官庁施設の保全
官庁施設の保全
「保全」とは、建築物が完成してから取り壊されるまでの間、性能や機能を良好な状態に保つほか、社会・経済的に必要とされる性能・機能を確保し、保持し続けることをいいます。
建築物のライフサイクルは、企画・計画、設計、建設、完成、運用管理、解体の各段階で構成されます。完成から解体に至るまでの期間は、経年などによる劣化が生じ、建築物の性能が低下します。
建築物の性能を維持するため、施設の管理者は私たち人間の健康管理と同様に、常日頃の体調管理
(日常点検)を欠かさず、定期的に健康診断、人間ドック等(定期点検)を受け、必要に応じて治療(修繕等)を行います。
また、建築物は建設時の性能水準を満たすだけでなく、年々高度化する社会・経済的な要請にも応え
なくてはなりません。
建築物のライフサイクルは、企画・計画、設計、建設、完成、運用管理、解体の各段階で構成されます。完成から解体に至るまでの期間は、経年などによる劣化が生じ、建築物の性能が低下します。
建築物の性能を維持するため、施設の管理者は私たち人間の健康管理と同様に、常日頃の体調管理
(日常点検)を欠かさず、定期的に健康診断、人間ドック等(定期点検)を受け、必要に応じて治療(修繕等)を行います。
また、建築物は建設時の性能水準を満たすだけでなく、年々高度化する社会・経済的な要請にも応え
なくてはなりません。
保全とは
建築物を良好な状態に保つための「保全」には、さまざまな業務があります。日常的・定期的に行う保全や、保守、修繕についてご紹介します。
日常的に行う保全
1.日常点検
目視、聴音、触接等の簡易な方法により、巡回しながら日常的に行う点検です。建築物や建築設備の日常のわずかな変化をとらえて、適切に処置することにより、さらに大きな異常や故障あるいは事故の発生を未然に防ぐことが目的です。
2.運転・監視
施設運営条件に基づき、建築設備を稼働させ、その状況を監視、制御することです。通常、専門の技術者が設備機器の起動・停止の操作、運転状況の計測・記録、温湿度管理のための制御・設定値変更、エネルギー使用の適正化、季節運転切り替え等を行います。
目視、聴音、触接等の簡易な方法により、巡回しながら日常的に行う点検です。建築物や建築設備の日常のわずかな変化をとらえて、適切に処置することにより、さらに大きな異常や故障あるいは事故の発生を未然に防ぐことが目的です。
2.運転・監視
施設運営条件に基づき、建築設備を稼働させ、その状況を監視、制御することです。通常、専門の技術者が設備機器の起動・停止の操作、運転状況の計測・記録、温湿度管理のための制御・設定値変更、エネルギー使用の適正化、季節運転切り替え等を行います。
3.清掃・警備
清掃は汚れを除去すること及び汚れを予防することにより仕上げ材を保護し、快適な環境に保つための作業です。
警備は施設内における盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務です。通常、専門業者が清掃・警備の業務を行います。
定期的に行う保全
1.定期点検 (損傷、腐食その他の劣化状況に関するもの)
「建築基準法」と「官公法(注1)」では、法律及び政令で定める施設を対象に、一級建築士等の有資格者が、建築物の各部位(敷地及び構造、昇降機、昇降機を除く建築設備)の損傷、腐食その他の劣化の状況を点検することを定めています。
2.支障のない状態の確認
「官公法」では、「保全の基準(注2)」に基づき、建築物の敷地及び建築物の各部等が支障のない状態に保全されていることを確認することを定めています。
3.定期点検 (執務環境の測定)
「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)」及び「国家公務員法人事院規則」では、執務環境の測定(空気環境及び照度の測定並びにねずみ・昆虫等の調査(防除を含む)を行うことを定めています。
4.定期点検 (1.から3.以外の法令によるもの)
「消防法、電気事業法、高圧ガス保安法、ガス事業法、浄化槽法、水道法、大気汚染防止法」等の各種法律で点検の実施を定めています。
5.法令に基づかない自主点検
主に設備機器については、法令に基づかない自主点検を定期的に実施します。
「建築基準法」と「官公法(注1)」では、法律及び政令で定める施設を対象に、一級建築士等の有資格者が、建築物の各部位(敷地及び構造、昇降機、昇降機を除く建築設備)の損傷、腐食その他の劣化の状況を点検することを定めています。
2.支障のない状態の確認
「官公法」では、「保全の基準(注2)」に基づき、建築物の敷地及び建築物の各部等が支障のない状態に保全されていることを確認することを定めています。
3.定期点検 (執務環境の測定)
