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第19回旧川復元小委員会 議事要旨

第19回(平成28年10月19日)

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第19回旧川復元小委員会 議事要旨

 会議の冒頭、事務局から第18回湿原再生旧川復元小委員会の発言概要と今後の検討方針(案)について説明を行った。

議事1:ヌマオロ地区における調査結果について

 事務局からヌマオロ地区での旧川復元による効果予測結果の説明を行い、内容等について、協議が行われた。

○旧川復元による効果の予測検討結果について
(委員)
旧川復元区間の土砂堆積の変化、水位の変化、冠水日数については明解でこれで良いと思うが、リファレンスサイト変化についても予測を行ったほうが良いのではないか。
蛇行復元により、蛇行のところで土砂がトラップされるようになるので、下流の土砂堆積量は少なくなる。下流についても予測言及をした方が、プロジェクトの目標がより明確になると思う。

(事務局)
検討したいが、旧川復元区間より下流ではあまりデータを測っていない。何ができるか、少し考えて整理をさせて頂きたい。

(委員)
旧川復元区間より下流では蛇行を戻した後にどういう効果があるかモニタリングでチェックすると記載して頂ければと思う。

(事務局)
ご指摘の通り、考えていきたい。

(委員)
植生の変化予測について、ハンノキ林からヨシ群落に変わるタイムスパンはどう考えているのか。

(事務局)
ハンノキ林が更新されないのを待つのみであるので、少なくとも数年という単位ではなく、10年20年という単位となり、それを超えるスパンになると考えている。

(委員)
今年の台風ではヌマオロ川はどうだったのか。上流部では何センチ水位が上がっていたか。

(事務局)
沼幌橋で観測しているデータでは、8月21日に速報値で流量81.89m3/sであった。H25年9月出水が既往最大で、H25年9月出水より大きい値ではなかったことを確認している。

(委員)
ヌマオロ川では台風の前と後で、どれくらい水位が上がっているのか。

(事務局)
概略ではあるが、ピーク時で通常時と比べると水位にして2mくらい上がった。

(委員)
なぜ質問したかというと、私達のところでは、今でも水位が7~8センチメートル上がっている。上流部で人が生活しているので、北見などで起きたような水害も起こる可能性が大である。水害を考えないと、湿原だけを大事にするのか、人間を大事にするのかということになると思う。

(事務局)
質問の主旨は、「直線部分を蛇行させることによって、旧川復元区間上流の水位が上がるのではないか」だと思うが、その点ついては、前回、前々回の小委員会の中で、旧川復元区間の周りで水が溢れるため、上流側は水位が上がらないと報告している。計算上で確かめており、今回の出水で現地と計算を照らし合わせて、その計算が正しいのか確認させて頂くが、今までの検討経緯で、上流の水位が上がり迷惑を掛けることはないと判断している。

(委員長)
大洪水があったときに、どうやって上流の人家などを守るか、治水に対しては別に対策が必要であると思う。

(委員)
下流で起きた直線化した河川から蛇行河川になる下流に土砂が溜まるという事と同じ事が新たな上流接続点で起きると思うが。

(委員)
旧川復元区間を一種の緩衝帯としての機能を期待している。旧川復元によって湿原内部への土砂の堆積や植生の変化を制御できるのではないか、そういうプロジェクトなのではないかと理解している。

(委員)
蛇行の部分が上流側へ移る。その対策を講じておかなければならない

(委員)
私達は現地を歩いているが、カーブのところで砂が堆積して今でも河床が上がっている、旧川復元区間上流の建物への影響をもう少し検討する必要があると思う。

(事務局)
これらの指摘については、直線化したところを蛇行化することによって、上流で土砂が溜まり、水位が上るのではないかという事だと思うが、これについては検討して上流には影響ないと考えている。どこに土砂が溜まるかは、資料の図でわかるが、現状だと下流寄りには多く堆積し、上流寄りにはそれほど堆積してないが、蛇行化させると、上流から下流までまんべんなく溜まることが分かる。既に検討済みで、今までの委員会の中で説明させて頂いている。

