現在位置の階層

  1. トップページ
  2. 治水課
  3. 釧路湿原自然再生協議会 トップページ
  4. 第10回水循環小委員会 議事要旨

第10回水循環小委員会 議事要旨

第10回(平成23年12月27日)

  • タイトル画像

第10回水循環小委員会 議事要旨

議事1:水循環検討会の成果報告及び湿原域モデル(釧路湿原を対象とした計算手法)の精度向上について

 事務局より、水循環検討会の成果報告及び湿原域モデル(釧路湿原を対象とした計算手法)の精度向上について説明が行われた後、内容について議論が行われた。
 
(委員長)
水循環小委員会の最終目標の一つとして、1980年頃の地下水位の再現があったが、1980年代の地下水位の観測値がないため、現在の地下水位の推定し得る解析法をこの水循環小委員会で確定するということが決まった。
数値計算のため専門的になることを想定し、検討委員会を作った。シミュレーションの結果について事務局からの説明は以下の3つである。

釧路川流域のスケールで解析した場合、領域を250mの正方形で分離し、各グリッドの交点で計算した結果、釧路川流域における水収支についてほぼ説明ができる精度が得られた。
釧路湿原については、正方形の大きさを100mとし、これを解析した結果、観測値と±50センチメートルの誤差が生じた。このままでは湿原における地下水位はあまり高い精度で再現されないということが検討会の中で指摘された。
この解析方法は面積を小さくするほど精度が上がるのが一般的だが、今度はグリッドの切り方を現状に合わせて数10センチメートルから600mまで変化させ、実勢の河川形状や排水路などをできるだけ再現した結果、最終的に±20センチメートル程度の誤差におさまり、これからの実用的な事業に対してある程度の予測に使えるのではないかという結論が得られた。

(委員)
12ページの数値の精度について、主旨をもう一度説明されたい。

(事務局)
計算格子の地盤の高さというのは四隅の高さを平均しています。したがって100mの格子が全て平面でそこに観測孔があれば、それは計算上も観測上も同じ高さになると思いますが、計算格子が山に近いところでその格子に観測孔があれば、四隅の高さが異なり、観測孔の高さを正確に表現していないことになります。そういうことも計算水位の誤差の一部になっているという説明をしたつもりでした。

(委員長)
今の事務局の説明の例では、観測点と計算格子点が一致していれば標高の違いは出てこないが、メッシュはメッシュで勝手に切っている。メッシュ上に観測点が位置すればこういうズレはなくなると思うが、格子で領域を全部切った場合、73万点もある格子点の標高をどう表せばいいかというと、最小単位の100m間隔のメッシュを4点集めて平均化し、その要素の平均標高とする。当然、観測点がどこにあろうとも誤差が出てくる。

(委員)
今の話だと、観測点と計算接点との違いが誤差の原因であるということは、観測点と節点が同じのところで一致するデータが出てくれば納得するが。他にも誤差の要因はあるということをはっきりさせておかないと、これから使っていくときに困るのでは。

(委員長)
計算の誤差もあるし観測の誤差もあるので、一致するというのは難しいことだと思う。改めて訂正して、この誤差ばかりではなく、計算誤差、観測誤差がこの上に乗っているということだ。

(委員)
誤差というより「モデルの限界である」とはっきり言ったほうがいい。これ以上のモデルは考えられない。しかし限界であると。

(委員長)
現在使っているシミュレーションの解析モデルは非常に汎用生が高く、いろいろなところで成功しているシミュレーション方法であるが、やはり水理学的に難しい湿原に適用した場合、かなり大きな誤差が出てくるということが考えられる。

(委員)
繰り返しになるが、「モデルはこれしかない。しかしそれには使用限界がある」ということをはっきり表現すべきである。それともう一つ。ちょっと先へ行くが、私どもは地下水位の平均値というのを非常に大事にしている。しかし変動パターンが重要だということから出現頻度といった表現も加えたほうが泥炭地の場合にはいいのではないかと思う。
 
(委員長)
このように誤差が出てきたので、単に数学的な解析法だけではなく、皆さんは湿原のいろいろな特徴をご存知、または観察されていると思う。もし、水位に関して推定する場合、こういうことを考えてもいいのではないかというご提案があればぜひお願いしたい。

