サンルダムが完成~平成31年3月17日に竣工式が執り行われました~
北海道開発局では、天塩川流域の洪水防御および河川環境の保全、水道用水の供給、発電を目的として、平成5年からサンルダム建設事業を進めてきました。
平成30年度で、事業の完成を迎えたことから、サンルダムの概要とこれまでの経緯をご紹介します。
平成30年度で、事業の完成を迎えたことから、サンルダムの概要とこれまでの経緯をご紹介します。
天塩川流域の概要
サンルダムは、北海道北部を流れ日本海に注ぐ一級河川天塩川の支川であるサンル川に建設した多目的ダムです。
天塩川は、幹川流路延長約256キロメートル(全国で4番目の長さ)、流域面積約5,590平方キロメートルで細長い形をしており、河川沿いの限られた平地を中心に土地利用が進み、人口・資産が集中しています。
流域内には3市8町1村があり、 約8万人の人々が暮らしています。
流域は水田・畑作を主体とする農業が盛んであり、主な農作物は水稲(うるち米、もち米)、かぼちゃ、アスパラガス、大豆等です。また、下流域の天塩平野には優良な酪農地帯が広がっています。
天塩川は、幹川流路延長約256キロメートル(全国で4番目の長さ)、流域面積約5,590平方キロメートルで細長い形をしており、河川沿いの限られた平地を中心に土地利用が進み、人口・資産が集中しています。
流域内には3市8町1村があり、 約8万人の人々が暮らしています。
流域は水田・畑作を主体とする農業が盛んであり、主な農作物は水稲(うるち米、もち米)、かぼちゃ、アスパラガス、大豆等です。また、下流域の天塩平野には優良な酪農地帯が広がっています。
天塩川の位置及び流域図
サンルダムの概要
サンルダムの大きさは、堤高約46メートル、堤頂長約350メートル、総貯水容量は約5,720万立方メートルであり、洪水調節、河川環境の保全のほか、名寄市、下川町への水道用水の供給、ほくでんエコエナジー(株)による発電を目的としています。
事業の経緯
サンルダムより下流の名寄川や天塩川では、昭和48年8月、昭和50年8月、9月、昭和56年8月など数度にわたり洪水が発生し甚大な被害に見舞われました。これらの出水を受け、昭和63年にサンルダムの実施計画調査に着手し、平成5年には建設事業に着手しました。
平成10年にはダム予定地の地権者の皆様のご理解とご協力のもと用地補償基準に妥結・調印することができ、水没家屋13戸の用地補償に着手し、平成12年には移転が完了、平成20年には民有地の用地補償が完了しました。
その後、平成25年にダム本体工事に着手、平成29年にダム本体の打設が完了し、平成30年6月から試験湛水を開始し、平成31年2月に無事完了しました。
平成10年にはダム予定地の地権者の皆様のご理解とご協力のもと用地補償基準に妥結・調印することができ、水没家屋13戸の用地補償に着手し、平成12年には移転が完了、平成20年には民有地の用地補償が完了しました。
その後、平成25年にダム本体工事に着手、平成29年にダム本体の打設が完了し、平成30年6月から試験湛水を開始し、平成31年2月に無事完了しました。
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試験湛水の状況(平成31年1月)
洪水時最高水位に到達し非常用吐水路から試験放流中
ダムの試験湛水は、通常運用を行う前に洪水時最高水位まで貯水位を上昇させた後、所定の高さまで水位を降下させ、ダムの安全性を確認するものです。サンルダムでは、試験湛水の期間中、漏水量や堤体の動きの観測、貯水池周辺の地山の安定性などの監視を24時間体制で行いました。
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試験湛水開始前(平成30年6月)
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洪水時最高水位まであと2cm!(平成31年1月)
【スライドショー】サンルダムができるまで(ダイジェスト版)
サンルダムの特徴
台形CSGダム
サンルダムは、台形ダムとCSG工法の特徴を併せ持つ「台形CSGダム」という型式を採用しています。
「CSG」とはCemented Sand and Gravelの頭文字で「セメントで固めた砂礫」という意味です。台形CSGダムの構造は、堤体内部をCSGで構築し、表面は耐久性や遮水性を確保するため、コンクリートを用いて保護します。
「CSG」とはCemented Sand and Gravelの頭文字で「セメントで固めた砂礫」という意味です。台形CSGダムの構造は、堤体内部をCSGで構築し、表面は耐久性や遮水性を確保するため、コンクリートを用いて保護します。
