国土交通省北海道開発局 札幌開発建設部

社会資本として既存ストックの老朽化が懸念される中で、効果的・効率的な維持管理を、河川という自然公物の特質に即し、行うことが重要になります。しかし、ごみ等の不法投棄が多いなどの課題も多くあります。  

近年、全国各地で頻発する大規模な災害や河川構造物の老朽化が懸念されている背景を踏まえて平成24年3月に「河川維持管理計画 ＜石狩川＞・＜千歳川＞・＜夕張川＞を策定し本計画に基づき河道や河川管理施設をはじめ、流水や河川環境等について定期的に調査・点検・モニタリングを行い、その結果を河川カルテに記録するとともに評価を行い、「維持管理計画」に反映させる、河川の状態変化に応じた順応的管理（アダ プティブ・マネジメント）に努めています。 

 降雨により発生する洪水のピーク水位が計画高水位以下となる働きをします。当事務所では江別太遊水地と晩翠遊水地を管理しており、上流の4か所の遊水地（千歳川河川事務所管内）と合わせ、洪水調節容量は概ね5千万m3（札幌ドーム約31個分）あります。

 

遊水池名	市町	施工開始	完成年度	湛水量	湛水面積	管理する事務所
江別太遊水地	江別市	平成24年度	令和元年度	約550万立方メートル	約160ヘクタール	江別河川事務所
晩翠遊水地	南幌町	平成23年度	令和元年度	約540万立方メートル	約160ヘクタール
東の里遊水地	北広島市	平成23年度	令和元年度	約620万立方メートル	約150ヘクタール	千歳川河川事務所
北島遊水地	恵庭市	平成22年度	令和元年度	約950万立方メートル	約200ヘクタール
舞鶴遊水地	長沼町	平成21年度	平成26年度	約820万立方メートル	約200ヘクタール
根志越遊水地	千歳市	平成24年度	令和元年度	約1,060万立方メートル	約280ヘクタール

 ※以下の各遊水池名をクリックすると航空写真（斜め写真）が表示されます。

 札幌開発建設部における遊水地事業の進め方とコスト縮減方策等について、第三者からの客観的な意見、助言を求めながら事業を進めています。

 平成30年7月に発生した千歳川流域の洪水においては、舞鶴遊水地で嶮淵川の水が初めて遊水地内へ越流したことに加え、南九号川の水も遊水地内に貯留し、浸水被害を軽減しました。また、当時工事中であった江別太遊水地・晩翠遊水地・東の里遊水地・北島遊水地においても、遊水地周辺の農業水路の水を遊水地内に貯留し、浸水被害を軽減しました。