(委員)
私は水質が専門で数学に弱いが、例えばNo.2とNo.9の二つの下の図の折れ線グラフ。私たちは温根内でやっているのだが、No.2のような地点とNo.9のような地点では全く水質が違うことがある。No.9のほうが土壌層の下の水質と考えられることがある。水質というのは濃度差が激しいから実際にはこれより激しく感じる。それと、平坦になるのは深層地下水分がかなり来ているのではないか。水質的にはかなりきちっとした深層地下水分になるだろう。

(委員長)
No.9の観測点はNo.2よりも変動量が非常に少なく、ほぼ水平面で推移している。これの特徴を考えて、水質面から補足していくと、表層ではなく、中を分けている粘土層の下の深層地下水位を測っているのではないかと考えられる。井戸のストレーナーの位置がどこにあるか、そういうもので改めて時間をいただき、もしそうであれば事務局で話を伺って先生の言われたことをこの中に加味していく。

(委員)
誤差の話が出ているが、数値計算なのでメッシュの平均値を出して、それと実測値、その中にあるポイントで測っているもの、つまり点と面の比較で合うわけがないということをかねがね申し上げている。モデルの話とかパラメータの話とか、誤差の要因はあると思うが、そもそもそういう問題がある。
その意味で大領域モデルと細かい領域のモデルで誤差がかなりちぢまり、精度が改善した。これは如実にスケール効果が現れていると思う。これは非常に評価していいのではないかと思う。
ただ、大領域モデルは精度が悪くてダメなので、細かい領域にして今後これを使っていく、というふうに聞こえたが、そうではないと思う。大領域モデルは大領域モデルで、細かい領域のモデルの境界条件として使う価値がある。「使い分け」ということを考えていただければと思った。

(委員長)
確かに、大きな分割のモデルは一概に適用できないというのではなくて、小さなモデルの境界条件というものに非常に力を発揮するので、一連のものとして、この小委員会の考え方を解析法の基本におくということにさせていただく。
 
(委員)
全体を見る時にはそれでいいと思う。ただ、最終的には水質もある、ということを言われたので、そういうものに影響を与える、少量だけれどそういう土壌層以下の問題もあるので、よろしくお願いしたい。

(委員長)
水質の問題は、今は地下水の流動、速さや水位といったものを解析しているが、我々の小委員会は物質の移動も取り扱わなければならない。どのようにすればいいのか、確たる方策、方向付けがまだなされていないが、地下水の流動、推定をある程度の精度をもって行うことができたので、次に水質をどのように取り扱っていくかということの参考にしたいと考えている。

(委員)
湿原の水位については、地下の地層がどうなっているかということも考えていかければならないと思う。幌呂地区あたりでは更新世の地層が300~400mぐらいあると思う。釧路川に東側のほうでは20mか30m、セメントされた岩盤が出てきている。東側のほうは沖積世の堆積物がある。その上のスポンジのように泥炭が2m程度。幌呂地区のずっと西側のほうになると、更新世の層はまだセメントされていない。そうすると地下水の影響が多少あるのではないか。その上に乗っている泥炭が、幌呂地区のほうではおそらく5~6m以上あると思う。場所によって違うとは思うが。保水性を考えた場合、どうなのか。

(委員長)
釧路湿原においては、西側の幌呂とか久著呂はかなり湧水量が多い。地下の地形、地質がどうなっているかということは、今までに得ている資料を具体化して解析のときに使った。現況のデータを用いて最大限それらを利用するような形で取り入れて地下水の解析を行っている。ただし非常に限られたデータであり、例えば幌呂とか久著呂は、川が運んでくる土砂によってかなり表面の地形が変わっている。そういうことによって地下水が相対的に下がる。そのことによって結果的にハンノキが繁茂してくる。

議事2:湿原再生小委員会の施策への展開について

 事務局より、湿原再生小委員会の施策への展開について説明が行われた後、内容について協議が行われた。

(委員)
温根内では、ハンノキ林はほとんど水に浸かっている。地下水位が非常に高い。だから、水を除去するということだけが本当にいいのかどうか。というのは、久著呂川一体は土砂の問題があり、また、リンの濃度が高く、普通のところの10倍くらいある思う。そういうことがあって、ハンノキが、あるいは人為的影響があるのではないかと思っているので、前もってそういうことを調べられて、もし降水が中心ならこのとおりでいいと思うが、そういうところが少し気になった。

