現場の生産性革命実現を-i-Constructionが現場を一新

ドローンとマークの画像
i-Conで活用されているドローンとマーク

建設現場の生産性向上が急務の課題

くらしや産業を支える社会資本の整備や維持管理の担い手として、また激甚化・多様化する自然災害に対する地域の守り手として、建設産業の果たすべき役割はますます重要となっています。

一方、北海道は全国よりも10年先行して人口減少や高齢化が進んでいます。建設産業でも、担い手の確保・育成が重要な課題となっていて、建設現場などの労働環境の改善を進めるとともに、限られた人員の中、品質と安全性の確保に向けて生産性向上をより一層進める必要があります。

平成28年が「生産性革命元年」に

国土交通省は平成28年を「生産性革命元年」と位置付け、調査・測量から設計、施工、維持管理までのあらゆるプロセスでICT (情報通信技術) などを活用して、建設現場における生産性を向上させ、魅力ある建設現場を目指すi-Construction (以下i-Conと表記) を本格的にスタートさせました。

北海道開発局では、平成28年に推進本部を立ち上げました。i-Conの推進に際しては①ICT技術の全面的な活用②コンクリート工の規格の標準化等③施工時期の平準化等の三つを柱に取り組むこととしています。この中でも鍵となるのは「ICT技術の全面的な活用」です。

進化を続けるi-Con

これまでは、作業員が現場を歩いて測量し、図面に起こし、それに基づき熟練したオペレータが重機を動かして工事を行うのが一般的でした。ICTの活用により、例えば、レーザースキャナーを搭載したドローンを飛ばして測量し、そのデータを元に3Dの設計図を作り、これを重機に読み込ませて半自動制御で工事を行います。これにより、若手のオペレータでも熟練者並みの施工ができるようになります。

測量設計から施工・維持管理までの一連の工程をICTで連携させる取組はCIM (注記) と呼ばれ、小樽開発建設部が所管する余市-共和道路などで実用されています。

平成28年にスタートしたi-Conは5年目を迎えます。当初の盛り土などの土工から、舗装、浚渫、地盤改良、法面などに拡大し、寒地土木研究所や民間との共同研究による除雪作業の省力化技術 (i–Snow) や堤防除草の効率化技術 (SMART-Grass) といった技術も具体化しつつあります。進化を続けるi-Conに今後もご期待ください。

注記 : CIM (Construction Information Modeling / Management)

ロールモデルとして活用を-i-Con奨励賞を創設

ロゴの画像

i-Conは、これからの建設産業の持続的な発展を考える際、とても重要な取組です。でも、新しい技術の導入は、コストがかかり、人材の育成なども必要です。北海道開発局では、企業の積極的な取組促進と、ロールモデルとして広く活用してもらうことを目的に、令和2年度に「i-Con奨励賞」を創設しました。受賞を目指して、新しい技術にチャレンジする企業が増えればi-Conの一層の活性化が期待できますね。