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第13回協議会 議事要旨

第13回(平成20年2月27日)

  • 釧路湿原自然再生協議会

第13回協議会 議事要旨

議事1 :第3期後期 釧路湿原自然再生協議会の運営について

 事務局から第3期後期協議会構成員の公募結果について報告が行われ、構成員相互で公募結果を確認した。

議事2 :第3期前期 収支報告

 事務局から協議会への寄付について報告が行われ、協議会として寄附を受けることが確認された。

議事3 :第12回協議会以降の小委員会開催概要

 事務局から第10回土砂流入小委員会、第7回水循環小委員会、第10回再生普及小委員会の開催状況について報告が行われた。
 その報告に続いて、各小委員会の委員長、あるいは委員長代理から、各小委員会の議論内容および挙げられた意見について報告が行われた。(委員長、委員長代理ともに欠席した小委員会は、事務局が代読した)

【第10回土砂流入小委員会開催報告】委員長(代読:事務局 吉村流域計画官)
 第10回土砂流入小委員会では「土砂流入対策〔久著呂川〕実施計画 湿原流入部土砂調整地」、「土砂流入対策(沈砂池等)に関連するモニタリング結果」について議論が行われ、次のような意見が挙げられた。

「平成19年度試験施工概要」についての主な意見

  • ポンプアップで導水すると、鉱物質の濁水しか入ってこない。流木等がケルミにひっかかるといった現象が期待できなくなる。
  • 自然堤防をある程度切り下げ、そこから実験水路に濁水を導く構造にしてはどうか。
  • 維持管理のことを考えると、計画自体に現実性が無いという意見もあったが、現実性を確認するためにも実験を行うということ。
  • 場所についても方法についても検討しながら実施してはどうか。
  • 「土砂流入対策(沈砂池等)に関連するモニタリング結果」についての主な意見•土砂流入対策の効果について議論するのであれば、対策前後の土砂量を示す必要がある。
  • 農地防災事業を実施して土砂流出が落ち着くまでの間の沈砂池の堆砂量が、湿原への土砂流入を抑制している効果であると考えられる。
  • 農地周辺にグリーンベルトを残すなど農業者の努力によって、農地からは想定したほど土砂が流出していないものと考えられる。
  • もう少し分かりやすい資料と説明が必要だと思う。

(会長)
委員、何か付け加えることがあればどうぞ。

(委員)
私が人工ケルミを提案したが、最初に考えていたより随分と色々なことが付随してきたように感じている。
実験を実施する方向で取り組みが始まっているが、実験と並行して、実際に現地で起こっている現象を調査してもらいたいと考えている。

【第7回水循環小委員会開催報告】井上委員長代理
 第7回水循環小委員会では、「水循環小委員会での検討の目的」、「第6回水循環小委員会資料【改訂版】について」、「地下水位シミュレーションの実施について」、「今後の調査・検討予定」について議論が行われ、次のような意見が挙げられた。

「水循環小委員会での検討の目的」についての主な意見
  • 「地下水位を推定する」のではなく、「地下水位の状況を推定する」とした方が良い。
  • これまでに当小委員会で得た色々な知見、知識を適用していくべき。
  • 1980年以前の地下水位データが無いため、シミュレーションという手法を採用して取り組んでいくという考えを明確にした方がよい。
  • 有限要素の解析だけにこだわるのではなく、違う方法も考慮し、検討を行って頂きたい。
  • モデル化する時には、観測値を十分に解析した上で、湿原の状態を十分に表し得るモデル化という事をねらって行っていく。

「第6回水循環小委員会資料【改訂版】」についての主な意見
  • 地下水位変動をグラフ化する際、冬期間の土壌の凍結状態を考慮した方が良い。
  • 観測地点数により解釈が左右される場合には、観測地点の配置計画についても検討した方が良い。
  • 地下水位が大きな焦点となっているが、自然再生の目標は1980年以前の湿原の環境や景観を少しでも実現していくことである。表現についても注意していく必要がある。

「地下水位シミュレーションの実施」についての主な意見
  • まずは試験的に小さい範囲で綿密にチェックできるところから行っていくのが妥当だと思う。
  • 湿原の地下水位を推定するためのモデルについては、色々な方法を吟味した方が良い。
  • 釧路湿原の下流部には感潮域があるので、感潮域の特徴を考慮することができるモデルが必要ではないか。
  • 苫小牧地方の勇払原野ではうまく適合したモデルが、釧路湿原では適用することが出来なかった。モデルの吟味を行う際は気を付けるべきである。
  • モデルの細部まで小委員会で議論を行うのは効率が悪いので、ワーキングをつくって議論を行い、その結果を小委員会に戻すようにした方が良いという意見があり、ワーキングをつくることになった。

