国土交通省北海道開発局 室蘭開発建設部

　平成9年の河川法改正をうけて、平成11年12月に河川審議会の答申を受けて、沙流川流域の河川整備の基本となるべき方針に関する事項「沙流川水系河川整備基本方針」が策定され、平成14年7月19日には今後の具体的な沙流川の河川整備に関する事項を定める「沙流川水系河川整備計画」が学識経験者、流域の住民代表及び流域自治体の首長からなる「沙流川流域委員会」において、9回の流域委員会と公聴会を経て策定されました。この「河川整備計画」では、流域と治水対策として河道掘削と併せ平取ダムの建設が位置づけられました。
　平取ダムは、既に運用を開始している二風谷ダムとともに沙流川総合開発事業として、昭和57年に「建設省所管事業に係る環境影響評価に関する当面の措置方針」に基づいて環境影響評価報告書を作成し、「北海道環境影響評価条例」による法手続を完了しています。また、「環境影響評価法」が平成11年6月に施行されましたが、平取ダムのように同法の施行以前に条例に基づく環境影響評価の手続が完了している事業は、同法の経過措置により同法に基づく法手続は必要ないこととなっています。
　しかしながら、近年における国民の自然環境保全への意識が高まるとともに、「環境基本法」、「環境影響評価法」などの環境に関わる法整備が進み、また、環境省や北海道などによる希少生物についての新たな知見（レッドデータブック）が示されました。
　このような背景から、平取ダムの円滑な事業の実施に向けて、調査計画段階から学識経験者に意見をいただきながら、新たに示された知見に基づいた環境調査を実施することとし、「平取ダム環境調査検討委員会」を設置することとしたものです。