第18回旧川復元小委員会 議事要旨
第18回(平成28年2月9日)
第18回旧川復元小委員会 議事要旨
会議の冒頭、事務局から第17回湿原再生旧川復元小委員会の発言概要と今後の検討方針(案)について説明を行った。
議事1:平成27年度茅沼地区旧川復元モニタリング調査結果について
事務局から今年度行われた茅沼地区旧川復元モニタリング調査結果について説明を行い、調査結果内容等について協議が行われた。
(委員)
湿原中心部への土砂流入が軽減した理由は単純に流量の4割位が上流で溢れたことにより土砂が堆積し、下流への流入が軽減したのか、それともなんらかの影響により濁水の濃度が変化したことで下流への土砂流入が軽減したのか。理由がわかれば教えて欲しい。
(事務局)
対象とした出水時の五十石地点(上流)と茅沼地点(下流)の浮遊砂量の差分を旧川復元の効果として算出している。
(委員)
観測地点では浮遊砂の濃度を確認していると思う。濃度に流量を乗じると土砂量が算出していると思うが五十石地点と茅沼地点での土砂量と流量の関係はどうなっているのか。
(事務局)
はん濫により流量は低減している。土砂が軽減している主な理由としては流量が低減していることが考える。また、流量と濁度の関係式の勾配が上流と下流で異なっていることも影響していると考える。
(委員)
蛇行復元することにより上流ではん濫が発生し土砂を堆積させるので下流へ流出する土砂量が減っているという理解で良いか。
(事務局)
そのように考えている。
(委員)
モニタリング調査結果において土砂堆積厚という表現があるが、これだとトラップを設置した箇所で観測された厚さ分が堆積したように思える。実際はその地点を通過した土砂量を観測しているものであることから上流と下流の差分を見るものである。今後、表現方法に注意して頂きたい。
(委員)
過去のモニタリングでは茅沼地点ではなくその下流の二本松地点で効果量を算出していた記憶がある。資料には五十石と茅沼地点の関係式しか記載がないが他の地点では状況についてわかれば教えてほしい。
(事務局)
二本松地点でも観測は実施している。観測結果は観測地点右岸からコッタロ川が合流しているため、茅沼地点より土砂量は多くなっている。
(委員長)
下流の観測地点だと支川による影響が出てくる。旧川復元の影響だけを見るため資料に記載されている2 地点で結果を出している。
(委員)
湿原中心部への土砂流入が軽減した理由は単純に流量の4割位が上流で溢れたことにより土砂が堆積し、下流への流入が軽減したのか、それともなんらかの影響により濁水の濃度が変化したことで下流への土砂流入が軽減したのか。理由がわかれば教えて欲しい。
(事務局)
対象とした出水時の五十石地点(上流)と茅沼地点(下流)の浮遊砂量の差分を旧川復元の効果として算出している。
(委員)
観測地点では浮遊砂の濃度を確認していると思う。濃度に流量を乗じると土砂量が算出していると思うが五十石地点と茅沼地点での土砂量と流量の関係はどうなっているのか。
(事務局)
はん濫により流量は低減している。土砂が軽減している主な理由としては流量が低減していることが考える。また、流量と濁度の関係式の勾配が上流と下流で異なっていることも影響していると考える。
(委員)
蛇行復元することにより上流ではん濫が発生し土砂を堆積させるので下流へ流出する土砂量が減っているという理解で良いか。
(事務局)
そのように考えている。
(委員)
モニタリング調査結果において土砂堆積厚という表現があるが、これだとトラップを設置した箇所で観測された厚さ分が堆積したように思える。実際はその地点を通過した土砂量を観測しているものであることから上流と下流の差分を見るものである。今後、表現方法に注意して頂きたい。
(委員)
過去のモニタリングでは茅沼地点ではなくその下流の二本松地点で効果量を算出していた記憶がある。資料には五十石と茅沼地点の関係式しか記載がないが他の地点では状況についてわかれば教えてほしい。
(事務局)
二本松地点でも観測は実施している。観測結果は観測地点右岸からコッタロ川が合流しているため、茅沼地点より土砂量は多くなっている。
(委員長)
下流の観測地点だと支川による影響が出てくる。旧川復元の影響だけを見るため資料に記載されている2 地点で結果を出している。
議事2:ヌマオロ川における調査検討結果について
事務局から説明を行い、平成27年度環境調査内容及び、旧川復元河道設定の考え方、旧川復元後の想定される氾濫状況等について協議が行われた。
(委員)
鳥類調査で営巣地の確認は行われているのか。もし、確認されているのなら配慮が必要と考える。
(事務局)
今回の鳥類調査は6月、7月、8月の3月間で実施しているが営巣地は確認できていない。ただし、タンチョウのつがいが周辺にいるのは確かなので来年度以降、営巣調査の必要性も含め検討を進めていく予定である。