(会長)
1980年以前の水位データが無いという説明であったが、水位データはいつ頃から観測されているのか教えて頂きたい。

(委員)
恐らく、1985年以降に断片的に観測されていると思う。

【第10回再生普及小委員会開催報告】高橋委員長
 第10回再生普及小委員会では、「再生普及行動計画ワーキンググループ経過報告」、「環境教育ワーキンググループ経過報告」、「その他」について議論が行われ、次のような意見が挙げられた。

「再生普及行動計画ワーキンググループ経過報告」についての主な意見
  • ワンダグリンダ・プロジェクトへ参加するメリットが多いほど、参加者の広がりが出てくるのではないか。
  • 新聞やポスターなどで宣伝していることもあり、釧路湿原と私たちの生活が、いろいろな形で繋がり、広まりつつあるのではないか。

「環境教育ワーキンググループ経過報告」についての主な意見
  • 学校に対して、環境教育に係る教材やプログラムの提供を考えていく必要がある。
  • 本ワーキンググループでは、具体的なサポートや支援方法等を考えていけるのではないか。
「その他」について
  • 釧路湿原自然再生協議会で作成したパネルの内容およびパネル貸出しの問合せ先等についての紹介を行った。

(会長)
今年(2008年)の10月28日から韓国でラムサール条約締約国会議が開催される。
釧路湿原における自然再生の取り組みについては、前々回のラムサール条約締約国会議からパネルを展示して PR を兼ねた報告を行っている。
第10回再生普及小委員会の開催報告の中で説明があったパネルも、次回のラムサール条約締約国会議で展示してはどうか。ただし、文章は英文にする必要がある。

(委員)
少し検討したい。

(会長)
会議は10月28日からで、まだ十分時間がある。それに間に合えば良いので、是非委員会で検討して頂きたい。

(委員)
打って出ることを前向きに検討したい。

議事4 :地域意見交換会の開催概要

 事務局から平成19年度に開催した地域意見交換会の開催状況について報告が行われた。

【久著呂川河道安定化対策についての地域意見交換会の開催報告】事務局
  • 開催日時:平成19年6月22日(金曜日)13:30~15:00
  • 開催場所:中久著呂農村環境改良センター
  • 参加者:地域住民
  • 実施者:釧路土木現業所、釧路開発建設部
  • 内容:
1) 久著呂川中流部の河道安定化対策
2) 湿原流入部土砂調整地 

「久著呂川河道安定化対策についての地域意見交換会」での主な意見
  • 設計通りに工事はすすめて頂きたいし、住民の声も聞きながら工事して欲しい。
  • 川だけは人間が設計しても望んでいるようにならない。自然に逆らってはだめである。
  • とにかく久著呂川をいい川にしてもらいたい。

【久著呂川湿原流入部における土砂調整地についての地域意見交換会の開催報告】事務局
  • 開催日時:平成19年12月4日(火曜日)13:30~15:00
  • 開催場所:下久著呂コミュニティセンター
  • 参加者:地域住民
  • 実施者:釧路開発建設部
  • 内容:
1) 釧路湿原自然再生協議会の現況
2) 土砂流入対策〔久著呂川〕実施計画
3) 湿原流入部土砂調整地 

「久著呂川湿原流入部における土砂調整地についての地域意見交換会」での主な意見
  • 農地への影響(河川の水位上昇や土砂堆積)がないよう配慮して工事を進めてほしい。
  • これだけの試験をやるのだから、実施して次の対策に活かしてほしい。
  • 共存共栄と言っているのだから、共存のための方法を考えてくれなくては困る。

議事5 :平成19年度協議会(事務局)の取り組みについて

 事務局から平成19年度に開催した報道関係者現地説明会および第2回釧路湿原シンポジウムの開催状況について報告が行われ、今後の取り組みについて議論が行われた。

(会長)
協議会あるいは協議会事務局では、自然再生事業について皆さんに理解していただくための取り組みを色々行っている。マスコミ説明会もその取り組みの一つである。
また昨日、第2回自然再生シンポジウムを開催した。それら取り組みについて事務局から報告して頂いた後に、これまでの経緯を踏まえた次年度以降の取り組みについてご意見を伺いたい。