(委員)
この上流の方に沈砂池を設けた方が、土砂を制御できるのではないか。

(委員)
検討図の外側は国が管理する土地ではない。今回この旧川復元小委員会で議論するのは旧川復元である。そもそもの目的が旧川復元であり、土砂を止めるためではなく、土砂は副次的効果であった。

(委員長)
旧川復元の副次的な効果として土砂軽減という事だと思う。土砂だけを追うのであれば、沈砂池や色々なものがあるが、旧川復元委員会は、土砂だけを議論する場ではないと思う。
検討区間の外側は北海道の管理となるので、必要となれば北海道と協議してということになる。今のところは、国土交通省の範囲内で旧川復元ということだが、上流にという事になれば、また違う議論が必要になってくると思う。

(委員)
今回8月21日の洪水後、この地域ではどのくらいの量の土砂がたまったのか。

(事務局)
写真撮影などで痕跡を確認しているが、量的なところは確認していない。今回ヌマオロ川では80 m3/s程度の出水で、現河道から周りに水が溢れた痕跡を確認している。

(委員)
別の土砂流入小委員会で、久著呂川で沈砂池や遊砂地を造っているので、沈砂池を案として否定するものではないが、恐らく過去の小委員会で上流の沈砂池や下流の蛇行復元などを検討した結果、ここでは蛇行復元が良いと話し合ったのが前提だったのかも知れない。しかし、これまでに色々やってきたので、この辺りでもう一度、縦割りではなく各小委員会から出た案を、この小委員会の上の委員会で見直す必要があるのではないか。

(委員)
これまでの委員会でシミュレーションして、心配している農地のところには影響がいかないということが、データで明らかになったが、我々の想定外の降雨があった場合について、上流の農地まで影響が無いのか、可能であれば精査して検討し、回答頂けたらと思う。水位について、洪水が引いた後に現地へ行き、植物の痕跡などから確認した。その結果、(沼幌橋の)道路は冠水していなく、農地に水はいかなかった。ただ、左岸の草地は幾分冠水したところがあったが、ここは使われていないようだった。今回の降雨でシミュレーションを改めて行っても、恐らくこのプロジェクトが走る前の想定を超えていないと思っていて、これについては、今の段階では、まだ整理されていないと思うので、今後データを示して頂いての方が良いと思う。

(委員)
1ヶ月の雨が1時間で降った場合、シミュレーションだけで済むのか。

(委員)
現況の直線河道の河床高が赤線で書かれている図(資料P4)を見て欲しい。現況河道では上流に影響が出る可能性があるが、蛇行化することによって図の青線の様に河床が1m以上下がる。また、(洪水時は右岸側に氾濫して)大きな河川のように流れるようになるため、蛇行化することで水位は下がる。このため水位が上流まで上がることはないと考えられる。

○モニタリングによる効果の評価について
○旧川復元による希少動植物への配慮について

(委員)
カワシンジュガイについて、この区間での現在の個体数を把握しているのか。

(事務局)
現在確認しているのは、下流の自然蛇行区間で、直線河道でも確認している。
個体数までは把握していない。

(委員)
昔は、素足で歩くと刺さるくらいいたが、水質の変化とともに個体数は減少している。それらの傾向はつかんでいるか。

(事務局)
このヌマオロ地区については、調査・検討していくという段階である。まだ短い期間の間にしか確認していないので、長期的には押さえていない。

(委員)
平成26年度の小委員会では、調査の結果、直線区間では確認されていなく、下流では、カワシンジュガイ26個、コガタカワシンジュガイ7個が発見されているという報告があったが。

