WEB広報誌 かいはつグラフ2014.10 千歳川遊水地群(舞鶴遊水地)
洪水被害から人命と財産を守る 千歳川遊水地群(舞鶴遊水地)
- 千歳川の支川嶮淵川沿いに建設中の舞鶴遊水地(平成26年6月撮影)
石狩川の1次支川 千歳川
千歳川は、支笏湖を源として江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、南幌町、長沼町の4市2町にまたがる全長108キロメートルの石狩川の支川です。千歳川の流水は、流域の農業用水や水道水、臨空工業地帯の工業用水などに広く利用されており、地域の産業や生活を支える水源として重要な役割を担っています。
また、全国有数のサケ遡上河川でもあり、千歳川に設置されたインディアン水車によるサケの捕獲風景は千歳の秋の風物詩となっています。
また、全国有数のサケ遡上河川でもあり、千歳川に設置されたインディアン水車によるサケの捕獲風景は千歳の秋の風物詩となっています。
水害の多発する低平地
千歳川の中下流部には、流域の宅地や農地の大多数を占める広大な低平地が広がります。
千歳川は、非常に緩やかな河床勾配であり、洪水時に石狩川本川の高い水位の影響を長時間・長い区間にわたって受ける特性があるほか、大雨が生じやすい気象条件等から、ほぼ2年に1回の頻度で水害に見舞われています。
千歳川は、非常に緩やかな河床勾配であり、洪水時に石狩川本川の高い水位の影響を長時間・長い区間にわたって受ける特性があるほか、大雨が生じやすい気象条件等から、ほぼ2年に1回の頻度で水害に見舞われています。
千歳川の河川整備計画
千歳川の河川整備計画は、平成17年4月に策定されました。本計画では、洪水等による災害の発生の防止や軽減、河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持等について、総合的、効果的に進めていくこととされています。開発局では、本計画に基づき、堤防の強化や河道掘削、遊水地群の整備等の対策を進めています。
- 遊水地群の位置図
遊水地とは
遊水地は、河川に隣接する土地を周囲堤と呼ばれる堤防で囲んで造られます。
洪水時には、上流側の越流堤を通って洪水の一部を遊水地に貯留することで、河川の水位を下げます。
河川の水位の低下とともに、下流側の排水門を開き、遊水地内に貯めた水を排水します。
現在、千歳川の流域に6箇所の遊水地を整備中です。
遊水地群等の整備により、戦後最大の被害をもたらした昭和56年8月上旬洪水が再び発生した場合でも、家屋や農地等の浸水被害を防止することができます。
洪水時には、上流側の越流堤を通って洪水の一部を遊水地に貯留することで、河川の水位を下げます。
河川の水位の低下とともに、下流側の排水門を開き、遊水地内に貯めた水を排水します。
現在、千歳川の流域に6箇所の遊水地を整備中です。
遊水地群等の整備により、戦後最大の被害をもたらした昭和56年8月上旬洪水が再び発生した場合でも、家屋や農地等の浸水被害を防止することができます。
- 通常時
- 洪水時
平成26年度完成予定 舞鶴遊水地
千歳川の支川嶮淵(けぬふち)川の右岸に設置する舞鶴遊水地は、6つの遊水地のうち、最初に完成を予定している遊水地です。
すでに排水門や樋門等の施設は完成しており、現在、平成26年度中の完成に向けて残る掘削工事等を進めています。
すでに排水門や樋門等の施設は完成しており、現在、平成26年度中の完成に向けて残る掘削工事等を進めています。
舞鶴遊水地の現在の様子(平成26年10月現在)
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1 越流堤
戦後最大規模の洪水(昭和56年8月上旬洪水)が発生し、嶮淵川の水位が上昇した場合には、その洪水を越流堤を通じて遊水地内に貯留し、洪水被害を軽減します。
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2 囲繞堤
遊水地をぐるりと囲む堤防のうち、既存の河川の堤防を利用する部分を「囲繞堤(いぎょうてい)」、新たに築堤した部分を「周囲堤」と呼びます。
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3 舞鶴排水門
排水門は、遊水地内に溜まった水を河川に戻すための水門です。
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4 南九号川樋門
舞鶴遊水地には、 嶮淵川側だけでなく、南九号川の流水も貯留します。平成26年9月の低気圧による大雨の際にも、南九号川の流水約117万㎥を貯留し、南九号川の水位を約40㎝低減しています。