新桂沢ダム及び三笠ぽんべつダムの建設に関する基本計画
令和3年8月31日 国土交通省告示 第1200号
ページ内目次
1 建設の目的
(1) 洪水調節
イ 新桂沢ダム(既設桂沢ダムの再開発により建設されるダムをいう。以下同じ。)
既設桂沢ダムの再開発により、洪水調節容量を増加させ、新桂沢ダムの建設される地点における計画高水流量毎秒910立方メートルのうち、毎秒840立方メートルの洪水調節を行う。
ロ 三笠ぽんべつダム
三笠ぽんべつダムの建設される地点における計画高水流量毎秒370立方メートルのうち、毎秒340立方メートルの洪水調節を行う。
(2) 流水の正常な機能の維持
下流の既得用水の補給等流水の正常な機能の維持と増進を図る。
(3) 水道
桂沢水道企業団に対し、新桂沢ダム地点において、新たに1日最大8,640立方メートルの水道用水の取水を可能ならしめる。
(4) 工業用水道
北海道に対し、札幌市東区中沼町地先において、新たに1日最大12,840立方メートルの工業用水の取水を可能ならしめる。
(5) 発電
新桂沢ダムの建設に伴って新設される新桂沢発電所において最大出力16,800キロワット、新桂沢小水力発電所(仮称)において最大出力490キロワットの合計17,290キロワットの発電を行う。
2 位置及び名称
(1) 新桂沢ダム
石狩川水系幾春別川
右岸 北海道三笠市桂沢
左岸 北海道三笠市桂沢
(2) 三笠ぽんべつダム
石狩川水系奔別川
右岸 北海道三笠市奔別
左岸 北海道三笠市奔別
3 規模及び型式
(1) 新桂沢ダム
イ 規模
堤高(基礎地盤から堤頂までをいう。以下同じ。)75.5メートル
ロ 型式
重力式コンクリートダム
(2) 三笠ぽんべつダム
イ 規模
堤高53.0メートル
ロ 型式
台形CSGダム
4 貯留量、取水量及び放流量並びに貯留量の用途別配分に関する事項
(1) 貯留量
イ 総貯留量
(イ) 新桂沢ダム
最高水位は、標高196.8メートルとし、総貯留量は、147,300,000立方メートルとする。
(ロ) 三笠ぽんべつダム
最高水位は、標高179.2メートルとし、総貯留量は、8,620,000立方メートルとする。
ロ 有効貯留量
(イ) 新桂沢ダム
最低水位は、標高158.0メートルとし、有効貯留量は、総貯留量のうち標高196.8メートルから標高158.0メートルまでの有効水深38.8メートルに対応する貯留量136,400,000立方メートルとする。
(ロ) 三笠ぽんべつダム
有効貯留量は、総貯留量のうち標高179.2メートルから標高146.5メートルまでの有効水深32.7メートルに対応する貯留量8,500,000立方メートルとする。
(2) 取水量及び放流量並びに貯留量の用途別配分
イ 洪水調節
(イ) 新桂沢ダム
洪水期(毎年6月15日~10月31日までの間をいう。以下同じ。)においては、洪水調節を行う場合を除き、水位を標高190.7メートル以下に制限するものとする。
洪水調節は、標高196.8メートルから標高190.7メートルまでの容量37,000,000立方メートルを利用して行うものとする。
(ロ) 三笠ぽんべつダム
洪水調節は、標高179.2メートルから標高146.5メートルまでの容量8,500,000立方メートルを利用して行うものとする。
ロ 流水の正常な機能の維持
流水の正常な機能の維持と増進を図るための貯留量は、新桂沢ダムについて、洪水期においては標高190.7メートルから標高158.0メートルまでの容量99,400,000立方メートルのうち最大26,990,000立方メートルとし、それ以外の期間においては標高193.1メートルから標高158.0メートルまでの容量113,100,000立方メートルのうち最大29,900,000立方メートルとする。
ハ 水道
桂沢水道企業団の水道用水として、新桂沢ダム地点において、新たに1日最大8,640立方メートルの取水を可能ならしめるものとする。
桂沢水道企業団の水道用水のための貯留量は、新桂沢ダムについて、洪水期においては標高190.7メートルから標高158.0メートルまでの容量99,400,000立方メートルのうち最大40,000立方メートルとし、それ以外の期間においては標高193.1メートルから標高158.0メートルまでの容量113,100,000立方メートルのうち最大100,000立方メートルとする。
ただし、水道用水のための多目的ダムの使用は、イ(イ)に規定する洪水調節及びロに規定する流水の正常な機能の維持に支障を与えないように行うものとする。
ニ 工業用水道
北海道の工業用水として、札幌市東区中沼町地先において、新たに1日最大12,840立方メートルの取水を可能ならしめるものとする。
北海道の工業用水のための貯留量は、新桂沢ダムについて、洪水期においては標高190.7メートルから標高158.0メートルまでの容量99,400,000立方メートルのうち最大970,000立方メートルとし、それ以外の期間においては標高193.1メートルから標高158.0メートルまでの容量113,100,000立方メートルのうち最大1,300,000立方メートルとする。
ただし、工業用水のための多目的ダムの使用は、イ(イ)に規定する洪水調節及びロに規定する流水の正常な機能の維持に支障を与えないように行うものとする。
ホ 発電
新桂沢発電所の取水量は、毎秒23.5立方メートル以内、新桂沢小水力発電所(仮称)の取水量は、毎秒1.1立方メートル以内とし、発電のための貯留量は、新桂沢ダムについて、洪水期においては標高190.7メートルから標高158.0メートルまでの容量99,400,000立方メートルのうち93,660,000立方メートルとし、それ以外の期間においては標高193.1メートルから標高158.0メートルまでの容量113,100,000立方メートルのうち105,300,000立方メートルとする。
ただし、発電のための多目的ダムの使用は、イ(イ)に規定する洪水調節、ロに規定する流水の正常な機能の維持、ハに規定する水道及びニに規定する工業用水道に支障を与えないように行うものとする。
