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第12回水循環小委員会 議事要旨

第12回(平成26年3月12日)

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第12回水循環小委員会 議事要旨

開会

 事務局より、水循環小委員会の委員名簿、水循環小委員会・水循環検討会の検討経緯、第11回水循環小委員会の発言概要と今後の検討方針(案)の説明。

議事1:久著呂川流域の物質循環の検討方法

 事務局より、水循環小委員会の検討経過と物質循環の検討方法(案)について説明が行われた後、検討方法について協議が行われた。

(委員長)
・ 水循環小委員会は、水と物質循環のメカニズムを解明することを目的としている。
・ 水循環については、釧路川流域、湿原域、久著呂川流域でそれぞれ実用に供する程度の解析を行い、釧路湿原の水のバランスも検討した。
・ もう一つのテーマは、物質循環メカニズムを知るということ。
・ 地下水の流動についても、久著呂川流域で実測と±20センチメートルの誤差に収まる数値解析を行った。
・ それをベースとして物質循環を検討していきたい。

(委員)
・ 資料4枚目、目標(1)の望ましい水質が1980年というのがよくわからない。昭和55年は、水質が一番悪化した時期が過ぎた時である。昭和30年代か20年代終わり頃から水が汚れ始めたと思っており、昭和20年頃の水質が一番良かった。管理された水質としては昭和50年以降が良いが。

(委員長)
・ 自然再生協議会で目標として1980年以前の釧路湿原の状態に戻そうということが決まった。実際検討を始めてみると1980年の水質データはほとんどなく、まず現状を把握するという意見がある。水循環小委員会の中では、1980年というのは重要な意味をもっていない。

(委員)
・ 誤解を招かないような表現にした方が良い。

(委員長)
・ 10年に1度の見直しをかけて、目標の設定が適切ではないということであれば再検討する。

(事務局)
・ 水質に関しては過去の方が汚かった可能性がある。1980年という目標は地下水位について設定されたものであるが、水位と水質は違うと理解している。

議事2:久著呂川流域の特性について

 事務局より、事務局より、久著呂川流域の栄養塩の発生源に関する特性(人口、家畜飼養頭数、土地利用)について説明が行われた後、議論が行われた。

(委員)
・ 土地利用について、環境省が1977年と2010年の航空写真で釧路川流域全域のGISデータを作っており、流域別にも作っている。そのデータとの整合性は確認しているか。

(事務局)
・ 環境省データとの整合性は確認していない。開発局のデータでやっている。

(委員)
・ 1977年頃、畑地等が増えたことにより、土砂が発生するようになった。リンは肥料でまいたうち8~9割が土地に残り、地下水で栄養塩が出る。面源の中に、農地や排せつ物の処理跡など、河川水質に影響するものとして、栄養塩の動きも測定してほしい。

(委員)
・ 土砂の問題も大きな影響を持っているとすれば、土砂流入小委員会で久著呂川における情報を集積し、データも取られていると思うので、密接な情報の共有化をすべき。

(委員)
・ 資料18ページ、1977年以降、下流の湿原部がヨシ・スゲからハンノキ・ヤナギ林に変わっている。これは土砂流出の影響なのか、栄養塩の影響なのか、その両方か。土砂流入小委員会では、栄養塩負荷量やインパクト—レスポンスの議論はやられているか。

(事務局)
・ 流域開発、河道の直線化などによる土砂流入により、湿原が乾燥化すると考えている。土砂流入対策で、土砂に付着する栄養塩をカットすることでハンノキに与える影響を緩和すると考えている。

(委員)
・ 土砂流入小委員会で栄養塩を検討しているということか。
・ 栄養塩の目標も整理されているのか。

(委員長)
・ 物質移動は水循環小委員会で重要なパートを占める。この小委員会で検討する。

(委員)
・ 土砂流入小委員会の議論を紹介してもらいたい。
・ 例えば人間の活動があるからここまで汚れてしまった、だからやめなさい、というものではなくて、こういう対策、施策をすれば、ある程度の改善が望めるというように、人間と自然がうまく融合するような形をこの小委員会でも扱っていきたいと思う。

