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第3回湿原再生小委員会 議事要旨

第3回(平成17年5月11日)

  • 釧路湿原

第3回湿原再生小委員会 議事要旨

小委員長選出について

 協議会設置要綱第10条第3項に基づき、小委員会委員の互選により新庄久志委員(釧路国際ウエットランドセンター主幹)が湿原再生小委員会の委員長、神田房行委員(北海道教育大学副学長(釧路校担当))が委員長代理に選出され、承認された。

平成16年度調査検討結果と平成17年度調査検討計画について

1. 湿原の面積及び釧路湿原全域の動植物調査の概要
 湿原の面積及び釧路湿原全域の動植物調査の概要の説明が事務局より行われた。

(委員)
阿寒川流域などには広大な湿原が残されている。自然再生法の目的にある過去に失われた湿原環境を取り戻すということからも、過去の釧路湿原の面積や範囲を当委員会で明確にしていく必要がある。

(委員)
仁々志別川を境に西側(北斗地区)でキタサンショウウオが釧路湿原で最初に発見された。現在の対象区域図ではこの地区は釧路湿原でないという判断になってしまう。釧路湿原の範囲の設定には配慮が必要。

(委員)
過去の湿原面積を把握する際には起点を設ける必要がある。まずは昭和22年以降の航空写真から調査してはどうか。また、それ以前については町史や市史を時間をかけて調べてはどうか。

(事務局)
釧路湿原の基準となる面積は必要と考えているが、湿原の境界となる基準が明確になっていない。関係者が境界の基準や対象エリアの考え方を議論できる場をこの委員会とは別に設ける必要がある。

(委員)
関係者で議論し、湿原範囲の考え方をできる限り早いタイミングで明確に示すことが大事である。
湿原の範囲は“分かりやすさ”にも配慮して線を引かざるを得ない場合もあると思う。その場合、対象エリアから外れる湿原も出てくると思うが、そこは自然再生の対象としないということではなく、どう対応していくかを個別に考える必要がある。

(委員)
この議論が繰り返し行われている。湿原面積の基準はワーキング形式で1年かけて検討し、委員会としての公式見解を示すべき。

(委員)
湿原範囲を設定する際には既存の植生図とも整合を図る必要がある。

(委員)
北斗地区に残された草地にはキタサンショウウオの他、日本では滅多に見られないミズクモが確認されている。このような連続していない重要な飛び地も釧路湿原として面積に加えるべきである。

(委員)
武佐の湿原も地形的に捉えると湿原面積に入って当然である。土地利用の有無の観点に限定して考えることはない。流域としての面積や、あるいは土地利用されているところを除いた面積など単純化した方がよい。昔の算出根拠を参考にして考える必要がある。

(委員長)
かつての釧路湿原の正確な面積と範囲について、ワーキングの設置も含めて今後検討していく。
また、現在の釧路湿原の面積、範囲を把握し、その上で湿原再生の対象を引き続き検討する。
1929年の泥炭地調査に関する書籍が北海道開発協会の方から出ているので、それも参考にしながら検討を重ねていただきたい。

2. 広里地区について
 広里地区についての説明が事務局より行われた。

(委員)
伐採試験区と非伐採区におけるヨシの乾物重量は、非伐採区の方が多いという結果が理解できない。伐採しなければ日陰が多くなるので乾物量は少なくなると考えられると思う。

(委員)
生育する時期と調査実施日も関係している可能性がある。ムジナスゲは春先、ヨシは 7月、 8月に成長するので、伐採直後はムジナスゲが優先する結果になっているのでは。

(委員)
伐採区でムジナスゲの乾物量が大きくなっている。調査担当者の解釈は、伐採区でムジナスゲが大きく成長したことが、ヨシの生長を抑制しているということであったが、原因を特定するには詳細な調査が必要である。

3. 幌呂川地区について
 幌呂川地区についての説明が事務局より行われた。

(委員)
自然再生事業のゴールは生物多様性の問題解決であると思う。幌呂川地区について言えば、排水路とハンノキの問題など原因と結果の関係がわかりにくい。解決のためのストーリー展開はどのように考えているのか。

(事務局)
今後、詳細に検討した上で、各地区の役割や再生の目標を考えていきたいと考えている。

(委員)
ハンノキ林の成立要因が栄養塩なのか水位なのか収斂させていく必要がある。国交省の幌呂川地区や環境省の広里地区などの情報を互いに共有し、そのデータを使ってハンノキ林の研究家が議論し、数年で結論を出してほしい。

(委員)
再生手法として“丘陵地への植林”は慎重に検討すべきである。特に湧水環境は非常にデリケートであり、現状で問題がないのであれば放っておくべき。

(委員)
図を見ると沢に沿ってハンノキ林が拡大している。地下水や表流水が丘陵地の農地から湿原内に流入する区域でハンノキ林が拡大しているケース(風連湿原)があるので、このような視点も踏まえ検討願いたい。

(委員)
ハンノキ林の増加や土砂流入の観点で見ると、雪裡川地区の方が重要だと思うが、今後検討を行う考えを持っているのか。

(事務局)
雪裡川の再生調査は、現時点は実施していないが、将来的には取り組みを考えていきたい。

4. 関連する農業整備事業について
 関連する農業整備事業についての説明が事務局より行われた。

(委員)
堤防を撤去して氾濫させる農地は、今後、整備事業を実施しないことになるが、その地区の将来像をどう考えていくのか。

(事務局)
農地が減ることに対するフォローをどうするかも含め、現在、地域と協議しながら対応を検討している。

(委員)
排水路の近自然型護岸は、排水の機能はもとより、エコトーンとしての考え方を取り入れるべきである。

(委員)
当該地区の現状が把握しやすいように、 2万 5千分の 1程度の縮尺で作成した図面を提供願いたい。

(事務局)
事業の詳細な計画はまだ確定していないが、可能な範囲で示していきたい。

5. 雪裡樋門地区について
 雪裡樋門地区についての説明が事務局より行われた。

(委員)
ヤナギタデが優占するような群落は湿原には存在しないので、この結果から湿原群落が回復したとは言えない。
水文環境を大規模に改変をする場合、その効果や影響を科学的に裏付け、その上で事業を実施するという慎重さが必要だったと思う。

(委員)
試験湛水の終了後にハンノキが再生される状況が見られる。ハンノキ調査は今後も継続的に実施すべきである。

(委員)
一時的に伐採された切り株が冠水することにより、後萌芽本数が極端るという結果が得られているが、伐採と冠水のそれぞれの効果がどの程度かは明確にはわからない。

(委員)
雪裡樋門がどのような設計になっているのか示してもらいたい。

(委員)
右岸堤の堤内地の土地利用計画がないのであれば、ここを自然再生的に利用することを釧路川整備計画の中で議論してもよいのではないか。

(委員)
安原地区の将来像として検討すべきである。しかし、全国的に国家財政が逼迫し、水害が多発している中では、完成した治水施設を撤去して新たなものを設けるという議論は当然あっておかしくないと思うが、簡単なことではない。

(委員長)
今年度は安原地区の将来像について大いに検討することになるので、様々な議論を交わしながら進めていったらよいと思う。

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