WEB広報誌 かいはつグラフ2014.10 新千歳空港耐震化対策
地震に強い緊急輸送拠点空港へ 新千歳空港耐震化対策
北海道の空の玄関口「新千歳空港」
北海道の空の玄関口「新千歳空港」は、昭和40年代の航空需要の伸びを受けて、航空自衛隊と民間航空との共用空港「千歳飛行場」の南東に、民間航空専用の空港として昭和63年に開港しました。
開港当初は滑走路一本(A滑走路)のみでしたが、平成4年に新空港ターミナルビル、平成8年に二本目の滑走路(B滑走路)の供用が開始し、その後も段階的に新国際線ターミナルビルや航空機に付着した雪や氷の除去作業(デアイシング)をするためのデアイシング・エプロンなどの整備が進められて現在の姿となっています。
開港当初は滑走路一本(A滑走路)のみでしたが、平成4年に新空港ターミナルビル、平成8年に二本目の滑走路(B滑走路)の供用が開始し、その後も段階的に新国際線ターミナルビルや航空機に付着した雪や氷の除去作業(デアイシング)をするためのデアイシング・エプロンなどの整備が進められて現在の姿となっています。
「エプロン」は飛行機を駐機させる場所、駐機させる特定の地点は「バース」などと呼ばれます。「誘導路」は、飛行機がエプロンから滑走路に移動するための通路です。
大規模地震に対応する空港施設の耐震強化
現在、新千歳空港では空港施設の耐震強化を進めています。
大規模地震が発生した場合、現在の空港施設では、
(1)地盤の液状化による滑走路や誘導路の段差の発生
(2)空港の下を流れる安平川水系美沢川などの函渠の破壊による地盤の陥没
などのおそれがあります。
このため、地震発生時の被害を小さくし、早期に空港を再開できるように滑走路の液状化対策工や河川函渠の耐震補強工事を実施中です。
大規模地震が発生した場合、現在の空港施設では、
(1)地盤の液状化による滑走路や誘導路の段差の発生
(2)空港の下を流れる安平川水系美沢川などの函渠の破壊による地盤の陥没
などのおそれがあります。
このため、地震発生時の被害を小さくし、早期に空港を再開できるように滑走路の液状化対策工や河川函渠の耐震補強工事を実施中です。
滑走路・誘導路の液状化対策工事
液状化対策は、地盤に穴を掘り、時間が経つとゲル状に固まる特殊な薬液を注入して、地盤内の間隙水を置き換えることにより液状化現象を抑制します。
上の写真は、液状化対策工事中のA滑走路の様子です(写真(1))。
地面に見えるたくさんの突起物(写真(1)の〇囲い)は、地盤に薬液を注入するための穴(薬液注入孔)を塞ぐキャップです。
地面に見えるたくさんの突起物(写真(1)の〇囲い)は、地盤に薬液を注入するための穴(薬液注入孔)を塞ぐキャップです。
各穴は、地下水位よりも深く掘られており、浅いものでも10m以上の深さがあります。この薬液注入孔に、薬液を注入するためのホースを入れて注入作業を行います(写真(2)、写真(3))
写真(4)は、薬液を圧送するポンプを積んだトレーラーです。たくさん伸びているホースから一度に30箇所以上の穴へ薬液を注入することができます(写真(5))。
注入された薬液は、地盤の水分を送り出しながら、約4時間でゲル状に固まります。
注入された薬液は、地盤の水分を送り出しながら、約4時間でゲル状に固まります。
薬液は、空港敷地内に設置されたプラント(写真(6))で、複数の成分をブレンドして作られ、工事現場まで運ばれています(写真(7))。
滑走路での工事は、日中は航空機が離着陸するため、航空機の飛ばない夜間の限られた時間に実施しています。
この液状化対策工事も夜23時以降から業者が空港内に入場して工事を開始し、朝6時までに撤収、その後、東京航空局が路面状況の確認を行っています。
小さなゴミ一つでも飛行機のエンジンに吸い込まれると異常を来すおそれがあるため、現場管理には最新の注意が払われています。
この液状化対策工事も夜23時以降から業者が空港内に入場して工事を開始し、朝6時までに撤収、その後、東京航空局が路面状況の確認を行っています。
小さなゴミ一つでも飛行機のエンジンに吸い込まれると異常を来すおそれがあるため、現場管理には最新の注意が払われています。