(事務局)
・ 資料がまとまった段階で紹介したい。

(委員)
・ 流れと物質移動のフローをあわせるのは非常に難しい。土砂は粒径をどの程度考えているのか。粒径は効くのでぜひ検討してもらいたい。

(委員長)
・ 土砂流入小委員会の検討結果を紹介してもらえるのか。

(事務局)
・ 土砂流入小委員会の資料が手元にないため、即座に答えられない。
・ 土砂トラップの土砂を分析している。粒径を75μmで分別して分析している。

(委員)
・ 土砂トラップはどういう地点で何か所設置しているのか。どの程度の間隔で調査するのか。

(事務局)
・ 土砂トラップは皿状のものを21か所にしている。

(事務局)
・ 3月20日に土砂流入小委員会が予定されているので、その後紹介したい。

(委員)
・ 最終的に湿原に入るときの濃度を調べているか。
・ 土砂と栄養塩は非常に関係があり、数ミクロンの方が効いてくる。

(委員)
・ 私は土砂流入小委員会の委員も兼ねているが、水循環小委員会は入るまでの水を扱う。土砂流入小委員会は入った後を扱う。事務局は共通である。
・ ここでの議論を土砂流入小委員会にもフィードバックするし、向こうの情報もこちらに紹介してほしい。相互に情報のやりとりを進めてほしい。

議事3:久著呂川の水質について

 事務局より、久著呂川の水質について説明が行われた後、内容について協議が行われた。

(委員)
・ 資料24ページ、降雨時水質調査3回とは、1回の調査で10回以上採水するということか。3回という回数はどうやって決めたのか。

(事務局)
・ 採水回数の数え方はその通り。回数は、ある程度大きな雨があるときに出動している。

(委員)
・ 降雨時調査をやっていることを評価する。大変だと思うが、がんばってほしい。

(委員)
・資料25ページ、土砂が畑地・更新地から出やすいとある。上流で生活しているものの糧であり、恒常的に繰り返される。どうやって(土砂・栄養塩の流出を)抑えるという議論はどこで出てくるのか。このまま調査するのか、何らかの手を打っていくのか。

(委員長)
・ 最初から出てきたものを止めるということではない。湿原にとってひどい影響を与えるのであれば是正するものと思っている。

(委員)
・ 表面流出、地下浸透によって恒常的に出るのであれば、どこかのところで何らかの方策を出さなければ、机上の空論に終わる。

(委員長)
・ 栄養塩の動きを把握するだけでも大変だ。もう少し知識、知見が重なって強いベクトルになれば、湿原保全のために意見が言えると思う。

(委員)
・資料25ページ、「~しやすい」という表現が3つあるが、かなり違いがあるのではないか。「土砂は畑地や更新地から発生しやすい」といっていいのか。「水に溶けやすい硝酸態窒素が流出しやすい」というのはかなり確実だが、「土砂とともに洗い流され、河川に流出しやすい」は中間程度。しやすいといっても、レベルにかなり違いがある。

(委員長)
・ 形容詞を使うと不正確になる。

(委員)
・ 栄養塩負荷量の量的なまとめをその都度やってほしい。

(委員長)
・ 水理学をやっている者からすれば、水の量をつかまえるのは質より容易だが、湿原の量を説明するのは難しい。質はごく一部を除き、なおさら難しい。
・ 小委員会には多様な委員がおられるので、専門家の知識、知見をもとに、量的検討を進めたい。

(委員)
・ 沈殿池を拝見し、関わっている皆様方には本当にご苦労様と思う。沈殿池を作れば土砂はどうにかなるのだろう。窒素・リンについて、素人考えだが、大きな河川の河岸堤防をうまく使って、大量の河川水をそのまま海へ流してやると、コンブやワカメの栄養になるのではないかと思う。また、達古武層、塘路層から湧出する水で湿原を保つということにしてはどうか。

