場した「拾ってきた家」
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富良野駅前にある「北の国から資料館」
歌志内市・上砂川町「昨日、悲別で」
北海道の悲別町という架空の町を舞台に、仕事を求めて東京に出た若者と、故郷に残った若者との、心の交流を描いたドラマ「昨日、悲別で」が昭和59年に放映された。舞台になった「悲別ロマン座」は、歌志内にある旧住友上歌鉱会館で、往時は有名歌手の歌謡ショーが行われたという。ドラマ放映をきっかけに、「悲別ロマン座」として住民の手で改修され た。悲別町は上砂川がモデルとされ、鉄道の「旧上砂川駅」がロケ地(悲別駅)として使用されている。この駅も、旧住友上歌鉱会館同様に、全国的に有名になった。昭和56年に公開さ れた、映画「駅STATION」でも使用されている。これ等の作品もまた、倉本聰の脚本である。古いものの良さと郷愁の風景が、物語とともに人々の心を打つ。
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ロケ地になった旧上砂川駅(空知総合振興局蔵・そらち道草写真館)
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歌志内の炭鉱の会館だった「悲別ロマン座」(空知総合振興局蔵・そらち道草写真館)