ダムの仕組
鹿ノ子ダム
ダムの仕組
鹿ノ子ダムは多目的ダムなので、ダムに水を貯めておいて使うという利水の役割と、空けておいて洪水の貯留に使うという治水の役割の両方をバランスよく行わなければなりません。
1. 洪水時最高水位《標高458.40m》
洪水時、一時的に貯水池に貯めることができる 最高の水位です。
2. 平常時最高貯水位《標高450.60m》
非洪水期(10月1日から6月30日)に、利水目的(水道、かんがい等)に使用するため、貯水池に貯めることができる最高水位です。この水位よりも上の容量は洪水貯留のみに使われるものなので、通常時はこの水位を越えないようにします。
3. 洪水貯留準備水位《標高442.90m》
洪水期(7月1日から9月30日)に、利水を目的に貯水池に貯めることができる最高水位です。洪水期では、洪水貯留容量を大きくとるために平常時最高貯水位よりも水位を低下させています。洪水期において、この水位よりも上の容量は洪水貯留に使われるため、通常時はこの水位を越えないようにします。
4. 有効貯水容量《35,800,000立方メートル》
総貯水量のうち、堆砂容量を差し引いた容量です。
5. 総貯水容量《39,800,000立方メートル》
有効貯水量と堆砂容量を合計したものです。
6. 洪水期の洪水貯留容量
25,000,000立方メートル
7. 非洪水期の洪水貯留容量
14,600,000立方メートル
8. 洪水期の利水容量
10,800,000立方メートル
9. 非洪水期の利水容量
21,200,000立方メートル
10. 堆砂容量
4,000,000立方メートル
A. 流木防除設備

洪水時、ダム上流から水と共に木やゴミが流れてきて、ゲート操作などの支障となる場合があります。このため、それらをダム本体の手前で止めるための設備です。
B. クレストゲート

計画規模を超える降雨により、異常洪水時防災操作に移行した場合に使用するゲートです。異常洪水時は、ダムが満水に近づき貯留可能量が減少するため、ダムに流れ込んでくる水を、下流へ通過させる操作となる可能性があります。クレストゲートは最大で710立方メートル/sの水を下流へ流す能力があります。
C. 取水ゲート

発電に使う水や、利水ゲートに送る水を貯水池から取り込むためのゲートです。ゲートは3枚の板状のものが重なっていて、表層取水、底層取水、全層取水を選択できます。表層取水の場合は、水面に合わせて上下する構造になっています。かんがい期は表面の暖かい水を取水し、洪水時は水の濁りが比較的に少ない層から取水しています。
D. コンジットゲート

防災操作時に使用するゲートで、ダムの中央部から水を流します。最大で40立方メートル/sの水を下流へ流す能力があります。
E. 減勢工

ダムから下流に流した水の力で川を壊さないように水の勢いを止めることを目的としています。
F. 利水ゲート

通常操作時に使用するゲートで、ダムから下流に水を流し、かんがい用水や上水道用水、流水の正常な機能維持のための水を補給するゲートです。最大で12立方メートル/sの水を下流に流すことができます。
G. 発電設備

ダムの維持・管理に必要な電気はこの発電設備でまかなっています。余った電気は電力会社に売電します。この発電設備は水の有効利用のために造られました。通常操作の水を活用し、最大で約580kwの発電を行うことができます。
管理棟

ダムの管理や操作はこの管理棟で行っています。
鹿ノ子ダム諸元
- 河川名/常呂川
- 位置/北海道常呂郡置戸町字常元
- 型式/重力式コンクリートダム(ダム本体の重さで貯水池の水圧などに耐え水をせきとめる構造のダム)
- 堤高(ダム本体の高さ)/55.5m
- 堤頂長(ダム本体の長さ)/222.0m堤体積(ダム本体の体積)/204,000立方メートル
ダムの図面
図面をクリックすると拡大表示されます