土木遺産
土木遺産
土木遺産とは?
土木遺産は、土木遺産の顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的として、土木学会により平成12年に認定制度が設立されました。推薦および一般公募により、年間20件程度が選出されています。
留萌港 南防波堤
概要
平成22年度(2010年)土木学会選奨土木遺産に選出されました。
南防波堤の基部から600m程度先の港内側には、過去の激浪で押し込まれた複数のケーソンが鎮座。1950年代後半から本格化した復旧や改良では、移動したケーソンも基礎の一部としています。
南防波堤の基部から600m程度先の港内側には、過去の激浪で押し込まれた複数のケーソンが鎮座。1950年代後半から本格化した復旧や改良では、移動したケーソンも基礎の一部としています。
- 留萌港
- 南防波堤(2007.10)
諸元・沿革
所在地 | 北海道留萌市 |
建設年 | 着工年1910年、建設年:1929年 |
形式 | 重量式ケーソン (主に4室式:長さ10.1m,幅10.6m,高さ7.9m) |
長さ | 延長:939m |
沿革 | 北海道の道北地域の開拓は明治中期以降に本格化し,船を安全に破泊,避難できる 港を必要としていました。港の適地に乏しい小樽以北の日本海の中で、背後の地域や 炭田とのアクセス面で優位にある留萌に港をつくる必要がありました。 留萌港南防波堤は、1910年からの事業の中で最初に着工した外洋防波堤でした。 その工事は、留萌の地形条件や冬期間の波浪等により半年間の工事を休止するなど、 難工事を余儀なくされました。 工事の効率向上を図るため,ケーソンを小樽で製作し,留萌までの約100キロメートル を船で30時間かけて曵航する前代未聞の方法により、完成しました。 |
参考:土木学会 選奨土木遺産ホームページ 留萌港南防波堤の解説シート
受賞理由
激浪による希有の難工事と堤体の移動や改修の歴史を示しながら、港湾と都市を守り続ける初期の重力式ケーソン構造の外洋防波堤である。