国土交通省北海道開発局 札幌開発建設部

千歳川の支川・漁川上流に、多目的ダム・漁川ダムが昭和55年に竣工した。漁川は洪水時、はげしい濁流になって、ゆるやかで川幅のせまい千歳川中流に注ぎ込み、千歳川は逆流して氾濫した。また千歳川流域はベッドタウンや工業地帯として発展し、水需要は急増していた。漁川ダムは、千歳川と漁川の洪水を調整し、水道用水の供給や発電を目的にした多目的ダムで、建設地に石が豊富にあることから、ロックフィル形式が採用された。また石狩川の高い水位の影響を水門で断ち、千歳川の洪水を放水路で直接太平洋（苫小牧）に放流する「千歳川放水路」が計画されたが、合意が得られず新しい治水対策が流域とともに検討された。現在、堤防整備と6カ所の遊水地整備が進められている。さらに、ひん発する内水氾濫の対策に、流域内には約46ヵ所の排水機場が整備されている。