「海産物は北海道ブランド」の代名詞―豊かな海産物の供給を支える漁港

防氷堤の写真
流氷による漁業施設被害を防ぐサロマ湖のアイスブーム

北海道は、わが国最大の水産物供給基地として重要な役割を担っています。武蔵堆などの好漁場に恵まれ、ホッケ、ホタテ、スケトウダラ、サケ・マス、コンブ類の水揚げシェアは全国一位。「北海道ブランド」として全国各地・各家庭の食卓などへ広く提供されています。その生産・流通拠点となる北海道内の漁港は243港。このうち、全国各地から集結するイカやサンマ漁船など、利用範囲が全国にまたがる第3種漁港 (18港) と、漁場の開発や急な荒天時にも迅速に避難が可能な第4種漁港 (20港) を北海道開発局で整備しています。ちなみに、北海道の重要性が考慮され、漁港を国が整備しているのは北海道だけです。

「つくり育てる漁業」への転換-栽培漁業を支える新たな漁港づくり

北海道の漁業は、大正時代から昭和初期にはイワシやイカを対象とした漁船漁業が中心でした。その後の好景気を背景に漁船の大型化等により、サケ・マス沖合・遠洋漁業が盛んになりますが、200海里水域制限などにより、昭和50年代から衰退していきました。このようなことを背景に、「獲る漁業」から「つくり育てる漁業」への転換が進められてきました。北海道開発局でも、持続可能な漁業を支えるための漁港整備を積極的に進めてきました。

代表的な事業として、サロマ湖漁港では、湖に押し寄せる流氷によってホタテ養殖施設などが被害を受けていましたが、ワイヤネットで流氷を受け止めるアイスブーム (防氷堤) を海洋構造物としては世界で初めて整備しました。施設が完成した平成10年以降、養殖施設の被害はなくなりました。

室蘭市の追直漁港では、良好な磯根漁場を守り、静穏な増養殖水面を創出する養殖支援基地 (Mランド) の整備を進めました。

水産業の発展に欠かせない漁港は、今後も地域の水産振興を支える「漁村」のランドマークとしての役割を担っていきます。

養殖支援基地の写真
養殖支援基地として水産業を支える追直漁港のMランド

地域と育む「北海道マリンビジョン21」

北海道の水産業を守り育てていくため、将来のあるべき姿を定めた長期構想が「北海道マリンビジョン21」。北海道開発局では、この構想を推進するために、道内各地域の関係者と連携し、水産物のブランド化や商品開発、地元ダイバーと協同した藻場造成、地元の小学生たちによる稚魚の放流、将来にわたり豊かな漁場を育むための植樹活動など、持続可能な漁業に向けた取組を行っています。

関連動画