なお、ロに規定する流水の正常な機能の維持、ハに規定する水道及びニに規定する工業用水道のために確保すべき貯水池の水位は、次に掲げる基準日にあっては、それぞれ当該基準日の水位、基準日以外の日にあっては、当該日の直前の基準日の水位と直後の基準日の水位とから等差的に算出される水位とし、イ(イ)に規定する洪水調節、ロに規定する流水の正常な機能の維持、ハに規定する水道及びニに規定する工業用水道のため水位を低下させる場合を除き、水位をこれより低下させてはならない。
基準日 |
基準日の水位 |
4月 1日 |
標 高 162.0メートル |
4月 21日 |
標 高 184.0メートル |
5月 1日 |
標 高 191.0メートル |
5月 11日 |
標 高 193.1メートル |
5月 21日 |
標 高 193.1メートル |
7月 1日 |
標 高 186.0メートル |
8月 21日 |
標 高 170.0メートル |
9月 1日 |
標 高 162.0メートル |
5 ダム使用権の設定予定者
桂沢水道企業団(水道)
北海道(工業用水道)
電源開発株式会社(発電)
6 建設に要する費用及びその負担に関する事項
(1) 建設に要する費用の概算額
約1,667億円
(2) 建設に要する費用の負担者及び負担額
イ 河川法第96条の規定に基づく国及び北海道の負担額
建設に要する費用の額から394百万円を除いた額に1,000分の977を乗じて得た額とする。
ロ 特定多目的ダム法第7条第1項の規定に基づく桂沢水道企業団(水道)、北海道(工業用水道)及び電源開発株式会社(発電)の負担額
桂沢水道企業団(水道)の負担額は、建設に要する費用の額から394百万円を除いた額に1,000分の1を乗じて得た額とする。
北海道(工業用水道)の負担額は、建設に要する費用の額から394百万円を除いた額に1,000分の12を乗じて得た額及び394百万円とする。
電源開発株式会社(発電)の負担額は、建設に要する費用の額から394百万円を除いた額に1,000分の10を乗じて得た額とする。
7 工期
昭和60年度から令和12年度までの予定
8 その他
既設桂沢ダムは、特定多目的ダム法附則第2項の規定に基づきこれを同法第2条第1項に規定する多目的ダムとするとともに、同法施行令附則第4項の規定に基づき桂沢水道企業団及び電源開発株式会社に当該多目的ダムに係るダム使用権を設定する。
(参考)対比表
変更前(第3回変更)
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変更後(第4回変更) | ||
建設の目的 |
(1) 洪水調節
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左記に同じ
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(2) 流水の正常な機能の維持
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左記に同じ | ||
(3) 水道 8,640立方メートル/日
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左記に同じ | ||
(4) 工業用水道
12,840立方メートル/日
|
左記に同じ
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(5) 発電
新桂沢発電所 16,800kw
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(5) 発電
新桂沢発電所 16,800kw
新桂沢小水力発電所(仮称) 490kw
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貯水池
容量配分
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新桂沢 ダム |
総貯留量
147,300,000立方メートル
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左記に同じ |
有効貯留量
136,400,000立方メートル
|
左記に同じ | ||
洪水調節
37,000,000立方メートル
流水の正常な機能の維持
26,990,000立方メートル(洪)
29,900,000立方メートル(非)
水道
40,000立方メートル(洪)
100,000立方メートル(非)
工業用水道
970,000立方メートル(洪)
1,300,000立方メートル(非)
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左記に同じ | ||
三笠 ぽんべつダム |
総貯留量
8,620,000立方メートル
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左記に同じ | |
有効貯留量
8,500,000立方メートル
|
左記に同じ | ||
洪水調節
8,500,000立方メートル
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左記に同じ | ||
工期 |
昭和60年度から令和5年度まで
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昭和60年度から令和12年度まで
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費用負担割合 |
河川 | 97.4% | 97.7% |
水道 | 0.1% | 左記に同じ | |
工業用水 | 1.2% | 左記に同じ | |
発電 | 1.3% | 1.0% | |
総事業費 | 約1,150億円 | 約1,667億円 |
※(洪)は、6月15日~10月31日の洪水期
(非)は、11月1日~6月14日の非洪水期
(非)は、11月1日~6月14日の非洪水期