(委員長)
今、湿原再生小委員会では、例えば現況の未利用の排水路を全部埋めて、これにより地下水を上昇させる。それからA地区と呼ばれているところは地表面を掘削して低くしている。そういうことによってハンノキの侵入を防ぐとともに、地表を低めているから、そこに水が溜まることによりヨシ群落が将来侵出してくれるであろうということで説明を受けた。ただ単に水位の問題ではなく栄養塩のことも考慮しなければ27ページに書いている予測される植生図というのは変わってくるというご意見か。

(委員)
あまり詳しくないが、そんなふうに少し思っている。

(委員長)
私どもとしては物質移動に関して解析方法としてまだ持っていないので、もしそういうことが非常に重要な結果をもたらすということになれば、今は地下水の状況変化だけで27ページの右側のような予想図を示しているが、他の小委員会に対する基本的な基礎資料として地下水解析を使っていただいたけれども、これをもう少し栄養塩のことを付加すればもっと信頼性が上がるということで、どういうふうにすればよいのか。

(委員)
現況の削った部分の水源が、降水が中心なら全く問題ない。ただ農地を通ってきた水はリンの濃度が高いので、そういうものが浸るということは、逆にハンノキを増やすのではないかというふうに感じている。
 
(事務局)
基本的には降水主体で考えています。真ん中に太く流れている排水路。ここから水を引き込んで、より冠水しやすくするようにということも考えていますが、引き込む水の栄養塩を確認して、それからやるかどうかを決めようということで、実施計画のほうに盛り込んでいます。基本は雨水、というか地下水で冠水させようということです。

(委員)
この水循環小委員会の中で、小さい地域の中にこのモデルを適用すると精度が上がって再現されたり、それを事業にも使っていけるだろうというところまでは認識として先ほどから評価されていると思う。そこから先の対策工をするとそれなりの環境ができあがるというふうに期待して、そういう計算結果から実施計画について良しとしているのかもしれない。この委員会では、これはちょっと違うと。例えば、対策工事として水を完全に水路から遮水するような方向がとられるのであれば、これはこれで計算の精度がどのくらいかということはあったとしても、中の小さい水路を埋めただけで、全部期待されるようなものになるのか。これがここの委員会で計算されている、これでいいだろうということを元に、やはり次の委員会では対策なり計画を考えていくわけだから、曖昧にしてはうまくないのではないかという気がする。

(委員)
この小委員会の仕事は26ページまでで、27ページは湿原再生小委員会がやってくださると。何か湿原再生小委員会から、質問があったときに、対応すればいいことだ。そこのところをはっきりしないとダメだと思う。それで、湿原再生小委員会に渡すときに、不確定という意味で、曖昧な部分があっても致し方ないのではないか。むしろ曖昧は曖昧だとはっきり言わないと。それはモデルの限界だと思う。

(委員)
27ページは別の小委員会の議論なので我々がどうこう言う話ではないというのはわかるが、26ページまでの情報がどのように使われて27ページの結果が出てきたかというのがわからないことには、我々も何を言ったらいいのかわからない。27ページの絵については、オセロが黒から白にひっくり返るように、本当になるのかというのが、水位の頻度分布や、そういうものだけで出てきたものなのか、それとも水質的なものも考えて出てきたのか、せめてそのへんを知ったうえで、こういう結果が出てきました、という結びつけくらいはぜひ知りたいと思う。
 
(委員長)
確かに、ここで明確にしなければいけないのは、私たちの小委員会でできることは26ページまでである。他の小委員会に予測結果を示す時、私たちが今持っている解析方法は±50センチメートル、もしくは±20センチメートルの誤差を持っているということを明確に他の小委員会に告げなければならない。というのは、曖昧な形で他の小委員会に説明すると、もし事業が実施されて、そうならなかった場合、私たちの小委員会が責任を負わなければならない。だから実際に事業が始まったときに必ず検証しなければならないと思う。また、今の説明では27ページに書いてある他の小委員会がこのような「案」として出されたものを、そこにいたった経過というものがこの委員会の中で説明されていなかったが、説明は可能か。

(事務局)
これがB地区の生育環境模式図ですが、横軸が冠水日数、縦軸に地下水位としています。これを何点か調べて、例えばホザキシモツケの生育している環境はどんな環境なのか、地下水が何センチメートルで冠水頻度がどうなのかなどをプロットしてまとめたものです。ヨシも同じように、どのような生育条件で生育しているかというのをまとめたものです。そこから先ほどの予測した冠水頻度と地下水位を重ねて見たときに、このような重なる部分が出てきました。その重なった部分をこちら側でヨシになりホザキシモツケに変化していきます、というふうにして作成したものです。誤差の話については、±20センチメートルの誤差があるということは湿原再生小委員会には伝えてあります。

