WEB広報誌 かいはつグラフ2010.3 鵡川河口干潟の保全と再生
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鵡川河口干潟の保全と再生
干潟変遷~減少していく干潟
鵡川は占冠(しむかっぷ)村からむかわ町を経て太平洋に注ぐ延長135キロメートルの一級河川です。
かつて、河口部には約30haに及ぶ干潟が形成され、シギ・チドリ類を主とした渡り鳥の重要な中継地・えさ場となっていました。
しかし、昭和50年代以降、海岸侵食が進み、約20年間で干潟の面積がおよそ20ha消滅してしまいました。
これらの変化は、南東に位置する鵡川漁港の建設により、海岸沿いの砂の流れが変わったことや鵡川の河道内で行われた砂利の採取などにより鵡川河口域における土砂の収支バランスが変化したことによるものだと考えられています。
かつて、河口部には約30haに及ぶ干潟が形成され、シギ・チドリ類を主とした渡り鳥の重要な中継地・えさ場となっていました。
しかし、昭和50年代以降、海岸侵食が進み、約20年間で干潟の面積がおよそ20ha消滅してしまいました。
これらの変化は、南東に位置する鵡川漁港の建設により、海岸沿いの砂の流れが変わったことや鵡川の河道内で行われた砂利の採取などにより鵡川河口域における土砂の収支バランスが変化したことによるものだと考えられています。
鵡川自然再生事業の取組
干潟が減るとともに、渡り鳥の姿も少なくなっていきました。
そこで、平成8年、室蘭開発建設部の呼びかけにより鵡川をフィールドとして活動する団体、鳥類研究家、鵡川漁業協同組合、むかわ町などの代表者が集まり、「鵡川河口に関する懇談会」が発足しました。
その後、懇談会の提言を受け、室蘭開発建設部は平成12年度から鵡川河口自然再生事業を進めてきました。
そこで、平成8年、室蘭開発建設部の呼びかけにより鵡川をフィールドとして活動する団体、鳥類研究家、鵡川漁業協同組合、むかわ町などの代表者が集まり、「鵡川河口に関する懇談会」が発足しました。
その後、懇談会の提言を受け、室蘭開発建設部は平成12年度から鵡川河口自然再生事業を進めてきました。
野鳥たちの舞う干潟を再び
現在、干潟は10ha以上が回復し、それに比例するように渡り鳥の飛来数も回復傾向にあります。
干潟の再生には、長い時間がかかります。今後も北海道開発局では、地域のみなさんと一緒に干潟の再生を見守っていきます。
干潟の再生には、長い時間がかかります。今後も北海道開発局では、地域のみなさんと一緒に干潟の再生を見守っていきます。
- 河口から前浜の部分(写真内点線部分)に干潟が広がってきました(平成21年10月撮影)
- オオハシシギ、コチドリ、オグロシギ、メダイチドリのほか、ハマシギやトウネンなどの渡り鳥も飛来しています
鵡川河口の干潟の保全、再生の取組は、地域の方々の鵡川に対する想いに支えられています。
「議論から実践」を目的として「鵡川河口に関する懇談会」から発展してつくられた「わくわくワーク・むかわ」は、鵡川をフィールドにして活動する自然愛好家や鵡川に関心を持つ方々が参加しています。
干潟に関する勉強会や渡り鳥やその餌となる底生生物の観察会、鵡川河畔での植樹などの活動を行っています。
「議論から実践」を目的として「鵡川河口に関する懇談会」から発展してつくられた「わくわくワーク・むかわ」は、鵡川をフィールドにして活動する自然愛好家や鵡川に関心を持つ方々が参加しています。
干潟に関する勉強会や渡り鳥やその餌となる底生生物の観察会、鵡川河畔での植樹などの活動を行っています。