(委員長)
・ 湿原はどこをとっても同じではなくて、いろいろな要因が重なり合って今の釧路湿原を作り上げている。特定の委員の考えでやるより、皆の知見を出して結論を出したい。
・ ところで、小委員会には大勢の委員がおられるが、最近は15名程度しか集まらない。小委員会の議論があまりにも学問的に偏るからだろうか。

(委員)
・ 水循環小委員会は、湿原と水という非常に基本的な部分を担当している。
・ 個別対策を考えるにあたっての全体的な知識を提供する。各小委員会との連携が必要だ。
・ ハンノキは土砂、栄養塩、水位のどれが効いているか、まだわかっていないだろうと思う。地下水や水質を大きくとらえて、最終的には関係が明確になると良い。

(委員)
・ 水質は専門外で一般論だが、釧路市は人口が減少し、企業も人員を減らしている状況で、湿原はある程度自然に保全に向かっていくのではないか。

(委員)
・ 久著呂川は釧路湿原の今までのプロセスが現在進行形で進んでいる典型的な場所。
・ 土砂調整地が作られた経緯をご説明したい。人工ケルミを提案した。これは時間をかけて細粒土砂を落とすもの。
・ できれば土砂流入小委員会と合同小委員会をやればいいのではないか。

(委員)
・ オンネナイ川から下流は人工的な水質となっている。

議事4:久著呂川流域における栄養塩負荷量の推定について

 事務局より、栄養塩負荷量の説明について説明が行われた後、内容について協議が行われた。

(委員)
・ 資料39ページ、C-Qとあるが、L-Qの誤り。グラフの横軸の比流量の単位の指数2が抜けている。

(委員)
・ 資料41ページ、みかけ上負荷量が減ってみえるが、どうしてこう言えるのか。

(委員)
・ 私も同感で、2か年だけではなく、流量のある年について負荷量を出せば良い。流量によってどれだけ影響されるのか検討すれば良い。

(委員)
・ 2002年と2010年を比較するとき、式が同じだとすれば、あまり変わらないのではないか。

(委員)
・ 2002年は家畜ふん尿対策をやる前、2010年はやった後と考えると、効果がなかったということか。負荷量に差があるのは光橋だけなので、奥ゆかしい言い方をしているのかもしれない。

(委員)
・ 資料39ページのL-Q式は、2002年と2010年の式で各年の負荷量を出すことは可能だと思う。もう少し精度を高めて、他に適用できるか検討したい。量を出すのは非常に重要なことで、成果としては大変面白い。

(事務局)
・ 家畜頭数が増加する中で負荷量が横ばいだとすれば、農家の皆さんの努力が出ているのではないか。

(委員)
・ ふん尿対策の実態についてお話したい。排出量に応じた施設を作るよう2005年に言われたが、予算がないので順次施設を作り、完成に時間がかかる。即よくなったわけではなく、タイムラグがあった。戸数が減ったが、頭数は増えている。

(委員)
・ 隣りの幌呂川は久著呂川とは水質が全く違う。近くの流域で、農業形態と水質を比較しても良いのでは。

(委員)
・ 検討が方法論に終始しすぎていると感じる。やはり、久著呂川のインパクト—レスポンスの解明をやるのが分かりやすくて良いのではないか。土砂流入小委員会と情報共有する必要がある。対策まで行くと良い。

(委員)
・ ハンノキの拡大を栄養塩に結び付けるのは非常に危険。ハンノキ拡大と栄養塩の間に相関があるとしても、因果関係があるとは限らないし、栄養塩がなくてもハンノキが拡大したかもしれない。直接的な目標を作るのは危険ではないか。

(委員)
・ 反論はあると思うが、1980年代の湿原の姿に持って行くという目標は失いたくない。

(委員長)
・ お二人のご意見はどちらも小委員会にとって非常に大切なこと。私たち学識経験者のほかにも一般の人が加わり、広い知見で進めていくことに意義がある。

議事5:全体構想の見直しについて

 事務局より、「釧路湿原自然再生全体構想」の見直しについて報告が行われた。 全体構想策定から10年目にあたる平成27年3月の見直しを目指し、検討を進める予定。

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