(委員長)
平均的な誤差ではなく、非常に誤差の大きいところがある。それが前もってわかっているので、その事実を本来は伝えるべきだったかもしれない。他の小委員会で事業に取り入れるということになるので、できれば先ほど言ったとおり、地下水位の変動を克明に測るということをやっていただければ、我々の解析したものがより信頼性の高いものになりうるか、もしくはモデルを改善していかなけらばならないという方向付けになる。そのネットワークを作っていただきたい。
 
(事務局)
順応的管理をするということで、例えば未利用排水路を埋め戻す場合、本当に水位が上昇するのかというようなことも、きちんと地下水位計を設置してやっていきましょうと。例えば大きい排水路で残っているのもあるので、その近辺の地下水位はどうなのかというようなことも地下水位計を設置して監視しながら、順応的管理を進めていくことにしています。

(事務局)
26ページに掲げていることは、この小委員会に他の小委員会から求められている非常に基本的な地下水の高さ、もしくは流速を示すものである。これが実際の事業で使われるということになると、この小委員会の一つの使命を果たせたと考えている。ただ単に果たしたのではなく、その信頼性をこれから事業とともに図っていくということが重要かと思う。

議事3:5年目の施策の振り返りについて

 事務局より、5年目の施策の振り返りについて説明が行われた後、内容について協議が行われた。

(委員)
釧路湿原の全体像として見たときに、どのように事業が進められていくのかということ。今日の、幌呂地区の地下水位の話も、ずいぶん細やかに、ある一つの根拠の元に調べられているということは、非常に力強さを感じる。ただ、難しいのは、すぐそこに生産地としての農耕地があるということ。当然農耕地に影響を及ぼすということで、非常に難しいのではないか。研究者の皆さんたくさんおられるので、知恵を出し合ってどういけばいいのか考えていただければと思う。

(委員長)
確かに、地下水をこう変えればすぐに植生がこう変わる、ということではなくて、やはり長い目で見ていく必要がある。それから、自然再生協議会では、湿原環境を全小委員会の目標として1980年代に戻すというのがある。湿原が加速度的に変化したのは、やはり人間の手によるものであり、いろいろな生産活動が入ってきたために変わってきた。1980年代の地下水位や状況に戻すということが、果たして今の社会で受け入れられるかという問題も入ってくる。これから将来湿原はこういうふうになる、このような状態はいけない、だから防ぐ手を打とう、というようなことも考慮しなければならない。そのときに1980年頃に戻すということが許されるかどうか、今のところまだはっきりしていない。貴重なご意見なので、参考に使わせていただく。

(委員)
4ページ目の、1980年以前の地下水位を保全するという大きな目標があるが、その時の地下水位の状態がどのような状態だったかということを出さないことには、どうしたらいいのかということがわからないと思う。そこが、今の検討だけでは、こういうインパクトに対するレスポンスというものを出せるところには行っているが、あるレスポンスに対して、ではどういうインパクトを与えればいいのかというところがまだ抜けている気がする。こういう大前提があるのであれば、そこをやるのかやらないのかという議論は避けて通れないと思う。

(委員長)
協議会の下にある下部組織の小委員会の目標は、1980年以前の環境に戻すというところにある。これは絶対しなければならないと思う。あるインパクトがあって、今の状態はそれにレスポンスして今の状況になっている。しかし今の状況の地下水位でも推定することが困難であるため、それを使って過去にさかのぼっていくと、かなり信頼性の低い根拠を元にして話をしなければならないことになるが、それは許されないと思う。もう少し何か工夫して、現在の地下水位をある程度納得するような形で再現できる方法が確立されたときに、1980年代の地下水位を推定したいと考えている。

(委員)
私も方法論自体は劇的に改善するのは難しいと思うので、だからどういうレベルのものが出せるのかというようなもの、いわゆるマニフェストを下ろすのか、それとも続けるのかが、かなり大きな問題だと思う。非常に歯がゆいことだが、どのくらいのレベルのものが出せるのかという話は決めておかないと、ここに書いてあることがないがしろになってしまう気がする。

