全道に広がる道路ネットワーク網-札幌新道、旭川新道、室蘭新道

北旭川大橋の写真
平成3年に完成した旭川新道の北旭川大橋

渋滞緩和などに大きな効果

北海道開発局が整備した国道のうち、「新道」と呼ばれる道路は数多くあります。昭和時代では、47年の冬季オリンピック札幌大会開催に向けて札幌新道が整備されたほか、56年には道内で最初の自動車専用道路として室蘭新道が完成しています。平成に入ってからは旭川新道、函館新道、釧路新道などが供用開始になり、市街地の渋滞緩和や事故防止、走行時間短縮など、安全で快適な地域の交通ネットワーク網形成に大きな役割を果たしています。

昭和50年代に完成した新道

札幌新道は、札幌市西区から札幌市清田区にかけて札樽自動車道や道央道と併行して整備された道路です。全長は約25キロメートル。新道としては道内最長です。札幌オリンピックの前年の昭和46年に宮の沢-北34条間が完成し、その後も整備を進め、56年には札幌南ICまでが開通。残りの約4㎞は札幌市が整備し、平成27年に全線が開通しました。

札幌新道と並んで歴史が古いのは室蘭新道。約4.2キロメートルの自動車専用道路として昭和46年着工、昭和56年に完成しました。開通により当時深刻化していた市内の渋滞が大幅に緩和されました。市内ではその後、入江高架橋 (昭和61年完成) や白鳥大橋 (平成10年完成) が整備され、市内の交通環境は大きく改善しました。

貴重なバイパス道路として活用

旭川市台場地区から同市永山地区に至る14.1キロメートルの旭川新道は、平成7年度に暫定2車線で供用を開始し、20年度に4車線供用となりました。岩見沢方面と士別・名寄方面、北見方面を行き来する車にとって市街地を通らず通行できる貴重なバイパス道路です。

このほか、道南圏の高速ネットワーク網の「幹」となっている函館新道、帯広や根室方面へのアクセスを大きく改善した釧路新道など、全道各地で「新道」は生活と経済を支え続けています。

「道に歴史あり」-本願寺街道

「新道」の草分け的存在は、明治4年に完成した「本願寺街道」です。胆振管内の尾去別(現在の伊達市)から札幌市平岸に至る約103キロメートルの道路です。明治政府の許可を得て東本願寺が工事を担い、わずか1年3カ月で完成させました。しかし、明治6年に函館から千歳を経由し札幌をつなぐ「札幌本道」が完成すると、本願寺道路を使う人は少なくなります。その後も整備されますが、鉄道発達によりほとんど利用されなくなります。それから歳月は流れ、昭和25年に国道230号となり、北海道開発局が整備を進め、現在の道路となっています。「道に歴史あり」ですね。

本願寺街道の画像