【第1回報道関係者現地説明会の開催報告】事務局
  • 開催日:平成19年 7月31日(火曜日)
  • 参加者:報道機関 8社11名の記者が参加
  • 協議会からは辻井会長、旧川復元小委員会の神田委員長、森林再生小委員会の金子委員長代理が参加
  • 視察箇所:
1) 達古武地域 自然再生実施箇所
2) 雷別地区 自然再生実施箇所
3) 南標茶地域 土砂流入対策実施箇所
4) 茅沼地区 旧川復元実施箇所 

「第1回報道関係者現地説明会」の内容
  • 辻井会長から、湿原の特徴、現状と課題、対策の意義等をお話いただいた。
  • 参加者からのインタビューに対し、辻井会長から「本格的な取り組みは始まったばかり。今後、一般の方々にも知ってもらうような取り組みが重要である。」というコメントがあった。
【第2回報道関係者現地説明会の開催報告】事務局
  • 開催日:平成19年10月31日(水曜日)
  • 参加者:報道機関 5社 5名の記者が参加。協議会からは辻井会長、土砂流入小委員会の清水委員長が参加
  • 視察箇所:
1) 幌呂地域 湿原再生検討箇所
2) 雪裡・幌呂地域 土砂流入対策実施計画箇所
3) 久著呂川 中久著呂地域 河道安定化対策実施箇所
4) 久著呂川 湿原流入部土砂調整地実施計画箇所 

「第2回報道関係者現地説明会」の内容
  • 辻井会長、清水委員長から、専門的立場で湿原の大切さ、湿原の現状と課題、対策の意義などをお話いただいた。
  • 辻井会長から「本来湿原は 100年、1000年単位の長い時間をかけて変化していくものだが、今の釧路湿原の変化の早さは人為的な要因があるとは言え異常な早さで変化している。」と現状をお話いただいた。
【第2回釧路湿原自然再生シンポジウムの開催報告】事務局
  • 開催日時:平成20年 2月26日(火曜日)
  • 参加者:約200名の一般の方
  • 基調講演:
『直線から曲線への転換:自然再生の意義』月尾 嘉男 氏(釧路湿原塾長)
『持続可能な土地利用と自然再生』関 健志 氏(財団法人日本生態系協会事務局長)
『釧路湿原の保全・復元の歴史』新庄 久志 氏 (釧路市ウェットランドセンター主幹)
 
  • パネルセッション:釧路湿原自然再生協議会ほか
  • パネルディスカッション:辻井会長、基調講演者3名

(会長)
平成20年度にどのようなことを行えば良いか、また、どのような方法が良いか、是非ご意見、アイディアを出して頂きたい。

(委員)
地域住民との意見交換会やマスコミ現地説明会について報告が行われたが、一般市民に対する現地説明会を行ってはどうか。応募多数の場合は、抽選にするという方法もある。
私もこの冬に何回か現地へ行ったが、現地へ行ってみると、このような場で説明を聞くのとはイメージが違う。関心のある方に現地を見て頂くということは、非常に大事なことだと思う。
今年のラムサール条約締約国会議の際に、諸外国の方を招いて釧路湿原の自然再生を検証してもらう機会を設けてはどうか。
ラムサール条約には、湿地再生の原則、ガイドラインがある。その国際基準に則って、釧路湿原の自然再生を見て頂くということは、我々にとって貴重な経験になるのではないか。

(会長)
一般市民を対象とした現地説明会は、比較的簡単に開催することが可能だと思う。多くの応募があった場合、大変でも来て頂いた方が良い。
ラムサール条約締約国会議の際に呼びかけを行うことは可能だが、招待する場合は旅費などお金の問題が出てくる。どのように行うことができるか、研究する必要がある。

(委員)
例えば、知床の世界遺産で、専門委員の方が2、3名いらっしゃった。あのようなかたちで行えば、それほど多くの費用はかからないと思う。是非行って頂くよう、お願いしたい。

(会長)
誰を呼べば効果的か、あるいは、誰に呼びかけるか考える必要がある。

(委員)
ラムサール条約の事務局に選定して頂いてはいかがか。

(会長)
検討してみようではありませんか。

(会長)
私から提案を申し上げたい。自然再生の取り組みについて、一般市民へのPRの場が無い。北斗に環境省のワイルドライフセンターがあり、そこには展示施設がある。2階にはすでにパネルが設置されているが、リアルタイムな説明が無い状況である。
各小委員会での議論や取り組みの内容、事業の実施状況など、ワイルドライフセンターで展示することができると思う。そこを市民や観光客などに公開してはどうか。
ただし、ワイルドライフセンターの都合もあると思うので、スペースをどのように使うことができるのか環境省自然保護事務所に考えて頂きたい。その次の段階では、展示するものを誰がどのように準備するのかといったことを考える必要がある。
会議の後にアイディアを思いついた場合は、事務局へ連絡をしていただきたい。