(委員)
地域住民に対する説明状況を教えてほしい。また、説明時に住民から意見があったらその内容についても教えて頂きたい。
(事務局)
前回の小委員会でも同様の指摘を受けている。昨年の6月に役場の方も交えてヌマオロ川流域の住民に対して平成26年度までの検討内容について報告を行った。今日の小委員会の内容や今年度の検討内容については4月以降、改めて説明を行う予定である。
地域住民へ報告を行った際、住民の方から過去から現状のヌマオロ川に関して説明を頂いたりしているが、旧川復元に関する意見は特に無かった。
(委員)
今後も地域の方と密に連絡を取って頂きたい。
(委員)
土砂軽減効果の予測において既往最大規模の流量では約4割の流出抑制があると記載があるが平均年最大流量程度の流量の場合、土砂軽減効果はどの程度あると予測しているのか。
(事務局)
今回の計算では既往最大規模程度における結果を示しているがこの結果だけで全てを流量規模での効果を述べることはできないと考えている。今後は平均年最大流量規等、他の流量規模での土砂流出抑制効果量の検討を進めていきたい。
(委員)
河道の安定計算の結果、一部洗掘がみられるが将来的にも大きな変化が無いと整理している。現在の横断図と明渠排水事業実施直後の横断図を比べると1m以上堆積が発生している。旧川復元に伴い河道は蛇行するので河床の勾配は緩やかになるとともにはん濫が発生することで土砂を流す力は現在よりも弱くなるのに河道が安定する理由はなんなのか。モデルの再現性を確認するべきだと思う。
(事務局)
モデルの再現性は現時点で確認していないので今後、検討のなかで確認が必要かと考える。明渠排水事業で掘削した残土は直線河道の両岸に置土されており、堤防のようになっている。このため大きな出水が発生してもはん濫が発生せず河道内を通過しており、40年という時間のなかで現在の姿になったと考える。
旧川の河道は明渠排水事業で拡幅する前の断面であることから河道は安定していると考えている。安定した河道を直線化して川幅を広げたことで河道内に土砂が堆積したというメカニズムであると推定した。次に旧川に戻した場合、過去のように安定するのか不明だったためシミュレーションを実施した。河道が変化する要素として2パターン考えられる。1つは堤防が溢れるような大きな出水の場合、2つ目は長期間ある一定の流量が流れた場合であり、河道の安定計算ではある一定流量が長期間流下した場合(平均年最大流量規模の出水が30回発生した場合)の予測を実施している。
次回の小委員会までに委員の意見を踏まえ、精度を上げていこうと考える。
(委員)
旧川の接続部分だが、交差部B及び交差部Cの箇所の掘削深さをもっと深くする検討をしてみてはどうか。
(事務局)
ご意見を踏まえ、検討していきたいと思う。
(委員)
過去の安定した河道というのは旧川復元箇所だけでなくその上流も蛇行していた河道の時だと思う。今回一部の区間で旧川復元を実施してもその上流が直線河道の場合、河道はどの様に変化していくのか教えてほしい。
(委員)
現時点でその判断をするのは難しいと思う。茅沼地区と同様な効果が得られるのか等、モニタリングをしながら確認する必要があると思う。
(事務局)
今回のシミュレーションは上流からの流量や土砂供給量等、条件をある程度仮定で整理している。当然条件が変わればシミュレーションの結果も異なるが現時点での条件で計算を実施した場合では、大きな変化はなかったという判断である。
事業実施後はモニタリングを実施し、適宜対応していきたいと考えている。
(委員長)
導流部で洗掘が将来も継続して発生すると問題だと考えていたが、途中から堆積する結果となっていて安心した。
(委員)
河道に堆積しないのは低量からはん濫が発生し、土砂が右岸のほうで堆積するためでないかと思う。今後、右岸のほうにどのくらいの流量が流れるのかもしくはどのくらいの土砂が堆積するのか植物から判断してみてはどうだろうか。
はん濫して冠水することでハンノキが立枯れしたり植生が変化したりすると思われる。
土砂の堆積量やはん濫時期の変化等についてモニタリングをしながら事業を実施するのが良い。
(委員)
旧川の将来予測の結果であまり堆積が生じていないのは、旧川復元により今まで以上にはん濫頻度が増加しているためだと思う。現在の直線河道は旧川に比べ、はん濫がしづらかったため堆積が生じていたのではないか。
(委員)
旧川復元箇所と上流の沼幌橋の間にある落差工が現在堆積して埋まっている。予測結果が洗掘であるなら洗掘の状態が上流まで及ぶ可能性があるのではないか。
(委員)
河床低下が上流に伝わる可能性が全くないわけではない。ただ、伝わるのが直ぐに発生するのか、10年・20年と長期経過後に伝わるのかは事業を実
