コラム
「わが村は美しくー北海道」運動コラム
『一般社団法人 積丹やん集小道推進協議会(旧積丹町美国鰊場遊歩道「やん集小道づくり」推進協議会)』(積丹町)(No69)
今回は、積丹町で活動する『一般社団法人 積丹やん集小道推進協議会(旧積丹町美国鰊場遊歩道「やん集小道づくり」推進協議会)』(第5回コンクール参加団体)の「ニシン漁文化の保全を発端とした地域づくり活動」について、取材した内容を紹介します。
~積丹やん集小道推進協議会の活動~
かつて北海道有数の鰊漁場として栄えた積丹町美国。この地で『一般社団法人 積丹やん集小道推進協議会』は、積丹のニシン漁文化や歴史的景観を守りながら、観光や交流を生み出す地域づくり団体として活動しています。「地元住民や観光客にゆっくり安らいでほしい」、「歴史的建造物の価値や文化、地域の景観を次世代へ残したい」といった思いで、「鰊伝習館ヤマシメ番屋(以下:番屋という)」と「ヤマシメ石蔵(以下:石蔵という)」の保全・維持・管理を平成20年から続けています。(ちなみに団体名の「やん集」は、ニシン漁で働く「若い衆(わかいしゅ)」が訛った「やん衆」に由来するそうです。)
活動開始当初、同様の建物は20軒ほどありましたが、そのほとんどが解体・売却され、姿を消しました。積丹町が保有する番屋「ヤマシメ福井邸(現:鰊伝習館ヤマシメ番屋)」(写真左)も例外ではなく、存続の危機を知った地元有志5人が町へ保存活動を提案し、了承を得たことで建物の保存活動が始まりました。代表の成田さんは当時を振り返り、「雨漏りしてぐしゃぐしゃに腐った畳をスコップで廃棄するなど、大変な修復作業であったと語ります。その甲斐あって、現在では一般開放できるまでに修復が進み、保存するだけでなく、「活用する」ことで積丹町にまつわる歴史と文化の発信を続けています。
現在、番屋は、資料館やカフェ、イベントの場として5月上旬~10月上旬にかけて営業しています。カフェでは、積丹で捕れた魚介を使用したシーフードカレーや挽きたてのコーヒー、甘いデザートを楽しむことができます。中でも、名物は「岩のりのおにぎり」と「三平汁」といった郷土料理です。これらは、今は廃村になった集落「浜婦美(はまふみ)」で生まれ育った95歳のおばあちゃんが、ニシン漁の全盛期に出稼ぎに来た漁師さんにふるまっていた食事を再現したものです。一度、食してみたいと楽しみにしていましたが、伺った当日はなんとカフェの定休日!!・・・。次回積丹に訪れる時の楽しみにします。
また、番屋では毎月24日を「鰊(にしん)の日」として、ボランティアガイドを交えた懇談会を開催するなど、かつてのニシン漁の暮らしや文化を伝えるイベントも行っています。地域のお年寄りがメンバーとなり、訪れた人に自身の体験や技術を付加価値としておこなう交流は唯一無二です。そして、建物を中心とした、魅力的で統一感のある景観は、「また来たい」と思わせる「人の交流」の起点となっているようにも思えました。
続いて、石蔵をのぞいてみると、「風の谷のナウシカ」の「オーム」や「シン・ゴジラ」のキャラクターデザインで知られる、積丹町ゆかりの造形作家・竹谷隆之氏が撮影した写真が、まるでギャラリーのように美しく飾られていました。この石蔵は主に、関連団体が行う体験プログラム「海森学校」を中心に活用されており、手作りの教材を使いながら自然や地域資源を活かした教育活動が展開されています。
「見る観光」から「体験する観光」へと変化する中で、この石蔵は、渚の生き物とふれあうことを授業の一環として取り入れており、地元のNPOや保存会の方々のご協力のもと、子どもから観光客まで楽しめる取組に活用されています。このような「観光・文化・教育」が一体化した地域内外の人の交流促進に石蔵が使われています。
積丹地域を取材してみて、手入れが行き届いた美しい「景観」と人が集まり関わることで生まれる「交流」との相互作用による数々の取組によって、地域の魅力を高めていることを知り、かつてアイヌの人々が「シャク・コタン(夏の集落)」と表した自然豊かな積丹半島のすばらしさを改めて実感しました。
近くに訪れた際にはぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
◆◇鰊伝習館ヤマシメ番屋◇◆
【施設所在地】積丹町大字美国町字船澗39番地
【営業期間】5月~10月上旬 ※定休日は火・水曜日
【営業時間】9:00~16:00 ※入場無料
【お問合せ】0135-44—2100
◎「列車と楽しむ北海道マガジン The JR Hokkaido」の掲載情報
R7.9月にJR車内誌「The JR Hokkaido」よりリニューアルされた「列車と楽しむ北海道マガジンThe JR Hokkaido」(デジタル版)には、掲載されている記事などの最下段に関連サイトとして、「わが村は美しく-北海道」運動 のバナーが付いています。このバナーより、わが村団体の活動などを紹介する「コラム」やわが村「Facebook」などのほかに、JR車内誌「The JR Hokkaido」にこれまでに掲載された、わが村団体の紹介記事「わが村は美しく」(2023.10月号~2025.9月号)をアーカイブで見ることができますので、是非こららもご覧ください
