現在位置の階層

  1. トップページ
  2. 広報室
  3. WEB広報誌 かいはつグラフ
  4. WEB広報誌 かいはつグラフ2014.9 インタビュー

WEB広報誌 かいはつグラフ2014.9 インタビュー

インタビュー

国際バルク戦略港湾・高規格幹線道路の整備を通じて釧路のさらなる発展へ

 今回は、釧路港国際バルク戦略港湾の取組について、釧路商工会議所 川村専務理事と釧路市水産港湾空港部 伴次長にお話を伺いました。
川村専務理事と伴次長









釧路商工会議所 川村専務理事(左)と
釧路市 伴次長(右)
釧路港の国際バルク戦略港湾に関する釧路商工会議所の取組について教えてください。
インタビュー
 酪農は、地域の重要産業の一つです。釧路港の背後には、十勝や網走、釧根地域といった大酪農・畜産地帯が存在するという地理的条件にあります。現在、酪農・畜産に不可欠な乳用・肉用牛の餌としての穀物飼料は、北米からの輸入に頼っていますが、輸入大型船舶が釧路港に最初に入港できず、一旦国内の他の港で荷物を降ろして、船を軽くしてから入港せざるをえないため、効率的な輸送体系の構築が課題となっています。写真:釧路商工会議所の方 釧路港の国際バルク戦略港湾としての整備により、パナマックス船のような大型船舶が釧路港で輸入飼料を直接荷下ろしすることができるようになれば、飼料の調達コストの低下によって道東の酪農・畜産業の競争力強化が期待できます。
 また、エンドユーザーである酪農・畜産家に対する恩恵のみならず、流通事業者等にまで至る裾野の広い地域経済効果が期待できます。
 釧路商工会議所は、このような国際バルク戦略港湾がもたらす地域全体への恩恵に着目し、市民から署名を集めたり、今年で10回目を迎えた舟漕ぎ大会を始めとするイベントに、都度「国際バルク戦略港湾」を冠した名称のイベントを開催したりと、釧路市民の期待と思いを束ねる役割を担ってきました。
 バルク貨物を取り扱う港湾の国際競争力を強化するため、インフラ整備の選択と集中が進む中、釧路港のバルク戦略港湾の選定に至る過程においては国内の他の候補地域との競争が生じました。平成22年8月に釧路市長が国土交通本省で釧路の優位性を訴えたプレゼンテーション会場には、商工会議所が集めた4万筆余りの署名が地域の熱意として持ち込まれました(集まった署名は最終的に7万筆以上)。
 選定が決まり、遂に本年度は着工にこぎつけましたが、市民を巻き込んで公共事業が進展することは、釧路地域でも珍しい事例だと思います。
 現在、釧路では小学生でも「バルク」という言葉を知っているほど、「国際バルク戦略港湾釧路港」は、市民の意識に定着しています。
国際バルク戦略港湾の整備を機に地域で取り組まれていることはありますか?
 バルク港湾の整備により、輸入船舶が釧路に直接寄港できるようになりますが、一般に穀物の輸入船舶は不定期船であり、荷出し地を出発する時点ではどこに寄港して荷を下ろすかは決まっておらず、日本の沿岸に接近する数日前に、候補とする港の荷下ろし施設の利用可能状況等を考慮して荷主が判断します。
 現在、釧路港を起点とする穀物飼料の流通には、全農と商社の2系統が存在していますが、これらがバルク港湾の整備を見据え、寄港船舶に対する便益を高めることによる港としてのフル稼働を目指した協力の検討を開始しています。
インタビュー2
 また、港湾法が昨年改正され、マイナス14m超の岸壁を擁する一定の要件を満たした特定貨物輸入拠点港湾において、民間が実施するバルク貨物を能率的に荷さばきするための施設の整備費用の3分の1を国が補助する制度に加えて荷さばき施設等の取得に係る固定資産税・都市計画税の特別措置などが新たに講じられました。
 公共性を確保しつつ、民間事業者による一体的な埠頭運営を進める新しい取組であり、我々地元サイドでは、将来のベストな担い手手法を様々な角度から検討しています。
道東では高規格幹線道路の整備も進みつつありますが、これらも含め、地域で見られる変化を教えてください。
 バルク港湾整備の真価は、荷揚げされた飼料穀物が、背後地の酪農・畜産家の手元に届いて初めて発揮されることになりますので、釧路と周辺地域との道路ネットワークの必要性は地元でも重要視されています。
 中でも高規格幹線道路は、広大な酪農・畜産地域を取り巻くサプライチェーンを災害発生時においても確保するための代替補完ルートとして重要です。
 道東自動車道の白糠ICまでの開通が予定されていますが、釧路地域に初めて高速道路が到達する意義は大きく、地元では「ウェルカム道東道」と冠し、様々な企画が立ち上がっています。
船(イメージ図)
 折しも、観光に関しては、近年釧路港には大型クルーズ船が毎週のように訪れるようになり、下船する乗客の半分がオプショナルツアーで周遊し、残る半分も釧路市内を散策するという状況にあります。写真:大型旅客船 市内を散策する外国人旅行客が、和商市場はもとより、市内の着物屋を訪れるなど、観光客による新たな需要が生まれていることを市民が実感しています。
 釧路では、例年9月に釧路大漁どんぱく花火大会を開催し、北海道では最大の大きさとなる三尺玉を打ち上げており、今年も開催予定です。不漁が伝えられていた名物のさんまも、ここに来て水揚げが上向きつつあります。
 これからも道央方面とどんどん近くなる状況を追い風に、地域のさらなる観光振興につながることを期待します。

お問合せ先

開発監理部 広報室

  • 電話番号:011-709-2311
  • ファクシミリ:011-709-8995

現在位置の階層

  1. トップページ
  2. 広報室
  3. WEB広報誌 かいはつグラフ
  4. WEB広報誌 かいはつグラフ2014.9 インタビュー