施してみないとわからないと思う。
(委員)
将来、上流で河床低下が進行するのであれば、落差工等の対策をその時に考えるのか。河床低下が発生して困るのは、上流の住民だと思う。
(委員長)
シミュレーション結果で10年、30年後に上流が洗掘する傾向は見られることからモニタリングを継続して実施していくのが望ましいと考える。個人的には上流はそんなに影響を受けないと思うが、気候変動等で大きな出水があればその限りではない。
(委員)
この事業で発生する残土処理はどのように考えているのか。
(事務局)
残土は、残土量を把握できた段階であり、その残土をどのように処理するのかは今後検討を進めていく。
第18回旧川復元小委員会の発言概要
今後の調査検討を進めていく上での基礎資料とするため、今後の対応が必要と考えられる課題及び発言概要を抽出した。
表 第18回旧川復元小委員会の発言概要
(委員)
鳥類調査で営巣地の確認は行われているのか。もし、確認されているのなら配慮が必要と考える。
(事務局)
今回の鳥類調査は6月、7月、8月の3月間で実施しているが営巣地は確認できていない。ただし、タンチョウのつがいが周辺にいるのは確かなので来年度以降、営巣調査の必要性も含め検討を進めていく予定である。
(委員)
地域住民に対する説明状況を教えてほしい。また、説明時に住民から意見があったらその内容についても教えて頂きたい。
(事務局)
前回の小委員会でも同様の指摘を受けている。昨年の6月に役場の方も交えてヌマオロ川流域の住民に対して平成26年度までの検討内容について報告を行った。今日の小委員会の内容や今年度の検討内容については4月以降、改めて説明を行う予定である。
地域住民へ報告を行った際、住民の方から過去から現状のヌマオロ川に関して説明を頂いたりしているが、旧川復元に関する意見は特に無かった。
(委員)
今後も地域の方と密に連絡を取って頂きたい。
(委員)
土砂軽減効果の予測において既往最大規模の流量では約4割の流出抑制があると記載があるが平均年最大流量程度の流量の場合、土砂軽減効果はどの程度あると予測しているのか。
(事務局)
今回の計算では既往最大規模程度における結果を示しているがこの結果だけで全てを流量規模での効果を述べることはできないと考えている。今後は平均年最大流量規等、他の流量規模での土砂流出抑制効果量の検討を進めていきたい。
(委員)
河道の安定計算の結果、一部洗掘がみられるが将来的にも大きな変化が無いと整理している。現在の横断図と明渠排水事業実施直後の横断図を比べると1m以上堆積が発生している。旧川復元に伴い河道は蛇行するので河床の勾配は緩やかになるとともにはん濫が発生することで土砂を流す力は現在よりも弱くなるのに河道が安定する理由はなんなのか。モデルの再現性を確認するべきだと思う。
(事務局)
モデルの再現性は現時点で確認していないので今後、検討のなかで確認が必要かと考える。明渠排水事業で掘削した残土は直線河道の両岸に置土されており、堤防のようになっている。このため大きな出水が発生してもはん濫が発生せず河道内を通過しており、40年という時間のなかで現在の姿になったと考える。
旧川の河道は明渠排水事業で拡幅する前の断面であることから河道は安定していると考えている。安定した河道を直線化して川幅を広げたことで河道内に土砂が堆積したというメカニズムであると推定した。次に旧川に戻した場合、過去のように安定するのか不明だったためシミュレーションを実施した。河道が変化する要素として2パターン考えられる。1つは堤防が溢れるような大きな出水の場合、2つ目は長期間ある一定の流量が流れた場合であり、河道の安定計算ではある一定流量が長期間流下した場合(平均年最大流量規模の出水が30回発生した場合)の予測を実施している。
次回の小委員会までに委員の意見を踏まえ、精度を上げていこうと考える。
(委員)
旧川の接続部分だが、交差部B及び交差部Cの箇所の掘削深さをもっと深くする検討をしてみてはどうか。
(事務局)
ご意見を踏まえ、検討していきたいと思う。
(委員)
過去の安定した河道というのは旧川復元箇所だけでなくその上流も蛇行していた河道の時だと思う。今回一部の区間で旧川復元を実施してもその上流が直線河道の場合、河道はどの様に変化していくのか教えてほしい。
(委員)
現時点でその判断をするのは難しいと思う。茅沼地区と同様な効果が得られるのか等、モニタリングをしながら確認する必要があると思う。
(事務局)
今回のシミュレーションは上流からの流量や土砂供給量等、条件をある程度仮定で整理している。当然条件が変わればシミュレーションの結果も異なるが現時点での条件で計算を実施した場合では、大きな変化はなかったという判断である。
事業実施後はモニタリングを実施し、適宜対応していきたいと考えている。