議事6 :最近の自然再生に関する動向

 事務局から自然再生推進法の見直し状況、全国の自然再生の取り組みおよび再生普及の取り組み状況について報告が行われた。

【自然再生推進法の見直し状況について】事務局
  • 政府は、この法律の施行後 5年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることになっている。
  • 法律の中で、自然再生基本方針は、自然再生事業の進捗状況等を踏まえ、おおむね 5年ごとに見直しを行うことになっている。
  • 法施行状況の把握および必要な措置の抽出の方法として、協議会へのアンケートおよび聞き取り調査を行った。
  • 法改正・基本方針の見直しは、検討結果のとりまとめ、法改正の要否判断、必要な措置案への対応方針の検討、基本方針の見直し検討という手順で行われる。
【全国の自然再生の取り組みについて】事務局
  • 自然再生協議会情報連絡会議(東日本)が平成19年11月14~15日に宮城県仙台市で行われた。
  • 自然再生の取組の全国動向は次のとおりである。
    • 自然再生協議会が19箇所で組織化
    • 自然再生全体構想が16協議会で作成
    • 14の自然再生実施計画が 8協議会で作成
    • 自然再生協議会構成員数は全国合計で 1161 名
  • 東日本の10協議会から取組状況報告が行われ、その後の意見交換において次の質問および意見が挙げられた。
    • 地域住民等への普及啓発の事例
    • 行政以外の構成員の役割や取組
    • 自然再生活動に資する活動費
    • 技術的検討や課題
    • 事業評価
    • 自然再生事業と他の事業や他の権益等との調整
    • 自然再生活動の推進に向けた取組
    • 自然再生の推進に当たっての必要な措置(技術的支援、財政支援、事業推進の措置)
【再生普及の取り組み状況について】事務局
  • 再生普及小委員会には、再生普及行動計画ワーキンググループ(WG)、環境教育 WG などがあり、取り組みを行っている。
  • 実施計画にあたる「釧路湿原自然再生普及行動計画」には10の項目があり、各項目について具体的な取り組みが行われている。
  • ワンダグリンダ・プロジェクトでは、釧路湿原に関わる取り組みを募集し、とりまとめて発信している。
  • ワンダグリンダ・プロジェクトは、「できる者が、できることから」をテーマとして取り組みを進めており、参加する個人・団体は増加している。
  • 釧路駅、大型ショッピングセンター、ビジターセンターで知名度調査を実施したところ、釧路湿原自然再生事業を聞いたことがある人は全体の38%、ワンダグリンダ・プロジェクトを聞いたことがある人は全体の12%であった。
  • ワンダグリンダ・プロジェクトの取り組みを普及するため、報告書の作成と配布、ホームページへの掲載、メールニュースの配信等を行っている。
  • 自然再生の取り組みを普及するためのパネルを作成し、いつでも貸出できるようにした。また、パネルのデータをホームページからダウンロードできるようにした。
  • 環境教育の推進方策検討のため、学校における環境教育の実施状況を把握することを目的に、アンケート調査を実施した。この結果、全体の77%の学校で環境教育を実施し、その約30%が釧路湿原を題材としていることが分かった。
  • 釧路湿原を題材とした教育の実施状況に関する調査報告書をとりまとめた。今後、専門家の指導を仰ぎ、現場の教師の方が利用しやすい資料としてとりまとめたいと考えている。

(委員)
自然再生推進法の見直しについて、中央で議論されているようであるが、どのようなスケジュールで見直しの議論が行われているのか詳しく教えてもらいたい。

(事務局)
聞き取り調査、アンケート調査、文献等のとりまとめ作業を行っているところだと聞いている。
自然再生推進法について、どのような見直しが必要か、また、必要な措置の検討などはこれから作業を行うと聞いている。
詳細なスケジュールは把握していない。

(委員)
自然再生推進法に基づく協議会の設置はこの釧路湿原自然再生協議会が最初であったが、これまで行ってきて、市民参加について致命的な欠陥があると考えている。
このため、法律の見直しにあたって意見を反映させていきたいと考えている。この協議会でそのような議論を行う場がないので、どこに、どのように意見を反映させていけば良いのか教えてもらいたい。

(事務局)
先日アンケートを配布した。アンケートの回答として提出して頂ければ、作業に反映される。
今のご意見については、東京で作業している者に伝えたい。

(会長)
他にご質問、ご意見が無いようであれば、これで議事を終了したいと思う。

その他

 事務局から、第4回湿原再生小委員会、第10回旧川復元小委員会の予定について説明が行われた。

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