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第6回協議会 議事要旨

第6回(平成17年2月22日)

  • 釧路湿原自然再生協議会

第6回協議会 議事要旨

小委員会開催報告について

 事務局より第3回水循環小委員会、第4回再生普及小委員会の開催概要や小委員会で出された主な意見について説明が行われた。

(水循環小委員会)
委員長に藤間委員、委員長代理には中津川委員が選出された。
流域の水理、地質構造解明の検討については、湿原周辺の文化財、貝塚の分布、アイヌ史などを調べるとより詳しいことが分かるのではないか。
久著呂川の水環境保全の検討については、農地、林地からの面源負荷だけではなく、畜舎排水などの点源負荷の把握も重要である。
今後の小委員会の進め方は、水・物質循環にかかわる知見について委員間の共通認識を深めながら委員会を進めていくことが重要なので、小委員会の開催に併せて勉強会を開催する。
第1回目の勉強会として、釧路湿原の水循環について、中津川委員より研究成果を紹介いただいた。その時の主な意見は、釧路湿原では霧が水収支に利いてくるのではないか。ハンノキの成長と地下水位の関係について、下層と上層の地下水を一緒に考えると混乱が起きてしまうのではないか。ハンノキの生理学的な側面を確認する実験を行うべき。水循環関連として、地下水保全の方策を考えていかなければならないなどがあった。

(再生普及小委員会)
「釧路湿原自然再生普及行動計画」がワーキンググループにより作成された。この計画の目的は、釧路湿原の自然再生にかかわる環境教育と市民参加を一層推進するための行動計画を、全体構想に沿って作成することである。基本的に環境教育や市民参加を「できる者」が「できること」から着手することを原則にしてまとめてある。それを一般の方たちに公表し、呼び掛け、そこに主体的に加わる人たち、団体、企業などの公募を3月から取り組みたいと考えている。
実際に取り組んで、参加して、関わる人たちの名称は、実施者と呼ばれているが、もう少し分かりやすい名称にしたいと考えている。何か案があれば、事務局に連絡していただきたい。

全体構想(最終案)について

 事務局より全体構想作成に関する検討経緯、全体構想(案)に関するパブリックコメント実施結果概要、全体構想の副題(サブタイトル)募集結果について説明が行われた後、全体で全体構想(最終案)の記載内容について討議が行われた。

第1章について

(委員)
注釈で阿寒川の分流について触れているが、阿寒川が自然現象で分流したのか、人為的に分流したのか、またいつ分流したのかがわからない。これは湿原悪化の原因とも関係するのでコメントが必要である。

(事務局)
釧路川の治水史などによると、阿寒川は洪水の時は現在の河口に向かって洪水が氾濫していたこと、また阿寒川は土砂の発生が多く釧路港の機能を確保するために分断した経緯もあり、分流については自然現象と人為的な部分の両方あったと考えられている。全体構想では簡潔に書くようにした。

(委員)
全体構想に記述している内容の資料は、今後整理して、全体構想に関わる関係資料の提供として、インターネットあるいはその他の方法で公開していく予定である。

第2章について

(委員)
英訳の箇所について、英語の訳だと言う表現だと、言葉の議論をするときに必ず英語に戻らなくてはならない。また、言葉自体がまだ一語一義とは言いきれないと思う。英語は片仮名で書くか、または英語ではこう表現しますぐらいにしておいた方がよい。

(委員)
ページ2の7のパプリックコメントの意見は、今後我々が取り組む湿原再生という意味における重要なポイントを提起していると思う。それに対して簡単な回答で終わることなく、親切丁寧な形で対応しないと、様々な誤解を生むと思う。

(会長)
第2章の“自然再生とは”の説明では、機械(工法)など細かい部分を書き込めないと判断している。

(委員)
全体構想にある地区の個別の具体論まで入ってしまうと、ほかについても全て入れ込まなくてはいけない。個別の地区の議論は、実施計画にまつわる部分だと思う。全体構想がまとまれば、各小委員会で、全体構想に則った形で、茅沼地区における氾濫源や蛇行復元にこの意見を十分取り入れた形で議論されていくものだと思う。

