国土交通省北海道開発局 釧路開発建設部 -せんけんフォーサイト-

　管内は、北海道の最東端に位置します。南部は太平洋に、北部は千島火山帯に属する阿寒・知床連峰に、西部は白糠丘陵に囲まれ、東部はオホーツク海に面しており、台地や丘陵が広く開けた地域です。また、自然の宝庫として阿寒、世界自然遺産に登録された知床の両国立公園を始め、広大な釧路湿原国立公園を擁していることでも知られています。
　釧路市など沿岸部では、春から夏にかけて海流や気圧の影響により海霧が発生し、冷涼多湿な日が多くなります。反面、秋から冬にかけては、大陸性高気圧の影響により晴天の日が続きます。日照時間が長くなり、降水量も少なく乾燥した日が多くなります。

　管内は、2市10町1村からなり、その面積は釧路総合振興局管内5,997.50k㎡、根室振興局管内8,500.37k㎡、合わせて14,497.87k㎡で、全道面積83,424.22k㎡の17.4％を占めています。（平成26年全国都道府県市区町村別面積調）
　平成26年12月31日現在の人口は32万1千人（釧路総合振興局管内24万2千人、根室振興局管内7万9千人）で、全道人口543万2千人の5.9％を占めています。また人口密度は、市部110人／k㎡、郡部9人／k㎡となっています。（平成26年12月31日住基ネットにおける人口【参考値】）

　管内の農業は、夏季の気候が冷涼湿潤であることや、低湿地、火山性土に覆われた土地条件などから乳牛等を主体とした酪農経営を中心に発展してきており、耕地面積は20万haとなっています。（平成26年度農林水産統計）
　平成25年の乳用牛の飼養状況をみると、飼養戸数2,285戸、飼養頭数29万9千頭、一戸当たりの平均飼養頭数は130頭で、全道平均の117頭を上回っています。（総合振興局・振興局別家畜飼養戸数・頭数）
　また、平成24年度の生乳生産量も135万8千tで、全道生乳生産量393万1千tの34.6％を占めており、全道有数の大規模酪農専業地帯を形成しています。（ホクレン調べ受託乳量）

　管内の森林は、阿寒山系の白糠、阿寒及び弟子屈地域を中心に分布しており、平成26年の森林面積は56万2千haで、全道の森林面積554万2千haの10.1％を占めています。
　樹種は、主としてトドマツ、エゾマツ、カラマツ等の針葉樹と、ナラ、カンバ、シナノキ等の広葉樹から形成されています。また、これを所有別にみると、国有林29万3千haの52.1％が最も多く、次いで私有林19万1千haの34.0％、公有林7万8千haの13.9％となり、平成26年の森林総蓄積7,665万7千m3は全道の10.0％を占めています。（平成25年度北海道林業統計）

　管内の水産業は、北洋漁場に近い上、暖流と寒流が交わる好漁場が沖合いにあるため、釧路港、根室港を中心に全国的にも有数の水産物供給基地として重要な役割を果たしています。主要魚種は、サンマ、スケトウダラ、サケ等の回遊性の多獲魚が多く、また、沿岸漁業では「とる漁業から育てる漁業」への転換を目指し、栽培漁業の振興が進められてきています。
　平成25年の管内漁獲量は33万9千tであり、全道の漁獲量123万9千tの27.3％を占めています。（平成25年北海道水産現勢）

　管内の工業は、水産、畜産資源を背景にした食料品製造業が中心で、パルプ・紙製造業も盛んです。
　工業の平成23年の事業所数は、519で全道6,078の8.5％、製造品出荷額は5,456億7千7百万円で全道6兆521億3千3百万円の9.0％を占めています。
　また、商業の平成24年の事業所数は2,929で全道42,813の6.8％、年間販売額6,813億2千万円で全道14兆8,909億3百万円の4.6％を占めています。（平成24年経済センサス活動調査）

　管内は、世界自然遺産に登録された知床をはじめ、阿寒、釧路湿原の三つの国立公園と野付・風蓮、厚岸、斜里岳の
三つの道立自然公園を有するなど、風光明媚(ふうこうめいび)で自然豊かな観光資源に恵まれています。平成21年に「知床」、平成22年に「釧路湿原・阿寒・摩周」が観光庁から観光圏に認定され、これらの恵まれた自然環境と良質な食の生産を背景に、これまでの見る観光から体験・滞在型観光への取り組みが進められています。
　平成25年度の管内観光客入り込み数は、806万人で全道の1億3,179万人の6.1％を占めています。（平成25年度北海道観光入込客数報告書）