「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)」及び「国家公務員法人事院規則」では、執務環境の測定(空気環境及び照度の測定並びにねずみ・昆虫等の調査(防除を含む)を行うことを定めています。
4.定期点検 (1.から3.以外の法令によるもの)
「消防法、電気事業法、高圧ガス保安法、ガス事業法、浄化槽法、水道法、大気汚染防止法」等の各種法律で点検の実施を定めています。
5.法令に基づかない自主点検
主に設備機器については、法令に基づかない自主点検を定期的に実施します。
保守、修繕等
用語 | 定義 | 事例 |
保守 | 点検の結果に基づき建築物の 機能の回復又は危険の防止の ために行う消耗部品の取替え、 注油、塗装その他これらに類する 軽微な作業を行うこと。 |
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補修 | 建築物の機能・性能を実用上 支障のない状態(許容できる性能 レベル)まで回復させること。 |
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修繕 | 建築物の機能・性能を当初の性能 水準まで回復させること。 |
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改修 | 劣化した建築物の機能・性能を 当初の性能水準以上に改善すること。 |
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更新 | 劣化した部材、部品、機器などを 新しいものに取り替えること。 |
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保全の必要性
施設で働く人、施設を利用する人及びその他すべての人が快適な生活を過ごすためには、適正な保全が必要となります。
安全性及び 執務環境の確保 |
建築物等の日常の保全とともに定期点検や支障のない状態の確認を 行い、老朽・劣化部分の補修等を実施することにより、日常や災害時 における安全性を確保します。また、室内環境の測定、清掃等を実施 することにより、適切な務環境を確保し、公務の能率増進を図ります。 |
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ストックの長期的 耐用性の確保 |
建築物等の使用の条件及び方法を遵守し、劣化部分の補修等を実施 することにより、建築物等の機能を良好かつ長期的に維持し、耐久性 を確保します。 |
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ライフサイクル コストの低減 |
建築物等の日常の保全や定期的な補修により長寿命化を図ることと ともに、予防的な保全を含め計画的な修繕を行うこと等により、維持 管理コストの低減を図り、ライフサイクルコストを低減します。 |
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環境負荷の低減 | 建築物等の光熱水量等エネルギー使用量や設備機器等が適正に運転 されていることを確認する等、建築物・設備機器等の適正な運用管理 を徹底することにより、運用段階でのエネルギー使用量の縮減を図り、 環境負荷を低減します。 |
国土交通省と保全指導
官庁施設(令和4年度保全実態調査における国家機関の建築物)は、総延べ面積で約48,061千平方メートル、総施設数で12,685施設あります。このうち、築後30年以上の施設は全体の約5割を占め、今後も増加することが予想されるため、これまでの保全に関する取組をより的確に実行し、適正な保全を確実に実施していくことが求められています。
国土交通省では、安全性及び執務環境の確保、ストックの長期的耐用性の確保、ライフサイクルコストの低減及び環境負荷の低減を図ることを保全の目標として、官庁施設の保全に関する技術基準等の整備、会議・講習会の開催、実地における保全指導などの施策を実施しています。
また、インターネットを活用した「官庁施設情報管理システム(BIMMS-N)」を用いて保全実態調査を実施し、各省各庁の所有する施設の保全に関する情報を蓄積・分析し、これらの内容を踏まえて保全に関する施策を実施しています。
国土交通省では、安全性及び執務環境の確保、ストックの長期的耐用性の確保、ライフサイクルコストの低減及び環境負荷の低減を図ることを保全の目標として、官庁施設の保全に関する技術基準等の整備、会議・講習会の開催、実地における保全指導などの施策を実施しています。
また、インターネットを活用した「官庁施設情報管理システム(BIMMS-N)」を用いて保全実態調査を実施し、各省各庁の所有する施設の保全に関する情報を蓄積・分析し、これらの内容を踏まえて保全に関する施策を実施しています。