(事務局)
(平成26年度の小委員会で報告した)調査では確認できなかったが、その後何度も足を運んでいる中で、直線区間で確認している。

(委員)
五十石で貴重植物を移動させて、枯れさせてしまっている。本当に移動しなければならないか、その部分を保護できないかなど、枯らさない様に考えた方が良い。その辺りをどう考えているか。

(委員長)
移植を何回もやったが、なかなかうまくいかない。基本は生息地を保護するのが良いが、そこをどうしても改変しなければならないという事になると、どうするか問題となる。植物では対象種が、エゾハリスゲ1種で、道のレッドリストに指定されていなく、周りに沢山あるので、どうしても移植しなければ絶滅するというものではない。失敗する可能性もあるが、移植してみて定着するのであればそれで良いと思う。経験上、数年たてば消えてしまう可能性が高いとは思うが。魚類については、居たもの全部を対象とするという扱いなので、ここで移植をどうしても成功させなければならないというものは無いと考えている。

(委員)
エゾハリスゲについては環境省で指定されているものなので、環境省に指導頂いた方が良い。現地がどんな状況で、エゾハリスゲは周辺ではどんな状態なのか、対象となるところには何個体あるというのを確認し、それについての対処方針については、ご指導頂いた方が良いと思う。

(委員長)
環境省より植物を専門にしている人の方が詳しいのではないかと思うが。

(委員)
環境省で指定されるときに、当然議論されていると思うので、情報を頂いて対応すれば良いのではないかと思う。

(委員長)
環境省もこの委員会のメンバーに入っているので、情報を頂いて、対応の仕方を参考にしながらやっていければ良いと思う。

(委員)
ウチダザリガニの駆除を行っているが、今回の8月の大雨後の9月に調査を行ったところ、ザリガニがいなくなった場所が結構あった。変化があったとき、蛇行化による影響なのか、大雨による影響なのかを把握するため、モニタリングは大雨の後も調査を行った方が良い。また、湿原ではシカの食害が増えている。植生調査の際に、シカの影響なのか何の影響なのか分からなくなる可能性もあるので、シカが入らないように柵を設けるなどの配慮をした方が良い。

(委員)
土砂のモニタリング計画について、沼幌橋でも流量を測るのか。蛇行復元区間では水位を観測すると書かれている。流量観測と記載されているが、流量観測は難しいので、観測するのは水位ではないのか。

(事務局)
ご指摘の通り観測するのは水位である。浮遊砂量を計算するときに、水位から流量に換算しなければならないので、「流量」という書き方をしている。

(委員)
見て分かる(感覚的に把握しやすい)のは水位なので、水位も書いておいてもらいたい。

議事2:ヌマオロ地区旧川復元実施計画(案)について

 事務局からヌマオロ地区旧川復元実施計画(案)についての説明を行い、内容等について協議が行われた。

(委員長)
細かい議論については、次回協議する予定だが、今回意見を頂いて、それを次回事務局から対応して頂く。実施計画案について、様々な意見を頂きたい。

(委員)
旧川復元は、茅沼などでも行われているが、今回の大雨で相当量の土砂が流出して被害を受けている。今回大雨があったが、これからも起こりうる可能性が高いので、湿原に与えた影響について、この小委員会で報告が欲しい。

(委員長)
次回、事務局から回答頂ければと思う。

(委員)
実施計画(案)を今日持ち帰って読んだ後に意見があった場合、どこへどのような方法で伝えれば良いか。

(事務局)
事務局からメールアドレスを委員の方に送り、ご意見等があれば、メールを返して頂ければと思う。作業上、ある程度の期間で締め切る事になる。

(委員)
杉澤委員の様な相談は、どこへ相談すれば良いのか。みんなでアイデアを出す場はどこになるのか。本委員会でも各小委員会でもきついと思うが、教えて頂きたい。 

(事務局)
考えて回答したい。

(委員長)
意見については、小委員会、協議会の事務局に伝えるなど、色々な場面で関係ない委員会でも意見を言っていくことが大事だと思う。

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