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WEB広報誌 かいはつグラフ2010.4 特集

経済波及効果の推計に挑戦 北海道産業連関表を活用して 釧路公立大学経済学部経営学科 黒田彩香さん

黒田さん
釧路公立大学の黒田彩香さん
 ある地域の一定期間に行われた財やサービスの産業間取引を一つの行列(マトリックス)に示した統計表のことを「産業連関表」といいます。
 この産業連関表を使うと、例えば、ある産業がどの産業と結びつきが強いのか、また、ある施策がどのような経済波及効果を地域に及ぼすのかということが分かるのです。
 釧路市の総合体育館「湿原の風アリーナ釧路」の経済波及効果について卒業論文をまとめられました釧路公立大学経済学部経営学科4年(取材当時 3月卒業)の黒田彩香さんにお話を伺いました。

「湿原の風アリーナ釧路」の経済波及効果を算出してみようと思ったきっかけは

アリーナ
湿原の風アリーナ釧路
 ニュースでよく見る「経済波及効果」というものは、どのように調査されたものなのか、学生の自分にも計算できるものなのだろうかと思ったのがきっかけでした。
 ちょうど卒業論文のテーマを考えていたところ、「湿原の風アリーナ釧路」がオープン1周年を迎えたと話題になっていました。そこで、このアリーナが釧路市に与えた経済効果がどのくらいになるのか調べ、論文にまとめてみることにしました。

経済波及効果はどのように算出したのですか

黒田さん
 アリーナで開催された大会の参加人数に宿泊費、交通費、飲食費などの一人当たりの消費額を掛けて直接効果を算出し、さらに第1次、第2次波及効果を合算して消費効果つまり経済波及効果をもとめました。
 第1次、第2次波及効果の計算には、北海道産業連関表を基に釧路公立大学地域経済研究センターで算出した乗数を使用しました。

 アリーナでは、平成20年9月からの1年間に37件の大会が開催されています。全国大会、全道大会、管内市内の大会など、それぞれの大会ごとの都道府県別の出場者の内訳を釧路市の教育委員会の方から頂き、道外居住者、道内居住者、管内居住者と地域ごとの消費効果を計算していきました。地域ごとの参加者の消費単価についても地域経済研究センターの調査データを使用して算出しました。

分析の結果、どのようなことがわかりましたか

 アリーナのオープンから1年間の経済波及効果は7億5000万円以上になることが分かりました。
 また、2010年7月に開催予定の全国大会についても試算したところ、1億7000万円以上の効果があることがわかりました。アリーナ供用2年目の今年は、参加人数1500人以上の全国大会が1年目よりも多く開催される予定であることから、7億円以上の経済波及効果があるのではないかと思います。

今回の調査の経験をこれからどのようにしていかしていきたいですか

 経済波及効果を研究するうえで大切なことは、コツコツと調査した数値を積み上げていくということです。今回の調査で学んだ地道に取り組んでいくという姿勢をこれから社会人になっても大切にしてきたいと思っています。
北海道産業連関表
連関表
 産業連関表とは、様々な産業間の取引額を表にしたもので、その額の大きさを比較することで産業間の結びつきの強さなどがわかるようになっています。北海道産業連関表
 北海道開発局では、北海道総合開発計画の立案・推進に必要な資料のひとつとして、昭和30年から5年ごとに「北海道産業連関表」を作成しており、地方公共団体や各種研究機関などにおいて、北海道経済の構造分析、様々な施策の経済波及効果の分析に使われています。
 今回紹介しました黒田さんの論文は、釧路公立大学地域経済研究センターが北海道産業連関表を基に釧路地域で実施した調査の結果を使用して算出したものです。                

お問合せ先

開発監理部 広報室

電話番号:011-709-2311 ファクシミリ:011-709-8995


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