水産 Q2
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Q2:海洋深層水について教えてください。
A2:
海洋深層水とは、一般に水深200m~300mの陸棚外縁部以深にある海水のことをいい、下記のような特徴があります。
- 低温安定性
200m以浅では、太陽熱で暖められたり、冬の大気に冷やされたりして、海水の上下混合が行われます。海洋深層水は、この上下混合が行われず、四季を通じて水温の低い状態で存在します。
- 富栄養性
太陽光線があまり届かない深層水では、植物プランクトンによる光合成が進まず無機栄養塩が次第に蓄積されるため、海の生産力の基本である、窒素、リン、ケイ酸などが豊富です。また、マグネシウムやカルシウム等のミネラル成分も豊富に含んでいます。
- 清浄性
陸水由来の大腸菌や一般細菌に汚染されていません。また、海洋性細菌数も表層の海水に比べて非常に少ないうえ、陸水や大気からの化学物質による汚染に晒される機会も少なく、この点でも清浄といえます。
近年、このような優れた特性を持つ海洋深層水を人工的に汲み上げて、水産業や食品、医薬品等の分野に利用する研究が進められています。北海道内でもいくつかの港湾・漁港で取水計画が進んでいます。