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WEB広報誌 かいはつグラフ2012.4 特集

WEB広報誌かいはつグラフ

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 地球温暖化の原因となっている二酸化炭素(CO2)は、私たちのエネルギー消費によって増え続け、異常気象など地球規模での環境影響が懸念されています。 日本国内のCO2排出量の内訳をみると、産業分野から排出されるCO2の量は全体の36%、そのうち建設関連からの排出量は24%にあたるというデータがあります。重機やトラックなどの多くの建設用機械が働く土木建設現場からもCO2が排出されているのです。 そこで、工事の発注者である北海道開発局と施工業者が協力して、土木建設現場のCO2削減のための取組を行うこととしました。

「環境家計簿」で建設現場でもCO2の削減を

 北海道開発局が発注する工事において平成21年度から『CO2削減の見える化「環境家計簿」』の試行を始めました。
  工事を実施する前に、その現場に応じたCO2削減策を検討。土木の建設現場で消費される軽油、灯油、電力を削減する具体的な取組を行います。
 そして、毎日、軽油や電力の消費量から排出されるCO2の量を計算し、「環境家計簿」に記録し、「見える化」していくことで、CO2の削減につなげていこうというものです。
  • 建設施工現場のエネルギー別使用比率

平成23年度の環境家計簿の取組の結果がまとまりました。

 北海道開発局では道内350工事で環境家計簿の取組を行い、施工方法の工夫などの先進的取組のほか、省エネ運転、アイドリングストップ、運搬距離の短縮など削減活動を実施しました。  これら平成23年度の取組で削減されたCO2の量は1,409トンで、主なCO2削減活動でとしては、アイドリングストップ、省エネ運転、施工方法の工夫が実施されました。 また、アンケートでは試行工事の受注者の95%がCO2削減に対する現場での意識変化の効果を確認しているという結果が得られました。
 土木建設現場ではCO2削減のためにどのような取組が行われているのでしょうか。
 環境家計簿を使った試行的な取組を行った一般国道337号マオイ改良工事の現場で札幌開発建設部千歳道路事務所工務課の菅野第2工務係長にお話を伺いました。
菅野係長
—— CO2の削減に向けてどのようなことに取り組んでいますか?

 土木工事の現場でのCO2の発生源は、主に、工事の作業に使われる重機などの燃料である軽油、現場の事務所などで使われる電力、暖房などに使われる灯油です。 そのなかで、もっとも多く使われるのは燃料の軽油ですから、CO2削減の取組は重機やトラックなどの燃料に使われる軽油をいかに削減するかにかかっています。 もちろん、現場事務所での照明などの節電をはじめ、夏場の冷房、暖房の設定温度の調整も行い、灯油や電力の使用量を抑えています。
点検
—— 環境家計簿を付けるようになって以前と変わったことは?

 やはり意識が変わりました。工事現場でのCO2の削減といっても、みなさんの家庭で取り組んでいることと基本的には一緒なんだと思います。まずは「意識する」こと、そして「こまめに実行する」こと。 現場の皆が取り組まないといけないわけですから、安全講習会などの場で「環境家計簿」の取組などの趣旨を説明するとともに、省エネ運転の方法など具体的な話もしました。
 また、「環境家計簿」に軽油や電気の使用量など具体的に数字を入れ、確認していくと、やはり真剣になりますね。

—— この現場は情報化施工のモデル工事の現場でもあるそうですね。
 
 そうです。情報化施工というのは設計データを搭載した重機や測量機器を使用し、データに従って施工する最先端の技術です。 例えば、道路を造るために「盛り土」という土を盛る工事を行う場合、決まった高さと角度で正確に土を盛っていかなくてはなりません。そのため、「丁張り」(ちょうはり)という高さの基準となる杭と杭の間に糸を張って計測作業を繰り返しながら、盛り土を行っていくのです。 それがGPSの受信機を搭載した重機を使うと、衛星からの位置情報により盛った土の高さを自動的に正確に測りながら工事を進めることができ、「丁張り」を設置する必要もなく、計測作業も不要になります。つまり、作業工程が簡略化されることによって、工期が短縮され機械の稼働時間が減ることで、使用する燃料も削減されるわけです。
 アイドリングストップや節電など、こまめな取組ももちろん大切ですが、情報化施工の導入など作業工程の効率化もCO2削減に大きな効果があると思います。
重機
—— 今後もこうしたCO2削減への取組を進めてきますか?     

 ひとつひとつの現場、ひとりひとりの意識が変わることが大切だと思いますが、ただ 意識するだけではなく、環境家計簿を付け、記録していくという取組が重要だと思いま す。削減効果が具体的な数字になってでてくるのというのは、取組に対する意欲も沸きますし、効果もさらに上がると思います。 建設現場から排出されるCO2が削減されることで、少しでも地球温暖化ストップにも貢献していけたらと思っています。

(※役職等は平成23年度取材当時のもの)
■環境家計簿って?
 削減されたCO2量がどのくらいの量に相当するのかといっても、目に見えないものを削減するのはなかなか難しいものです。   
 そこで、考案されたのが、電気、軽油などのエネルギー使用量からCO2の排出量を計算し、記録していくための「環境家計簿」です。自治体や民間企業でも一般家庭向けの環境家計簿を作成し公開していますので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。様々な様式がありますが、電気、ガス、水道、ガソリンの使用量や燃えるごみなどの量に係数を掛けて、CO2の排出量が簡単に計算できるようになっています。

お問合せ先

開発監理部 広報室

  • 電話番号:011-709-2311
  • ファクシミリ:011-709-8995

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