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2.日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の発生予測及び被害想定

2.日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の発生予測及び被害想定

参考文献;「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に関する専門調査会報告」(平成18年1月25日)

2-1.日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の地震像

 日本海溝・千島海溝周辺の領域では、地震規模から見るとマグニチュード7前後のものからマグニチュード8を超える巨大なもの、発生機構からみるとプレート境界で発生するもの、プレート内部で発生するもの、また、地震の揺れのわりに大きな津波を発生するいわゆる“津波地震”等、多様なタイプの地震が発生しており、繰り返しの特性についても様々である。
1)調査対象領域の分類
検討対象地域の領域区分
「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に関する専門調査会報告」

(平成18年1月25日)(P54)より

 調査対象領域の分類については、地震調査研究推進本部地震調査委員会による「千島海溝沿いの地震活動の長期評価」及び「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価」による分類を基本として、1952 年及び 2003 年の十勝沖地震の発生特性を踏まえ、根室沖、十勝沖の領域は、根室沖、釧路沖、十勝沖の領域に分類した。
2)地震発生の特性
 日本海溝・千島海溝周辺で発生する地震は、プレートの境界で発生する地震(プレート間地震)とプレート内で発生する地震(プレート内地震)に大別される。
 繰り返しの可能性とその規模については、以下のとおりである。
(i)プレート間地震 
 (1) 択捉島沖の領域
  1918年M8.0、1963年M8.1とほぼ同程度の規模の地震が発生している。
  この領域は、M8クラスの地震が繰り返し発生している領域と考えられる。

 (2) 色丹島沖の領域
  1893年M7.7、1969年M7.8 とほぼ同程度の規模の地震が発生。
  この領域は、M8クラスの地震が繰り返し発生している領域と考えられる。

 (3) 根室沖・釧路沖の領域
  根室沖の領域では、1894年M7.9、1973年M7.4 の地震が発生している。津波の高さ分布から 1984 年の地震は、釧路沖の領域にまたがって発生した可能性が高い。
  この領域は、M7~8クラスの地震が繰り返し発生している領域と考えられる。
  1973年根室沖地震が、M7.4と比較的規模が小さかったことと、この地震から約30年が経過していること、2003年十勝沖地震では、釧路沖の領域が影響を受けて いないこと等から、根室沖及び釧路沖を震源域とする1973年よりも規模の大きな地震が発生する可能性が高まっていると考えられる。

 (4) 十勝沖・釧路沖の領域
  十勝沖の領域では、1952年M8.2、2003年M8.0の地震が発生している。これらの地震の震源域は、強震動を発するアスペリティ※1)は、ほとんど同じであるが、津波から見ると1952年の地震については釧路沖の領域にまたがって発生した可能性が高いと考えられる。
  この領域は、M8クラスの地震が繰り返し発生している領域と考えられる。

 (5) 根室沖~十勝沖の領域
  根室地域から十勝地域にかけての津波堆積物調査の結果、この地域で巨大津波が発生したことが確認されている。直近のもので17世紀初頭の発生で、これ以外のも過去約6500年の間に10数回の発生が確認されている。この約500年間隔の津波堆積物に対応する地震(「500年間隔地震」)は、地震動は明らかではないか、根室沖~十勝沖の領域にまたがり繰り返し発生したプレート間地震と考えられる。
500年間隔地震については、最後の活動が17世紀初頭であり、500年間隔で発生するとすれば既に約400年が経過していることから、ある程度の切迫性を有している可能性があると考えられる。

 (6) 三陸沖北部の領域
  1856年M7.5、1968年M7.9、1994年M7.6の地震が発生している。
  この領域は、M8クラスの地震が繰り返し発生している領域と考えられる。

 (7) 三陸沖中部の領域
  大きな地震(M7.0程度以上)の発生が確認されていない。

 (8) 明治三陸地震の領域
  明治三陸地震(M8.5)は、1896年に三陸沖の海溝寄りで発生した。この地震は、規模のわりに揺れは小さく、巨大な津波が発生した、いわゆる“津波地震”である。
  1611年慶長三陸地震は、明治三陸地震の震源域を含んだ領域で発生したものと推定されることから、このタイプの津波地震(「明治三陸タイプ地震」)が、繰り返し発生する領域と考えられる。

 (9) 宮城県沖の領域
  陸側の領域を震源域とする地震(1897年M7.4、1936年M7.4、1978年M7.4)、海溝側の領域を震源域とする地震(1897年M7.7)、全領域を震源域とする地震(1793年 M8.2)が発生している。
  この領域は、陸側でM7.5程度の地震が約40年間隔で繰り返し発生しているのに加え、時には海溝側と連動したM8クラスの地震が発生する領域と考えられる。
  陸側の領域では、1978年宮城県沖地震から約30年経過していることから切迫性が高まっていると考えられる。

 (10) 福島県沖・茨城県沖の領域
  M7クラスの地震(1938年のM7.0、M7.5、M7.3など)が発生しているが、これらの地震の繰り返し発生は確認されていない。

 (11) 延宝房総沖地震の領域
  延宝房総沖地震は、1677年に房総沖付近の領域で発生したと考えられる。
  この領域で、震源域を同じくするこのタイプの地震の繰り返し発生は確認されていない。

※1) 地震による岩盤のずれは、決して断層面全体にわたって一様ではなく、大きくずれるところとほとんどずれないところがある。通常は強く固着しているが、地震時に急に大きくずれるところを「アスペリティ」と呼ぶ。

(ii)プレート間地震
 (1) 海洋プレート内地震
  海溝寄りのプレート内地震(1933年昭和三陸地震(M8.1)と陸域近くのプレート内地震(1958年択捉島沖(M8.1)、1994年北海道東方沖(M8.2)、1993 年釧路沖(M7.5)、2003年宮城県沖(M7.1)、1938年福島県沖(M7.4)がある。
  これらの地震については、震源域を同じくする繰り返し発生は確認されていない。

 (2) 浦河沖の地震
  浦河付近では、や や規模は小さいが陸側のプレート内で1931年M6.8、1935年M6.7、1982年M7.1 の地震が発生している。
  この領域は、M7程度の規模の地震が繰り返し発生している領域と考えられる。

お問合せ先

事業振興部 防災課 企画係

  • 電話番号:011-709-2311(5459)
  • ファクシミリ:011-709-2132

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