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第11回湿原再生小委員会 議事要旨

第11回(平成24年11月8日)

  • 釧路湿原

第11回湿原再生小委員会 議事要旨

 会議の冒頭、事務局より第10回湿原再生小委員会の発言概要と今後の検討方針(案)について説明が行われた。

議事1:幌呂地区湿原再生について

 事務局より「幌呂地区湿原再生の今年度実施予定等」について説明が行われた後、内容について協議が行われた。

(委員)
・ 前回の小委員会で、「排水路の埋め戻しに用いる土は、もともと農地利用するために置土した土(地盤を掘り下げた土)をそのまま利用する説明があり、本来、湿原にない栄養分を含んだ土であるため、湿原環境を保全するためには良くないのではないか。」との質問をして、「土壌の栄養分調査を実施し、栄養分が高い場合は用いない。」との回答があったと記憶している。それは、どのように計画に生かされているのか。

(事務局)
・ 今、手元にデータはありませんが、以前に調査を行っているので調査結果を確認します。

(委員)
・ あまりにも養分濃度が高い場合は、排水路の埋め戻しに用いないことで良いか。

(事務局)
・ それについても確認させて下さい。

(委員長代理)
・ 事前の土壌調査では、泥炭の上に後で土壌を追加したというような調査結果になっているか。

(事務局)
・ そういった調査結果もあります。土は排水路を掘削したときの発生土であり、もともと現地にあった土を置土していることになります。

(委員)
・ 農地にするために施肥した土であることを前回の委員会で説明していたと記憶している。

(委員長代理)
・ それらの調査結果を確認して、事業に反映してもらいたい。

(委員)
・ 資料のP6~P7に1号支線排水路の水質調査結果が載っており、出水時には窒素やリンが他の平水時の河川の10倍以上となっていることから、再生箇所に水を入れるための切り下げはしないと説明があった。今回の計画は冠水頻度を上げて湿原再生を行う計画を試みていたと思うが、冠水頻度と湿原再生の関係性はどのようになるのか。これらの高い濃度の窒素やリンがそのまま湿原に流れ込むことが考えられるが、この土地は山と湿原の間に位置する緩衝地であり、ここで溢れさせることで、湿原中心部に高濃度の栄養塩を直接流れ込まないようにする役割もあったと記憶しており、今後、これらの対応についても考えて欲しい。

(委員長代理)
・ 出水時に栄養塩濃度が高くなるのは、恐らく農地の肥料等の影響が出ているのだろうと考えられる。この土地は、もともと農地であるため栄養塩の高い土地である。これらの栄養塩をどのように取り除くのかというのは大きな課題である。

(委員)
・ オオアワダチソウを除去した後の処理はどうするのか。

(事務局)
・ 未利用の排水路に土砂と一緒に、埋め戻すことを考えています。ただ埋め戻すのではなく、排水路の奥(底)の方に入れて土砂を被せることで考えています。

(委員長代理)
・ 種子が表面に残っていると、オオアワダチソウが再生する可能性があるため、注意深く実施して欲しい。

議事2:達古武湖自然再生事業実施計画(案)について

 事務局より、「達古武湖自然再生事業実施計画(案)」について説明が行われた後、内容について協議が行われた。

(委員)
・ 逹古武湖の水位(水深)の変化は把握しているか。逹古武湖には外来種であるコイが生息しているが、生態系に与える影響はないか。

(事務局)
・ 逹古武湖の水深は少しずつ浅くなってきていると認識している。コイについてはこれまで問題と聞いていないが今後どのようにするか検討したい。

(委員)
・ なぜ、逹古武湖の中央だけヒシがないのか。逹古武湖と塘路湖のヒシ生育の違いは何か。

(事務局)
・ 中央部の水深が深いためヒシの生育に適していない。逹古武湖の水深、水質が塘路湖よりもヒシの繁茂に適しており急速に増えたと考えられる。

(委員)
・ 逹古武湖の水質悪化について、キャンプ場の影響はないか。

(事務局)
・ キャンプ場からの栄養塩の流入は全体の1%程度と非常に小さい。

(委員)
・ 過去の水質のデータはあるか。T-Nの値は流入より流出時の方が大きくなっているが、なぜか。

(事務局)
・ 逹古武湖では比較的古くから水質のデータが取られている。2000年頃から水質が悪化しアオコが発生しはじめた。大まかには逹古武湖南部の湿地帯(南部湿地)に堆積した家畜糞尿が湖内に流れ込んでいるため、逹古武湖から流出する水のT-N値が増えている。

(委員)
・ 降雨時の対策としてどういう対策があるか。目標値はあるか。

(事務局)
・ 降雨時の対策としては南部湿地に堆積した家畜糞尿の処理が挙げられる。ゼロにすることは無理だが、可能な限り堆積した家畜糞尿を減らしたい。

(委員)
・ ヒシを除去することにより湖内にある窒素・リンをどれくらい減らせるのか、定量的な評価が必要。除去したヒシの乾燥重量を計測し、除去された窒素・リンの量を調査してはどうか。

(事務局)
・ 本事業では、ヒシの除去は窒素・リンがどれくらい減るかではなく、水生植物がどれくらい増えるかを指標に進めていきたい。

(委員長代理)
・ 春採湖でのヒシのデータがあるので試算してみては。

(委員)
・ ヒシ除去によりアオコが増えた場合や特定外来生物であるウチダザリガニが増えた場合はどうするか。両者のモニタリングはどうするか。

(事務局)
・ ご指摘のとおりヒシによりアオコやウチダザリガニが抑制されている可能性があることから、モニタリングを行い、バランスをとりながら徐々に植生が入れ替わるように進めたい。

(委員)
・ 南部湿地の堆積家畜糞尿は具体的にどのように除去するか。また、釧路川からの逆流による栄養塩流入はどのように評価しているか。底質のデータはあるか。

(事務局)
・ 現時点では、冬季に土壌が固まったところで重機により除去を実施するのが適当と考えているが、具体的には今後検討していく。釧路川から逆流する栄養塩については数値で評価しているものの、これは逹古武湖だけで対応することが難しいため、釧路湿原自然再生事業全体で検討していきたいと考える。底質はシルト及び粘土質で、全域でほぼ一定である。

(委員)
・ 上流河川からの土砂が南部湿地に溜まることで、逹古武湖に流れ込む水質を改善しているのではないか。(沈砂池のような効果があるのではないか。)

(事務局)
・ 今回除去する予定の南部湿地の堆積物は上流からの河川堆積物ではなく、人為的に投棄された家畜糞尿であることが分かっている。かつては家畜糞尿の投棄は合法であった。現時点で水質改善の主対策として考えられるのは南部湿地の家畜糞尿除去と考えている。

(委員)
・ 除去を行うのは冬季か。周辺にタンチョウが生息していることから配慮が必要。

(事務局)
・ 冬季に実施する予定であるが、タンチョウには配慮しながら適切に実施する。

(委員長代理)
・ 南部湿地の堆積物はいつごろ判明したか。ぜひ対策を実施されたい。

(事務局)
・ 東部湖沼自然環境調査の検討委員達が2008年に調査を実施し、堆積が判明した。除去を実施する。

(委員長代理)
・ 達古武湖自然再生事業の今後の予定はいかがか。

(事務局)
・ 11月中に出席委員より協議会委員から事業実施計画(案)にご意見をいただき、次回の小委員会に再度諮りたい。欠席の委員のご意見も確認する。

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