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洪水記録

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洪水記録

空知川大水害(1962年8月洪水)と芦別周辺の被害

被害区域
石狩川流域において死者7名,被害家屋4万戸を超える被害が発生し,空知川流域においても,当時の計画高水流量(赤平地点3,120m3/s)を大幅に上回る流量3,949m3/sを観測し,家屋の流出,田畑の冠水,橋梁の流出などの甚大な被害が発生しました.
 金山ダムサイト付近の雨量観測では7月29日小雨18mm,7月30日~31日38mm,8月2日~4日219mm,3段階の漸増的降雨があり空知川は数十年来の出水となりました.滝里付近は市街地の大半が冠水し滝里橋が流失しました.また北海道電力奔茂尻取水堰堤も両側が決壊し,国鉄根室本線の鉄道橋左岸取付道床が約100m流失しました.支川の辺渓川,芦別川,野花南川,オチヌレペ川などの出水は一挙に空知川に流入したので河岸高も低い芦別市付近は家屋,耕地,道路に被害を受けました.

被害状況

  • 被害状況のグラフ
石狩川流域の被害に占める3市町(赤平市,芦別市,富良野町)の被害の割合を示した図であります.まず橋梁の被害額は流域全体の被害額の半分以上を占めます.また,家屋被害をみても全壊,流出戸数に占める3市町の割合がとても大きく,総被害額に占める割合も大きいのが特徴的である.これは谷幅が狭く,流速が速いため,家屋や橋梁に大きな被害を及ぼしたものと考えられます.一方,対照的に下流では,床上浸水や床下浸水などによる被害が大きかったことがわかります.
 芦別市滝里町は谷幅が500m~700mと狭く,1962年の水害時に滝里町の市街や田畑があった谷底面全面が冠水しています.

洪水経験者の話では滝里町171世帯(941人,ただし昭和38年時点)の内,洪水被害にあわなかった世帯は数世帯のみでした.また避難した場所は根室本線の線路の上やお寺の本堂(床が高い)などで町内の大半が水深1m前後,流速1m前後の洪水流に見舞われました.滝里町での家屋の流出は数軒にとどまり,多くは床上,床下浸水で済んだものの,橋の流出により「陸の孤島」になるなど,大きな被害が出ています.
 このような被害は,2003年の厚別川(北海道日高支庁),2004年の足羽川(福井県),2005年の耳川(宮崎県)など全国的に頻発する谷底平地における洪水被害と共通する側面を持っています.

1962年8月洪水における芦別周辺の被害(新聞報道より)

北海道新聞記事から

8月4日
「水没寸前の炭住街-機上から被害地を見る」(本社特別機で棚部,内田記者)
冒頭省略
空知川と石狩川の合流点-砂川市は町の北半分が水底に没した.激流の中で必死に耐えている赤,緑さまざまの色の屋根.いずれも軒先まで水につかっている.独立した家の屋根は人影が見え,対岸には黒だかりの人の群がさけび合っていた.滝川,赤平上流に行くにつれて惨状は増した.今にも削られそうな堤防には避難した人達が右に左に走り回り,家財を積んだトラックの群れ.橋があればかならずそのたもとには人と自動車の列がせき止められていた.空知では赤平市が一番ひどかった.赤平中央橋の下流は一面の濁流,十数棟の炭住が屋根だけ出してまさに沈没寸前,川の中央に押流されて転覆した家屋もかなりある.非情の雨は斜陽の炭鉱地帯も容赦はしなかった.まるでなぐりつけられた様に気力を失った山にみえた.両側の山や丘から流れる水を集めた石狩川は盛り上がらんばかりの支流の水をのみ込んで狂った様にその流域に巨大なエネルギーをたたきつけながら流れ下っていた.
後半省略

8月5日
「暗い日曜日を迎えた被災地-進まぬ復旧作業-河川一部でやっと減水」
冒頭省略
空知川が減水して赤平市は5日朝から正常に戻った.赤間,豊里第一集合所,赤平小に収容された被災者たちは市から毛布や食糧の配給を受けているが,土台石だけが墓石の様に残った変わり果てた我が家の跡にぼうぜんとしながらも復旧に立ち上がった.芦別市から20キロメートル離れた滝里村では依然として水につかったまま.道路,鉄道はいずれも不通で190戸が孤立している.なお芦別川啓南わきでガケ崩れがあり,芦別署では警戒にあたっている.一方,岩見沢,美唄では石狩川がなお増水を続けており,被害は増えている.
  • 赤平橋上流 赤平市左岸の氾濫状況(赤平橋上流)
  • 芦別市上芦別町の被害 芦別市上芦別町の被害 空知川
  • 芦別市西芦別の被害 芦別市西芦別の被害 芦別川

全国各地で多発する水害被害

全国各地で多発する水害被害
 1962年8月の洪水における空知川の被害は,1983年の三隅川(島根県),2003年の厚別川(北海道日高支庁),2004年の足羽川(福井県),2006年の川内川(鹿児島県)など全国的に頻発する谷底平地における洪水被害と共通する側面を持っています.いずれも谷幅が1キロメートル以下の狭い平地部分に生活の場があり,そのような地形条件において洪水流は分散せずに流下するため,大きなエネルギーのまま流下し,住宅や公共施設などに莫大な被害が出ました.
日高支庁厚別川における洪水被害
日高支庁厚別川における洪水被害(2003年)
(北海道庁より)
福井県足羽川における洪水被害
福井県足羽川における洪水被害(2004年)
(国土交通省より)
島根県三隅川における洪水被害
島根県三隅川における洪水被害(1983年)(島根県より)
  • 地形特性ごとの氾濫水の流速,浸水深 図-2 地形特性ごとの氾濫水の流速,浸水深(末次:河川の減災マニュアル,山海堂より)

お問合せ先

空知川河川事務所

  • 住所:芦別市滝里町683
  • 電話番号:0124-24-4111

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