~緩衝帯~湿原と農地の共生
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WEB広報誌 かいはつグラフ2015.09
国営総合農地防災事業「サロベツ地区」を、宗谷管内豊富町で平成19年度から進めてきております。本事業では、【緩衝帯】による湿原地下水位の保全を図ることにより【湿原と農地の共生】を目指しており、その取り組み事例について紹介します。
はじめに、【緩衝帯】について簡単に説明します。
【緩衝帯】湿原の乾燥化防止と農地の排水性の改善を両立させる役割を果たします。
国営総合農地防災事業「サロベツ地区」
はじめに、【緩衝帯】について簡単に説明します。
【緩衝帯】湿原の乾燥化防止と農地の排水性の改善を両立させる役割を果たします。
国営総合農地防災事業「サロベツ地区」
宗谷管内豊富町は、北海道でも有数の酪農地帯であり、大規模な酪農経営が行われております。
本地域で生産された牛乳はコンビニ等を通じて、道内一円と関東圏で主に販売されています。
また、この地域の農地に隣接したサロベツ湿原は、国立公園に指定されており、低地における日本最大の高層湿原です。その高層湿原を取り囲むように、中間湿原、低層湿原、湿原河川へと展開する多様な自然環境があります。
このような中、自然再生推進法に基づく協議会が設置され、湿原と農業の共生を目指す取り組みが始まりました。
本地域で生産された牛乳はコンビニ等を通じて、道内一円と関東圏で主に販売されています。
また、この地域の農地に隣接したサロベツ湿原は、国立公園に指定されており、低地における日本最大の高層湿原です。その高層湿原を取り囲むように、中間湿原、低層湿原、湿原河川へと展開する多様な自然環境があります。
このような中、自然再生推進法に基づく協議会が設置され、湿原と農業の共生を目指す取り組みが始まりました。

農地に隣接するサロベツ湿原では、乾燥化による環境の変化が湿原を保全する上で課題となっておりました。
湿原と農地の隣接箇所において、湿原側の地下水位は現状よりも低下させず、農用地側では適度の地下水位を保持することを目的として、農用地側に緩衝帯が設置されます。
【緩衝帯設置前】
【緩衝帯設置後】
農地の一部を利用した緩衝帯の設置により、湿原では地下水位の低下が抑制され湿原の植生維持に貢献し、農地では排水改良により地下水位が低く保持されます。
■緩衝帯の事例(サロベツ地区 落合緩衝帯)
泥炭土に起因する地盤沈下の進行により、機能低下が発生している農業用排水路及び農地において、農業用排水路及び農地の機能を回復し、農業生産の維持及び農業経営の安定化を図るとともに、我が国の代表的な低地の湿原であるサロベツ湿原の保全にも積極的に取り組むことを目的として設置された緩衝帯の一例です。
■緩衝帯の事例(サロベツ地区 落合緩衝帯)
泥炭土に起因する地盤沈下の進行により、機能低下が発生している農業用排水路及び農地において、農業用排水路及び農地の機能を回復し、農業生産の維持及び農業経営の安定化を図るとともに、我が国の代表的な低地の湿原であるサロベツ湿原の保全にも積極的に取り組むことを目的として設置された緩衝帯の一例です。
緩衝帯の設置により