第3章について

(委員)
阿寒川は右岸地域に広い湿原が残っていると同時に、中流域はタンチョウの越冬地として、非常に重要な位置を占めている場所である。生態系のつながりを持った流域全体を、自然再生の取り組み範囲として考えるのが基本なので、阿寒川流域の保全は、釧路湿原の範囲として見ていく必要があると思う。
阿寒川の左岸側にある仁々志別川は釧路川の集水域であるが、5万分の1程度の縮尺で、はっきりと分かるように記載してほしい。

(会長)
区域を決めるというのは非常に難しい。何かの基準で区切るとすると、流域という言葉が出てくる。現在の流域で区切るとどこかが欠けてしまうということになるのかと思う。

(委員)
阿寒川の下流は、図では「阿寒川南部の大楽毛湿原」という表記にしている。5万分の1の地形図で、現在の仁々志別川の流域を明確にして本文の図に反映したいと思う。

第4章について

(委員)
イトウの釣り捕獲個体数の推移が示されているが、イトウの数についての詳しい資料はあるのか。

(委員)
釧路市立博物館よりデータの提供があった。詳細なデータの中身については、必要があれば紹介させていただきたい。

(委員)
1988年イトウ会議の時に、ある釣り団体に提供頂いた資料を文章中に引用した。ここに記載されている数字は、その当時の生息数ではなく、釣り上げた数である。当時のイトウ生息状況を知るには、これ以外の記録はなく大変貴重な資料である。

(委員)
本文12ページと18ページのイトウの写真が同じなので、別な写真に入れ替えたほうがよいのではないか。

第5章全体について

(委員)
5章の表題が「目標達成のための施策」とあるが、各施策の (2) は「本施策を達成すべき目標」となっており、「目標」が逆立ちしているので、チェック・整理が必要。

第5章「施策1」について

(会長)
パブリックコメントでは、湿原の評価をきちんと行うことが大事ではないかという意見がかなりあった。5章の施策1などの評価はある程度できないことはないと思うが、まだ全部のデータがそろっていないこともあり、試行錯誤の段階だと思う。

第5章「施策3」について

(委員)
パルプ原木・枕木・用材・杭木・薪炭材として表記されているが、誤解を与えないよう、木材需要の年代順を調べた上で、この序列を検討してはどうか。

第5章「施策4」について

(委員)
環境省で公表している水質データによると、標茶町の瀬文平橋地点の BOD は、平成3年から5年度と平成13年から15年度とを比較した場合、悪化している率が高く、全国ワースト5 に入っている。文中の表現では、下流だけが悪くなっていると誤解するので、中流域のデータも交えて整理すればよいのではないか。

(委員)
データは下流に限らず、中流、上流もある。これらのデータを精査して、文章に書き込むか、あるいは追加資料として、グラフとして表現するかを検討させていただきたい。

第5章「施策5」について

(委員)
“土砂供給源として農地が抜けているのではないか”との意見は、“生産源としての農地”との明記がないという指摘ではないのか。

(事務局)
“河川沿いの土砂調整地・緩衝帯などの設置を図る”という中の“など”に含まれていると考えている。現在、農地防災事業では、農地からの土砂の流出について、沈砂池を設置して湿原への土砂流入量の軽減を図ることを検討している。

(会長)
農業サイドで沈砂池を計画し完成しているものもある。そこでもデータを収集しているので、別の機会に報告できると思う。

第5章「施策6」について

(委員)
パブリックコメントの意見については、丁寧に誠実に、よい印象を与えるような答え方をしたほうがよい。 意見で“一般市民や参加者への中で自発的な取り組みの意欲が深まったかどうか”と書き換えるという意見は、自発的という言葉を取り入れて、自分たちが主体的に参加をしたいとか、自然を大事にしたいということを評価指標に入れるべきだという面で重要だと思う。
自然再生事業がトップダウンにならないように、住民が受け身的にならないようにという意見で、市民の主体的選択権を確保するというのは、修文前の方が良かったと思う。説明の中にも主体的というのをきちんと取り込むようにという意図ではないかと思う。