『釧路みなとオアシス協議会 おもてなし部会(旧 釧路港おもてなし倶楽部)』(釧路市)(No68)
「釧路みなとオアシス協議会」では、クルーズ船寄港時のおもてなしを通じて、地域に新たな賑わいを生み出すとともに、地域住民と来訪者との交流促進、さらには地域の魅力向上につながる取組を行っています。
クルーズ船の入港時には、岸壁に歓迎の横断幕を掲げて、乗客の皆さんをお迎えするとともに、地元で水揚げされた海産物の味噌汁を無料提供するなど、到着したその瞬間から釧路ならではの味や雰囲気を楽しめます。
私も何度か現地を訪れましたが、港周辺では地元特産品や加工品の販売ブース、軽食を提供するキッチンカーが出店していて、港一帯がにぎわいに満ちた空間となっており、来訪者を歓迎するようなあたたかな雰囲気を感じました。
さらに、クルーズ船のデッキから笑顔で手を振る姿や、景色やおもてなしの様子をカメラに収める来訪者の様子が見られ、おもてなしの想いがしっかりと届いていることを感じることができました。
『野菜直売所』(「にじいろファーム」(七飯町))(No67)
そして、自ら経営する直売所では50軒を超える農家さんと協力して山菜、果物などを含めて年間約200種類の野菜などを販売しており、時期や収穫状況に応じて野菜の詰め放題も楽しめます!
私もお店にお伺いして、生の「白かぶ」に味噌マヨをつけて食べるのが「にじいろファーム」のおすすめとのことで、「白かぶ」を購入し早速お家で食べてみました。取れたての「白かぶ」は新鮮で甘みがありとてもみずみずしく、味噌マヨで食べるとより一層おいしく感じられました。
昨年からスマホ決済以外にも、クレジットカードと電子マネーが利用できるようになり、お買い物がより一層便利になりました!
直売所は毎年4月中旬~11月末頃まで営業していますが、今年も4月11日(土)から営業を開始し、オープン初日や週末には多くの方が訪れて買い物を楽しんでおり、店内はとてもにぎわっています。6月からは「白かぶ」のほかに「大根」や「さやえんどう」もおすすめ野菜になります。
七飯の新鮮な野菜や春や秋には山菜等季節の味覚を楽しめますので、是非お立ち寄りください。
【営業期間】4月11日(土)~11月下旬頃まで
※営業期間中無休(冬季期間(12~3月)は休業)
【営業時間】8:30~15:00まで
【住 所】亀田郡七飯町桜町37-1
【お問合せ】070-4002-5623(営業時間中のみ)
「やなぎやふぁーむ【ファーマーズキッチンTOKO-TOKO】」(清里町)(No66)
◆◇カフェ開業の経緯と「玉ちゃんまん」◇◆
カフェを開くに至った経緯は、元々農協職員だった亜紀子さんは農家に嫁いで一緒に農業をやっていましたが、この地域は小麦やじゃがいもなど粉物になる作物が中心で、消費者にどう届いているのか実感が湧きませんでした。そこで、義母がたくさん作っていた自家用野菜を袋詰めし、直売のようなことを始めたところ、長年リピートしてくれるお客さんもつきました。「もっと何か違うことをしたい」と模索していた時に東京農業大学オホーツクキャンパスの社会人講座(創生塾)の1期生として2年間学びました。そこで出会った紋別の喜多牧場の方と意気投合し、柳谷さんの玉ねぎと喜多牧場の紋別上渚滑豚を使った肉まん「玉ちゃんまん」を思いつき、2012年10月にプレハブでテイクアウトのお店をスタートさせました。
◆◇お弁当販売から念願のカフェへ◇◆
テイクアウト店の傍ら、役場や農協などに野菜たっぷりのランチボックスの受注生産を始めたところ大変好評でした。お客さんから「カフェみたいなところで食べたい」という声をいただき、夫の克彦さんも「イートインスペースが欲しい」と言っていたことから、2017年に現在のカフェをオープンしました。カフェを開く際、克彦さんが急に「俺はコーヒーを淹れるマスターをやりたい」と言い出したことをきっかけに、克彦さんがカフェの表に立ち、亜紀子さんが裏で作るという良いパートナーシップでやっています。
◆◇農業とカフェの両立・メニュー開発◇◆
農業とカフェの両立で大変なことは、時間が足りないことです。畑の草むしりを終わらせたいのに、明日からはカフェの仕込みというようなせめぎあいが常にあります。カフェのメニューは、食べることが好きだったので、自分が美味しいと思うものを作りたくて、料理本を100冊以上買って独学で学んだそうです。実は分量を間違えた失敗から生まれた「トマトカレー」が今では人気商品になっていたり、「じゃがいも焼酎ケーキ」といった商品も生まれたりしています。
