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WEB広報誌 かいはつグラフ2009.11 クローズアップ

北国の居住形態・ライフスタイルの創出を提案【低炭素社会の実現に向けて】

 北海道開発局では、北海道開発計画調査の一環として、「産業排熱等を有効活用した地球にやさしい北国の居住形態の創出に関する調査(PDF408KB)」を平成20年度、平成21年度の2ヶ年にわたって実施しています。
 昨年は、室蘭工業大学の学生寮及び(株)日本製鋼所の圧延工場(平成20年12月2日(火曜日))、今年は、養護老人ホーム「あいらん」(平成21年9月26日(土曜日))でそれぞれ実証試験現地公開(室蘭市)が行われました。
 この調査の内容や今後の課題・展望について、北海道開発局開発監理部開発調査課の夏堀調査専門官にお話を伺いました。
  • コンテナ トランスヒートコンテナ
  • 工場 日本製鋼所室蘭製作所の圧延工場
  • ホーム 養護老人ホーム「あいらん」(室蘭市)

「産業排熱等を有効活用した地球にやさしい北国の居住形態の創出に関する調査」の目的は何ですか

職員
調査を担当している夏堀専門官
(夏堀専門官)
 北海道は、全国と比べて、冬期の暖房などへの化石燃料使用量が多い一方で、地域で十分活用されていない熱エネルギーが多くあります。
 低炭素社会の実現に向けて、その熱エネルギーを有効活用することで、1年を通して、灯油などの化石燃料をできる限り使用しない「北国の新たな居住形態・ライフスタイル」を確立していくことが重要です。
 そこで、地域であまり活用されていない産業排熱エネルギーをどう有効的に使えるか実証試験を行って調査し、低炭素社会型のライフスタイルやまちづくりを提案することとしています。

具体的な取組(実証試験)の内容を教えてください

足湯
足湯を体験する老人ホーム入所者や地域の方々
(夏堀専門官)
 この調査は、平成20年度から21年度の2ヶ年にわたって実施しています。
 熱利用の具体的な仕組みですが、200℃以下の低温域の工場排熱を「トランスヒートコンテナ」という熱を輸送・供給できるようにした容器を使って蓄熱し、トレーラーで運んで暖房や給湯などの住宅用エネルギーに活用します。
 熱源は、日本製鋼所室蘭製作所の圧延工場の排蒸気です。今回の調査で、同製作所から1年間に回収できる熱量は、室蘭市内の一般住宅約2,600軒分の暖房や給湯などの熱需要(1年間分)を満たすことができるとわかりました。
 平成20年度には、室蘭工業大学の学生寮で暖房試験を実施し、今年度(平成21年度)は、養護老人ホーム「あいらん」で主にお風呂の給湯に活用する実証試験を行いました。
 同ホームの実証試験現地公開では、入所者の方々や地域の方々約80名に『足湯』(湯温約40度)を体験していただき、排熱の有効活用を肌で感じてもらいました。

今後の課題や展望を聞かせてください

見学会
実証実験の現地公開
(夏堀専門官)
 「トランスヒートコンテナ」を使用した排熱供給システムの実用化には、技術的な課題をはじめ、コンテナなどの機材及び運用のコスト削減、輸送時の積雪や地盤の影響、車両転回スペースの問題、蓄えた熱の供給先の確保など解決しなければならない課題があります。
 本調査を通じて、これらの諸課題を解決する方法を探り、将来の実用化を目指すことで、地球にやさしい北国の居住形態やまちづくり、さらに関連産業の振興につながればと思います。

お問合せ先

開発監理部 広報室

電話番号:011-709-2311 ファクシミリ:011-709-8995


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