(委員長)
私自身としては、地下水の水位の推定もそうだが、河川水と地下水位との連動が必ずしもうまくいっていない。地下水の流れをうまく表現できていない。これでは物質移動を推定できないということになる。地下水の流れもあまり信頼できない。まして物質の移動、いろいろな汚染物質の拡散とか分散が推定できない。この二本柱がなければ、1980年代の地下水にさかのぼることはできないと私自身は考えているが、今のところは地下水位をようやくある程度の誤差で推定できることになったという到達点である。だから、物質移動、汚染物質の拡散の仕方、分散の仕方がある程度できるようになれば、植生まで広げて話を進めていくことができるが、今は物質移動に関して有効な解析法を持っていないというのが私自身の考えである。

(委員)
前から議論されているように、釧路湿原の1980年代の地下水位はどうだったかということは観測値がないからわからない。しかし流域の中で、また釧路湿原の周辺で何が変わったか。地形として大きく変わっているわけではない。土地利用が少し変わったのかもしれない。湿原の中はどう手を加えられたかというと、そんなに変わっていない。では、計算したモデルの中でどこが変わったのか。流域周辺のところが大きく変わってきているのではないかと。変わったことによる水の出方が変わったとか、蒸発散のしかたが変わったとか。そうすると、そんなに地下水位を保全するための水位の推定に細かく神経を使わなくても、例えば土地利用はそのまま今の時代の土地利用になっても、河川が改修されても、その周辺の湿原再生区域のところで植生が再生されるような水循環、地下水が保全されればいいのではないかというふうに考えないと。何のために保全するのかというところで、両方見ながら考えていく方法も議論していくべきでないかという気がする。

(委員長)
今まで湿原に携わってきた方々の知見、知識をここでもう一度集約して、保全するためにはどのような方策があるのかということを改めて考える時期がきたと思う。ある程度数値化したけれども、やはりこの解析法では限界に達したと考えられる。それを打開するためにはもう少し違った見方から乗り越えなければならない。地下水位ばかり精密な解析方法に則って数値化するのではなくて、実際面から考えるべきものを取り入れていくという、これからの本小委員会の方向性もあると思う。ただし今まで得た結果をこの最後のページにまとめたところ、適切でないところもあろうかと思うが、成果を一応まとめることができた。これを考えると、この小委員会の方向性を考えることができるのではないか、という時期に達したと思っている。これから具体にはどういう方向性をとっていくかというのは、やはり皆さんと一緒にいろいろ推敲して検討を重ねてこの小委員会の方向性を決めるということになろうかと思う。

(委員)
5年目の施策の振り返りのところ、29ページについて意見を言わせていただく。Bの手法の実施結果の評価基準。手法のところについては、感想としては、私は非常に謙虚な書き方だなと思っており、もっとたくさん書けばいいのにという思いもある。この参考資料に出していただいた湿原再生全体構想、1枚めくると、下のほうに手法が書いてある。(3)の手法の(1)、気象・水文環境を把握する。水理・地質構造を把握する。②望ましい地下水位の保全・復元のところの地下水の動態を把握するということについても、何キロメートルかのメッシュで、期別にも年平均でも、地下水が実際にどういう動きをしているかをこの委員会で分析されていたのでないかなと記憶している。振り返りの結果として、「こういうことをやった」ということを、小委員会の成果としてもう一度見てもらうということをしてはどうかと。ここまでできたということを記載してほしいという気持ちである。

(事務局)
もう少し細かく付け加えることはできます。特徴的な部分を抜き出して付け加えることになると思います。それはこれから可能であると思います。

(委員長)
各委員のご意見を得て、賛成をいただければそのようにまとめたものを出すというふうにしたらいかがか。29ページに書かれたものはこの委員会の中で簡略にわかりやすく説明するために箇条書きにしたものということで、もう少し、どういうことを検討したか具体に書いたものを出されたほうがいいのではないか、よりわかりやすい資料をつくられたほうがいいのではないかというご提案があったが、それについて、そのようにさせていただくことでよろしいか。

(事務局)
前回の委員会で、水循環に関わる技術資料を配布させて頂きましたが、今回ご説明した分について、現在水循環技術資料を作成しておりますが、作業が若干遅れておりますので、作成出来しだい各委員のみなさんに送付致しますので、よろしくお願いします。

現在位置の階層

  1. トップページ
  2. 治水課
  3. 釧路湿原自然再生協議会 トップページ
  4. 第10回水循環小委員会 議事要旨