現在は小麦、ビート、でん粉用じゃがいも、玉ねぎ、スイートコーンなどを出荷用に生産しつつ、カフェ用の野菜もハウスや露地で多品種作っています。夏場はほぼ自分のところの野菜で賄えますが、冬場は夏に取れたものを冷凍ストックしたり、どうしても手に入らないものは買ったりして対応しています。
以前は他の町のイベントにも出店していましたが、せっかくお店に来てくれたお客さんがお休みだと申し訳ないと思い、今は自分のお店に来てくれるお客さんを大事にして、満足できるサービスを提供したいと考えており、今は町内のイベントにだけ出店しています。ケーキのテイクアウトの要望もありますが、町内には他にも専門に扱っているお店がありますし、時間が経って味が落ちる心配やスタッフの負担を考慮してお断りしています。
お客さんは地元が2〜3割で、車で2時間圏内の遠方から来てくださる方が2〜3割、それ以外は観光で見えられる方が多いです。現在は年間100日ほどの営業ですが、今後はもう少し営業日を増やし、長く店を続けていきたいとのことです。
今回、筆者はランチメニューとして食べることができる「ランチプレート(副菜・ライス・スープ付)」の中の「ハンバーグ(デミソース)」を選んで食べてきました。自家栽培の野菜を数多く使った「副菜」(野菜の取れる季節により副菜の内容は変わります)はいろいろな味が楽しめ、喜多牧場(紋別市)産の紋別上渚滑豚と牛肉を使った「合い挽きハンバーグ」は豚肉の割合が多めで柔らかく、しっかりとした味になっています。また、「ライス」は北見市端野産のお米を使っており、細部まで産地にこだわったプレートでした。
食後のデザートとして頼んだ「本日のチーズケーキ」、この日はティラミス風でしたが、筆者は柔らかめのものしか食べたことがなく、こちらのものは水分少なめのしっかりとした硬さのもので、マスカルポーネチーズの味もフレッシュなのに強いコクが感じられ、ここでしか味わえないものとなっています。
最後にドリンクですが、「ハニーカフェラテ(アイス)」を選んでみました。清里町で採れたハチミツを使っており、最初は2層になっていて、まずは下のミルクとハチミツの味を堪能し、その後に混ぜて飲むというスタイルでした。ハチミツは優しい甘みで独特の風味もあり、大変おいしくいただきました。
また、食事の注文時にテイクアウト用の「玉ちゃんまん」も注文し、お土産として購入して帰りました。見た目もタマネギに似せた形をしていて、種類ごとに焼き印が入っていてわかりやすくなっています。
オホーツク管内の様々な食材を使い、マスターがいる日は機械ではなく、コーヒー豆を選びハンドドリップにて入れてもらえる、こだわりがたくさん詰まったカフェとなっています。皆さんもこちらへお越しの際は、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか!
【ファーマーズキッチン「TOKO-TOKO café」】
・店舗住所:清里町羽衣町42番地
・営業時間:11:00~18:00(ランチは15:00まで)
※定休日:月~水曜日 ※農繁期はお休み
・お問合せ:TEL 0152-26-7095
「けんぶちキヌア生産普及組合」「絵本の里 けんぶちVIVAマルシェ」(剣淵町)(No.65)
今回ご紹介するのは、剣淵町の「けんぶちキヌア生産普及組合」(第10回コンクール優秀賞受賞団体)と「絵本の里 けんぶちVIVAマルシェ」(第7回コンクール大賞受賞団体)が栽培と商品の製造・販売を担い、スーパーフードとして更なるブランド化を進めている『けんぶち産キヌア』です。
キヌアはペルーなどの南米アンガス地方原産のヒユ科アカザ亜科の雑穀で、低糖質で必須アミノ酸が豊富に含まれるなど栄養価・機能性の高さから、近年スーパーフードとして注目を集めています。白米と比較して、食物繊維は約10倍、カルシウム・マグネシウムは約7倍、鉄は約6倍、ビタミンB2は約10倍含まれています。また、キヌアは「グルテンフリー」なので、小麦アレルギーの方でも安心して食べられるほか、ベジタリアンやヴィーガンの方、健康志向の高い方などにも愛用されています。
剣淵町では平成21年に観光牧場である「VIVA アルパカ牧場」がオープンし、そのアルパカがきっかけでペルー共和国との交流を深めています。この交流が縁で平成27年度からキヌアの栽培を開始しました。当初は発芽不良や病害虫などの影響もあり、収穫が上手くいきませんでしたが、試行錯誤を繰り返した結果、8年目にやっと高品質なキヌアを安定的に生産・供給する体制を確立することができたそうです。
生のキヌアは白米と一緒に炊いて食べたり、焙煎キヌアをサラダやヨーグルトにトッピングしたりして、私も食べてみましたが、くせがなくプチッとした食感で、健康にも良いことから我が家でも今後、色々とアレンジを楽しんでいこうと思っています。みなさんも「けんぶち産キヌア」をぜひ味わってみては如何でしょうか!
【お問合せ】TEL:0165-26-7120(けんぶちVIVAマルシェ)