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台形CSGダム断面図
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台形CSGダムは、設計、材料、施工の三つの合理化を同時に達成する新しい型式のダムであり、国内での採用事例はまだ少なく、サンルダムは全国で4例目(北海道で3例目)となります。
台形CSGダムの特徴は次のとおりです。
(1)設計の合理化
一般的な重力式コンクリートダムは、断面が直角三角形形状であり、大きな強度のコンクリートが必要となります。
一方、台形CSGダムは、台形形状にすることにより、耐震安定性が向上し、堤体材料の必要強度を小さくすることができます。
(2)材料の合理化
一般的な重力式コンクリートダムでは、骨材製造設備を設け、原石を破砕、分級(ふるい分け)、洗浄、骨材の計量・混合等を行い、高品質の骨材を製造する必要があります。
一方、台形CSGダムでは、堤体材料の必要強度が小さいため、材料に対する要求性能が低く、材料選定の自由度が大きいことから、ダム近傍の貯水池内の河床砂礫を採取し玉石を取り除くのみで堤体材料としていています。
(3)施工の合理化
簡易な施工設備により、迅速に施工することができます。
これらの合理化により、サンルダムでは1年間で高さ30メートル以上の堤体打設を行うことができました。
台形CSGダムの特徴は次のとおりです。
(1)設計の合理化
一般的な重力式コンクリートダムは、断面が直角三角形形状であり、大きな強度のコンクリートが必要となります。
一方、台形CSGダムは、台形形状にすることにより、耐震安定性が向上し、堤体材料の必要強度を小さくすることができます。
(2)材料の合理化
一般的な重力式コンクリートダムでは、骨材製造設備を設け、原石を破砕、分級(ふるい分け)、洗浄、骨材の計量・混合等を行い、高品質の骨材を製造する必要があります。
一方、台形CSGダムでは、堤体材料の必要強度が小さいため、材料に対する要求性能が低く、材料選定の自由度が大きいことから、ダム近傍の貯水池内の河床砂礫を採取し玉石を取り除くのみで堤体材料としていています。
(3)施工の合理化
簡易な施工設備により、迅速に施工することができます。
これらの合理化により、サンルダムでは1年間で高さ30メートル以上の堤体打設を行うことができました。
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堤体打設高EL.144.5m程度(基盤から約7m打設)
ダムサイト(平成28年(2016年)7月27日撮影)
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堤体打設高EL.177.5m程度(基盤から約40m打設)
ダムサイト(平成29年(2017年)7月26日撮影)
サンルダムの魚道について

竣工式(平成31年3月17日)
平成31年3月17日に、上川郡下川町において、北海道開発局旭川開発建設部の主催でサンルダム竣工式が盛大に執り行われ、式典には約250名が参加しました。
式典は、樺澤旭川開発建設部長の式辞ではじまり、続いて、事業者代表として工藤国土交通大臣政務官の挨拶が行われ、その後、来賓である国会議員、北海道知事、名寄市長(天塩川治水促進期成会長)、地元下川町長から祝辞をいただきました。
式典は、樺澤旭川開発建設部長の式辞ではじまり、続いて、事業者代表として工藤国土交通大臣政務官の挨拶が行われ、その後、来賓である国会議員、北海道知事、名寄市長(天塩川治水促進期成会長)、地元下川町長から祝辞をいただきました。
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挨拶する工藤政務官
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くす玉開披
続いて、来賓紹介、祝電披露、正国サンルダム建設事業所長からの工事報告があり、その後、ご来賓や地権者などの方々により、くす玉開披が行われました。結びに、長年にわたりサンルダム建設事業の推進にご尽力いただいた方々を代表して「サンルダム建設と町の活性化を図る会」の夏野会長が、謝辞として、これまでのご苦労された話や今後のダムを活かした取組について思いなどを語られた後、万歳三唱で竣工式が締めくくられました。
おわりに
今後は、天塩川流域の安全・安心を確保していくため、ダムの適切な運用・管理に努めていきます。また、完成するサンルダムを活用したまちづくりについても、引き続き地域と連携して取り組んで行きたいと考えています。
雄武(おうむ)町森林火災の消火活動への支援