(委員長)
導流部で洗掘が将来も継続して発生すると問題だと考えていたが、途中から堆積する結果となっていて安心した。
(委員)
河道に堆積しないのは低量からはん濫が発生し、土砂が右岸のほうで堆積するためでないかと思う。今後、右岸のほうにどのくらいの流量が流れるのかもしくはどのくらいの土砂が堆積するのか植物から判断してみてはどうだろうか。
はん濫して冠水することでハンノキが立枯れしたり植生が変化したりすると思われる。
土砂の堆積量やはん濫時期の変化等についてモニタリングをしながら事業を実施するのが良い。
(委員)
旧川の将来予測の結果であまり堆積が生じていないのは、旧川復元により今まで以上にはん濫頻度が増加しているためだと思う。現在の直線河道は旧川に比べ、はん濫がしづらかったため堆積が生じていたのではないか。
(委員)
旧川復元箇所と上流の沼幌橋の間にある落差工が現在堆積して埋まっている。予測結果が洗掘であるなら洗掘の状態が上流まで及ぶ可能性があるのではないか。
(委員)
河床低下が上流に伝わる可能性が全くないわけではない。ただ、伝わるのが直ぐに発生するのか、10年・20年と長期経過後に伝わるのかは事業を実
施してみないとわからないと思う。
(委員)
将来、上流で河床低下が進行するのであれば、落差工等の対策をその時に考えるのか。河床低下が発生して困るのは、上流の住民だと思う。
(委員長)
シミュレーション結果で10年、30年後に上流が洗掘する傾向は見られることからモニタリングを継続して実施していくのが望ましいと考える。個人的には上流はそんなに影響を受けないと思うが、気候変動等で大きな出水があればその限りではない。
(委員)
この事業で発生する残土処理はどのように考えているのか。
(事務局)
残土は、残土量を把握できた段階であり、その残土をどのように処理するのかは今後検討を進めていく。
第18回旧川復元小委員会の発言概要
今後の調査検討を進めていく上での基礎資料とするため、今後の対応が必要と考えられる課題及び発言概要を抽出した。
表 第18回旧川復元小委員会の発言概要
項目 | 発言概要 | 回答及び今後の対応方針(案) |
平成27年度茅沼地区旧川復元 モニタリング調査結果について |
濃度に流量を乗じると土砂量が 算出していると思うが五十石地 点と茅沼地点での土砂量と流量 の関係はどうなっているのか。 |
はん濫により流量は低減してい る。土砂が軽減している主な理 由としては流量が低減している ことが考える。また、流量と濁 度の関係式の勾配が上流と下流 で異なっていることも影響して いると考える。 |
下流の二本松観測地点の流量と 濁度の関係はどのようになって いるのか。 |
二本松地点でも観測は実施して いる。観測結果は観測地点右岸 からコッタロ川が合流している ため、茅沼地点より土砂量は多 くなっている。 |
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ヌマオロ川における調査 検討結果について |
鳥類調査で営巣地の確認は行わ れているのか。もし、確認され ているのなら配慮が必要と考え る。 |
今回の鳥類調査は6月、7月、 8月の3月間で実施しているが 営巣地は確認できていない。た だし、タンチョウのつがいが周 辺にいるのは確かなので来年度 以降、営巣調査の必要性も含め 検討を進めていく予定である。 |
土砂軽減効果の予測において既 往最大規模の流量では約4割の 流出抑制があると記載があるが 平均年最大流量程度の流量の場 合、土砂軽減効果はどの程度あ ると予測しているのか。 |
今回の計算では既往最大規模程 度における結果を示しているが この結果だけで全てを流量規模 での効果を述べることはできな いと考えている。今後は平均年 最大流量規等、他の流量規模で の土砂流出抑制効果量の検討を 進めていきたい。 |
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河道の安定性の検討においてモ デルの再現性を確認するべき。 |
次回の小委員会までに委員の意 見を踏まえ、精度を上げていこ うと考える。 |
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旧川の接続部分だが、交差部B 及び交差部Cの箇所の掘削深さ をもっと深くする検討をしてみ てはどうか。 |
ご意見を踏まえ、検討していき たいと思う。 |
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事業で発生する残土処理はどの ように考えているのか。 |
残土は、残土量を把握できた段 階であり、その残土をどのよう に処理するのかは今後検討を進 めていく。 |