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WEB広報誌 かいはつグラフ2009.10 クローズアップ

地域で支え、育てよう未来の農業の担い手 -農業の担い手を育成する教育支援パートナーシップ-

  • 床づくり 無加温ハウス床づくり
  • 制作状況 地温センサ制作状況
  • ほうれんそう 無加温ハウスのほうれん草栽培
  • 講義 出前講座による講義
  • へり 空撮用無人ヘリコプター実演
  • 暗きょ施工 補助暗きょ施工
 「農業の担い手を育成する教育支援パートナーシップ」は、農業の将来の担い手を農業高校と地域の関係機関とが連携して育てていこうという取組です。
 平成20年3月から3年間の教育支援パートナーシップの協定を結んでいる北海道帯広農業高等学校の農場長の飛谷先生、帯広農業事務所第1工事課の川瀬課長にお話を伺いました。

農業の担い手を育成する教育支援パートナーシップの目的は

(川瀬課長) 
 十勝地域農業の教育の核である農業高校の生徒たちに、実際に農業土木工事に触れる機会を作って、農業農村整備事業の目的と必要性を体験から学んでもらおうというものです。農業農村整備事業の講義だけでなく、実践的な学習活動を行うことで、技術力の向上を目指しています。

これまでどのような取組を行ってきましたか

(川瀬課長)
 平成20年4月には、農業土木工事に実際に触れる機会をつくるということで、農業高校内の農地に試験ほ場を設け、暗きょの施工を行いました。
 農業土木工学科の生徒さんには測量から工事の体験まで行うことで、排水改良の必要性を実感してもらいました。暗きょの疎水材には、間伐材のカラマツチップを利用しており、森林科学科の生徒さんにも作業に参加してもらいました。
 また、農業科学科では、施工中の見学だけではなく、施工後のほ場における土壌水分や地温の変化などについて地温計・土壌水分計・雨量計を設置し、観測を続けていて、土壌の物理的構造やデータの利用方法についての学習もしています。

(飛谷先生)
 平成20年10月からは、北海道大学大学院農学研究院の相馬准教授にご指導いただき、帯広開発建設部の協力も得て「無加温ハウス」での葉物栽培を行っています。
 これは冬期に遊休となっているビニルハウスの有効利用として、無暖房による「無加温ハウス」でほうれん草の栽培を行うもので、農業科学科のほうれん草班の生徒たちが、床づくりからほうれん草の販売まで行いました。
  • 暗きょ 暗きょ設置工事(平成20年4月)
  • 生徒 「無加温ハウスは水やりの加減が難しい。」(佐藤さん写真左)「まだ育ち方にバラツキがあるので、後輩たちに検討してもらいたい。」(伊丹さん写真中)。

生徒のみなさんの感想は

(川瀬課長) 
 暗きょの工事については、各科共通して「体験できてよかった」「暗きょの仕組みが分かった」などの感想が多く、「今後も色々と自分のために体験したい」「実習を行うことにより理解できたので続けてほしい」という意見が多く、体験工事は成功したと思っています。
(飛谷先生)
 無加温ハウスについては、冬にはマイナス20度になる十勝で、無暖房で葉物が栽培できるのかと生徒たちも半信半疑ではあったようですが、糖度の高い美味しいほうれん草が出来たときには、びっくりし、育った喜びを感じたようでした。
生徒
(暗きょ工事をした試験ほ場の前で) 「暗きょ工事も各科のコラボレートでできたのがよかった。将来は農業土木に関係する仕事をしたいと考えていて、今回の体験は有意義でした。」と広瀬さん(写真右)

写真右から2番目は帯広農業事務所の川瀬課長
写真中央は農場長の飛谷先生

将来の農業の担い手を育てていく上で大切なことは何でしょうか

(飛谷先生)
 まずは農業の基礎をしっかり学ぶことが大切ですが、それに加えて、その時代、時代にあった農業を学ぶことも重要です。
 地域の特性を活かした体験的な学習を取り入れることで、生徒たちが、実際に農家を継いだときに役に立つ、実践的な能力と技術力を身につけられるような教育が求められていると思います。
 教育パートナーシップによって、実際に役立つ学習いわゆる「実学」として農業を学ぶ貴重な機会を持つことができたと思っています。

今後はどのようことに取り組んでいきたいですか

(川瀬課長)
 今後の取組としては、無加温ハウスに井戸水を引く工事とそれに伴い農業における水の大切さを学んでもらう講義を行います。また、校内の森林において最新の技術である「リモートセンシング」の実演と講義も予定しています。
 新たな取組としては、農地の整備から食品の加工まで、農業高校の各科が連携した講義等を、農業高校の先生たちとも相談しながら、行っていきたいと考えています。
※暗きょ 地中の余分な水分を排水する目的で埋設される管
※疎水材 透水性のよい素材(貝殻やチップなど) 暗きょを埋め戻す際、疎水材とともに埋め戻す。

お問合せ先

開発監理部 広報室

電話番号:011-709-2311 ファクシミリ:011-709-8995


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