観光 体験 住宅街に生き残った”大自然”登別市 ”キウシト湿原”散策
住宅街に生き残った”大自然”登別市 ”キウシト湿原”散策
※これは平成28年(2016年)7月の情報です。
キウシト湿原は登別市若山町の住宅街と道道上登別室蘭線の間に挟まれた約4.5ヘクタール、東京ドームよりも少し狭い面積です。昔、この周辺には湿原が一面に広がっていたそうです。近年、開発が進み、湿原の範囲が狭められたのですが、ここには、絶滅が心配される貴重な動植物が生息していることから、周辺住民、ボランティアにより湿原を守ろうという動きが出て、その努力の結果、平成13年には環境省の「日本の重要湿地500」に選定され、登別市によって公園として整備されることとなりました。
まず最初にビジターセンターを訪れました。センターではスタッフの方から、この湿原を保全するために、外来種を排除したり、笹を一定程度刈ったり、ミズゴケやホタルが増える手助けをしたり、様々な湿原保全の努力をしていることを伺いました。
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ビジターセンター
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説明をして頂いたスタッフの方々
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ホタルの養殖の説明と養殖用のケース
説明を受けたあと実際に湿原へ・・この日はあいにくの雨でしたが、水に濡れた植物が生き生きとしてかえって湿原の魅力が引き立っていました。
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オオミズゴケ
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拡大写真(雨に濡れて生き生き)
湿原には、貴重な植物を保護するため、立派な木道が整備され歩きやすくなっています。けれども、最近、湿原の中に鹿が侵入し、鹿も木道を歩いているそうです。ほかにも移植したミズゴケの上を鹿が歩いたり被害を受けているとのことでした。
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きれいに整備された木道
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ハートの形に移植したワラミズゴケ(手前に鹿の足跡)
湿原には、多種多様な植物が群生し、緑で一杯、ここが本当に住宅地の真ん中なのか・・・?、
まるで、異空間に飛び込んだような気分になりました。
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巨大に成長したミズバショウ
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茎が蛇の模様のように見えるマムシグサ
最初に印象に残ったのが、株の直径が1m以上もある大きな植物、思わず「これは何ですか?」と尋ねるとミズバショウだとのこと、私もミズバショウは見たことがありますが、これほど大きな株は見たことがありません。これを見て「白菜ですか」と尋ねる人もいるとのことです。
他にも野生の花が咲いていて、栽培されている花とは違う美しさがありました。
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ヒヨドリバナ
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サワギキョウ
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シロネ
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シロバナカモメヅル
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ナガボノシロワレモコウ
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エゾナミキソウ
上のナガボノシロワレモコウという花はゴマシジミという蝶と共生関係にあり、どちらが欠けても種を維持していくことが出来ないそうです。
湿原の観察エリアには水草池という小さな池があり、水生植物や水生昆虫、イバラトミヨ、エゾホトケドジョウなどの魚が生息しているとのことでした。また、試しに池の周辺の土に2mの細い棒を差し込むとなんと全て埋まってしまう、湿原の堆積腐葉土の厚さがよくわかりました。
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観察エリアにある水草池
この湿原は、人が入ることが出来る観察エリアと保護のために一般の人が入れない保全エリアに分かれています、保全エリアには水鳥池があり、壁越しに水鳥の様子を観察できるようになっています。
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野鳥観察デッキ
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のぞき窓から見た水鳥池
この日はあいにく水鳥はいませんでした・・。
ビジターセンターに戻ると、見てきた植物や、違う季節の植物の花、水生昆虫や魚などの写真や、水槽で飼っている魚などを見ることができます。
ビジターセンターに戻ると、見てきた植物や、違う季節の植物の花、水生昆虫や魚などの写真や、水槽で飼っている魚などを見ることができます。
また、センターの方が手作りしたかわいいフクロウの工作が置いてあります。
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かわいいフクロウの工作
他にも、体験エリアがあり、展望デッキから保全エリアを眺めることが出来たり、ここにはホタル池があって、夏の夜にはホタルの観察が出来るそうです。
また、ビジターセンターにはユニバーサルデザインのトイレが有り、身体の不自由な方や小さな子供連れの方にも配慮された造りになっています。
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ユニバーサルデザインのトイレ
今回は、雨が強くなったのと時間が少なかったため全てを見ることは出来ませんでした。改めてゆっくり見に行きたいと感じました。センターの方の話では、一定の時間に咲く花があったり、季節によって違った動植物を見ることが出来るそうで、この湿原に何度も足を運び、観察したり写真を撮ったりする方がいるとのことでした。私ももう一度行ってみたいと思っています。
皆さんも行ってみてはいかがでしょうか・・。
H28.7月
by Y・K
皆さんも行ってみてはいかがでしょうか・・。
H28.7月
by Y・K