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第15回湿原再生小委員会 議事要旨

第15回(平成26年12月24日)

  • 釧路湿原

第15回湿原再生小委員会 議事要旨

 会議の冒頭、事務局より第13回及び第14回湿原再生小委員会の発言概要と今後の検討方針(案)について説明が行われた。

議事1:幌呂地区湿原再生について

事務局より説明が行われた後、内容について協議が行われた。

事業実施箇所の状況報告について【平成24年、25年度実施箇所】
(委員)
・ 20センチメートル、40センチメートル、60センチメートルと切り下げた箇所があるが、20センチメートルの箇所はオオアワダチソウ、クサヨシ等がびっしりと繁茂している状態であり、元の状態に戻りつつある。最低でも40センチメートル切り下げを行わないと、オオアワダチソウ、クサヨシが繁茂すると考えられる。
・ 40センチメートル、60センチメートルの箇所でも所々、周辺からの種子の供給により若いオオアワダチソウが見られた。これらは、冬になると枯死し以前のように繁茂はしないと思われる。
・ 現地状況を確認した結果、40センチメートルの切り下げが適していると考える。
・ 60センチメートルの切り下げは沼となるが、湿地としては悪くない。

(委員)
・ オオアワダチソウの再生は複雑なため、モニタリングを継続し順応的管理を実施していくこと。必要に応じて再度切り下げを行う検討も実施するべきである。

(委員)
・ オオアワダチソウとセイタカアワダチソウの違いは何か。また、オオハンゴンソウとの関係も教えて欲しい。

(委員)
・ 幌呂地区では、オオハンゴンソウがほとんど見られない。北海道ではほとんどがオオアワダチソウでありセイタカアワダチソウの生育は白糠の砂丘あたりで見られるが現時点ではほとんど見られない。

(委員)
・ 平成24年度に実施した排水路の埋め戻しはどのような高さで行ったのか?

(事務局)
・ 排水路の埋め戻しは、現地盤高とほぼ同じ高さとしている。

(委員)
・ 希少種の扱いについて、環境省の考えをお聞きしたい。

(事務局)
・ 当該地でみられる希少種は公表しても問題ないと考えている。

◆地下水位の観測結果報告について
(委員)
・ 湿原再生実施箇所の地下水位と1号支線排水路の水位の関係はどのようになっているのか。

(事務局)
・ 1号支線排水路は現在も使用されている排水路である。地下水位と排水路の水位の関係は、地下水位のほうが高い位置にある。

(委員)
・ 湿原再生実施箇所の暗渠(きょ)排水路はどのようになっているのか。

(事務局)
・ 掘削時に出てきた物は撤去している。

(委員)
・ 通常、凍上抑制を考慮して暗渠は70センチメートル以上下に入っているため、20~60センチメートルの切り深よりも深い位置にあるのでは?

(事務局)
・ 再生実施箇所における暗渠の取り扱いについては今後検討したい。

議事2:達古武湖自然再生事業について

 事務局より説明が行われた後、内容について協議が行われた。

◆ヒシ分布域制御について
(委員)
・ ヒシ分布域制御の対策効果が現れている可能性があると記載があるが、どの程度の効果があり、今後の制御にどう繋がるのか教えていただきたい。

(事務局)
・ ヒシの分布域制御は、対処療法的なことであると考えている。具体には、ヒシが生息すると他の植生が生息できないことがわかったため、ヒシを取り除くことで他の植生の繁茂が確認できている。今後、どの程度の期間、進めていくかはモニタリング次第だが、負荷が軽減されたことが認められるのであれば分布域制御をやめても良いと考える。これらの判断は順応的管理や計画の見直し時に行う予定である。

(委員)
・ 達古武湖のヒシの花が咲く時期と結実する時期はいつ頃なのか。

(事務局)
・ 7月の下旬に花が咲き、8月の下旬~9月の上旬に結実する。

(委員)
・ ヒシの刈り取る手法を教えて欲しい。

(事務局)
・ 水面から20センチメートル位下の箇所を、発芽等の時期を考慮し2回刈り取っている。1回目で繁茂を抑制し、2回目で種子が未熟な時期に刈り取るので種子が散布されずに枯死する。
・ ヒシは1年草であるため、種子が結実前に刈り取ることで除去できると考えている。

(委員)
・ 今回ウチダザリガニの調査は制御区と対照区のみで実施しているようだが、河川部に生息していると考えられるのであればモニタリングの地点を増やしたほうが良いのではないか。

(事務局)
・ 調査箇所の追加等については今後検討を進めていく。

◆栄養塩類の除去について
(委員)
・ 栄養塩類を含んだ土壌の除去を11月から進めていると説明があったが、工程について教えて欲しい。

(事務局)
・ 11月より栄養塩類を含んだ土壌を埋設するための場所の掘削が現在、おおむね終了している。年内に仮設道路等の整備を行い、年明けから栄養塩類を含んだ土壌の運搬を始め、3月中には全て完了する予定である。