全体について

(委員)
ガイドラインのルールづくりというところで寄せられた意見の中に、不必要な標識を作らない方がいいという意見に対して、回答では、具体的に考えていることを詳細に丁寧に提供した方がよい。例えば「景観に配慮し」という言葉を入れることなどを考えられればよいと思う。
不法投棄の問題、補助金に対する経済効果についての意見に対し、全体構想の文面では難しい場合は、回答では、具体的に行われていることを提供することが必要である。また、資金的な援助の支援を促進することに対して、成果に対して定期的に評価を行うなどの言葉を本文に入れてもよいと思う。

(委員)
“○○においてご指摘の趣旨を含んでいる”という回答をかなり見られるが、このような回答は協議会としては意見を退けていないと理解をしていいのか。
また、“引き続き取り組んでいく”、“実施計画を検討していく上で十分踏まえさせていただきたい”という回答も、かなりあったが、意思決定のプロセスが不明瞭になっているので、そういう意見が出ると思う。むしろ意思決定のプロセスのところがもう少しはっきりしていると、そういう意見のところがもう少し明瞭となると思う。

(会長)
協議会として意見を退けてはいない。ここでの回答は、協議会としての返答になる。また、できるだけ丁寧な説明・回答をすべきと思う。

(委員)
評価については、どう見ても内側の評価、自己評価みたいな形になっていると思う。協議会全体で進めようとする様々な事業の、第三者的な評価が足りないような気がしてならない。全体構想を見直す機会には、ぜひ第三者的な評価も加えるよう検討していただきたい。

(委員)
実施計画は自然再生専門家会議でチェック、意見を受ける形になっている。パブリックコメントでの意見の細かい点、具体的な実施計画で議論するべき点がたくさんあるが、これは、全体構想が一度固まって、実施計画が立ち上がった段階で、自然再生専門家会議にかけられるという形にはなっている。

(委員)
パブリックコメントでは、かなり厳しい意見や提案、疑問がたくさん出てきている。そういう指摘をどうやって吸収していくか、その辺の工夫をぜひ検討願いたい。

(委員)
全体構想策定後の流れが一般の市民が知りたいことだと思う。
全体構想に基づいてそれぞれの事業主体が実施計画を立てる。実施計画については、各小委員会で細かい技術的なことや、中身について検討が行われる。それを協議会に諮る。それが諮られた時点で、今度は主務大臣に提出する。主務大臣は、自然再生専門家会議を立ち上げて、専門的、技術的、科学的なチェックをする。その結果、一定の助言を付託して実施計画の施行許可が出る。毎年、その過程についてモニタリングを行い、逐次小委員会や協議会に報告してチェックを受ける。モニタリングとみなさんの意見の反映などの逐次過程を得ながら再生事業は細かく丁寧に実施していく。それだけ時間もかかるが、釧路での自然再生の今回の取り組みの大まかな流れである。

(事務局)
第6章の役割分担の項で、第5回協議会時点から釧路支庁が変更となっていることを報告する。

(会長)
全体について、パブリックコメントでいろいろなご指摘、ご意見があり、協議会として、大変貴重なご意見と受け止めたいと思う。

(委員)
「聞き込み調査では湿地を埋め立て、補助金によりつくられた牧草地を利用せず、海外から輸入した牧草を牛に与えているという声も聞かれる。」という文章があるが、受益者である酪農家にとっては非常に屈辱的な話である。農家は、広く国家・国民のために寄与したいという思いで日々生産に励んでいるわけなので、誤解をされるような方がいるとすれば、非常に残念な話。この意見に対する当協議会の考え方を、誤解を解くように改めていただきたい。

(会長)
このことは訂正というよりも、正しく返事をするということにする。
なお、これまで議論した語句訂正等を含めた本文については、任せていただいてまとめさせていただく。

(委員)
今回の全体構想に対するパブリックコメントの中には、具体的に実施計画的なものに対するパブリックコメントの部分が相当あったことは協議会としての共通認識だと思う。非常に重要な意見があるということも共通認識だと思う。各々の小委員会では、再度その実施計画に関連するものについて特に確認し、そこでの議論を深めていただきたい。また、そのことを必ず行うということをパブリックコメントの回答にも書いていただくのが一番いい。

全体構想の副題(サブタイトル)について

 事務局より全体構想に関する副題(サブタイトル)募集結果について説明が行われた。

(会長)
「未来の子どもたちのために」と提案する。(←全体で了承)

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