(委員)
・ 冬季工事となるので春先に融雪水が下流に流れる等、達古武湖に対する影響が懸念される。何か対策等を行っているのか。当該地域は釧路川の水源の一部になっており、水道水に影響がないのか確認したい。

(事務局)
・ 窒素とリンの濃度は栄養塩類を含んだ土壌を除去するので影響は小さいと考えている。土砂運搬等による濁度の影響はある程度発生するかもしれないが、達古武湖へ入る前のヨシ群落で土砂が付着するとともに、達古武湖で大部分の土砂が沈殿除去されるため、釧路川への影響は小さいと考えている。
・ 工事完了後、融雪水の影響について把握するため4月~5月の間にモニタリングを実施する。モニタリング結果については次の小委員会時に報告する。

議事3:広里地区自然再生について

 事務局より説明が行われた後、内容について協議が行われた。

◆ハンノキ林について
(委員)
・ 今年度の調査で11年目となる。近年10カ年の変化について解析中だが、ハンノキ林の成長はみられない。特に中心部の低木部は衰退傾向にある。今後、同様の傾向が進めば、20~30年後にはハンノキ林は無くなると思われる。
・ ハンノキ林の外側の樹木は高木で成長を続けている。周辺の土壌の養分を吸い尽くしたら成長が止まるではないかと思われる。

◆遮水壁について
(委員)
・ 遮水壁の置土撹拌工法の事例や実績について教えて欲しい。

(事務局)
・ 汚染土の封じ込め等で工法が用いられており、実績も多数ある。ただ、通常鉛直方向に10~30m位で用いられている。広里地区のように泥炭地で鉛直方向5m程度のさほど深くない深度での実績はあまりない。

(委員)
・ 遮水壁実施後のモニタリングを実施することとなっているが、どの程度のスケールで実施するのか。

(事務局)
・ 具体的なスケールはまだ決めていないが、長い期間のモニタリングが必要だと考えている。

(委員)
・ モニタリングの間隔は、最初は1年位、その後3年、5年とスパンを長くしていくのが普通である。

(委員)
・ 遮水壁設置による地下水位シミュレーションは、地盤高に準じて5mの遮水壁を入れた状態で計算を行ったのか。それとも、ある一定の高さまで遮水壁を入れてシミュレーションを実施しているのか。

(事務局)
・ 遮水壁設置による地下水位シミュレーションは、地盤高に準じて5mの遮水壁を入れた状態で計算している。

◆今後の方針について
(委員)
・ 陸域のモニタリング項目で地下水位・植物・タンチョウとあるがそれ以外の動物についてもモニタリングを行う予定があるのか。例えば、希少種であるキタサンショウウオの調査も行って欲しい。

(事務局)
・ タンチョウ中心でモニタリングを実施する予定である。現在モニタリング項目を検討中であるため参考にさせていただきたい。

(2)対応方針(案)
 今後の調査検討を進めていく上での基礎資料とするため、今後の対応が必要と考えられる課題及び発言概要を抽出し、その対応方針を以下に取りまとめた。
       
 表 第15回湿原再生小委員会の課題及び発言概要と今後の対応方針(案)
項目 発言概要 回答及び今後の対応方針(案)
幌呂地区湿原
再生について
・湿原再生実施箇所の地下水位と
1号支線排水路の水位の関係はど
のようになっているのか。
・1号支線排水路より湿原再生実施箇
所の地下水位のほうが高くなっている。
・再生実施箇所における暗渠の取り扱
いについては今後検討したい。
達古武湖自然
再生について
・ヒシ分布域制御の対策効果及び
今後の対策方法について教えてい
ただきたい。
・ヒシの分布域制御は、今後どの程度
の期間進めていくかはモニタリングの
結果により決定する。
・負荷が軽減されたことが認められる
のであれば分布域制御をやめても良い
と考える。これらの判断は順応的管理
や計画の見直し時に行う予定である。
・栄養塩類を含んだ土壌の除去実
施に伴う影響はどのようなものか。
・窒素及びリンの影響は小さくなると
考える。
・濁度についてはヨシ群落への付着や
達古武湖での沈殿除去により、釧路川
への影響は小さいと考える。
・工事完了後、融雪水の影響について
把握するため4月~5月の間にモニタリ
ングを実施する。モニタリング結果に
ついては次の小委員会時に報告する。 
広里地区自然
再生について
・遮水壁の置土撹拌工法の事例及
び実績について
・汚染土の封じ込め等で工法が用いら
れており、実績も多数ある。ただ、通
常鉛直方向に10~30m位で用いられ
ている。広里地区のように泥炭地で鉛
直方向5m程度のさほど深くない深度
での実績はあまりない。
・遮水壁実施後のモニタリングス
パン及び期間について
・具体的なスケールは未定だが、長期
間のモニタリングが必要だと考えてい
る。
・モニタリングのスパンは、最初は1
年位、その後3年、5年とスパンを長く
していく。
 

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