十勝川中流部川づくりワークショップ(第3回)議事概要
十勝川中流部川づくりワークショップ(第3回)議事概要
日時: 平成22年12月2日(木曜日) 18:00~20:50
場所: とかち館2階 鳳凰の間
出席状況: ワークショップメンバー(全25名):22名が参加
オブザーバー(全5名):5名が参加
一般傍聴者:6名が参加
場所: とかち館2階 鳳凰の間
出席状況: ワークショップメンバー(全25名):22名が参加
オブザーバー(全5名):5名が参加
一般傍聴者:6名が参加
議事概要
1.講演:「十勝川を十勝平野の自然史の中で考える」
・十勝平野や十勝川の生い立ちなどについて、高倉氏より講演を頂いた。
2.ワークショップメンバーから寄せられた意見の取りまとめについて
・寄せられた意見をもとに、各要素を実現性や機能の面から区分・整理した事務局案の内容について、資料-2と資料-3により事務局から説明。
3.テーブル討論
・資料-2に整理した各要素の区分について、A~Cの3テーブルに分かれてグループ討論を行った。
4.テーブル発表
・各テーブルでの討論の結果を代表者が発表。
5.第4回ワークショップへの確認
・次回ワークショップでは、中流部の川づくりについて実際にどういう形で考えていくべきか、今回討論した要素や要素同士のつながりを踏まえながら、写真や図面に描いていく作業を各グループに分かれて行うことを予定。
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高倉氏の講演状況
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テーブル発表の状況
【十勝川中流部川づくりワークショップ(第3回) 議事要旨】
1.テーブル発表
(Aグループの代表発表)
[実現可能性のある要素]
・撹乱環境が必要な生物の保護やゴミの不法投棄の防止、花火鑑賞への配慮などから、河道内のヤナギをある程度伐採しても良いのではないかという意見が出された。
・より人々に親しんでもらえるようワンドや湿地、瀬、淵などがあればとの意見があったが、ワンドや湿地を維持していくことはなかなか難しいことなので、造成するにあたっては川の性質をよく理解した上で行うことが大事。
・これまでの事業で成功したものや失敗した事例などをもとに検討してはどうか。
・ 河畔林の伐採や河川工事を行うと、それだけでどこか悪いイメージを持たれているように思う。より一層工事に関する情報公開や理解してもらう努力が必要ではないか。
・特に十勝大橋の付近では、花火大会など人々が集まる機会を利用して、集まった人々にゴミ問題をPRするなどしてはどうか。
(Bグループの代表発表)
[十勝川中流部の河道掘削で念頭に置く考え方~理念]
・日高山脈、大雪山から大動脈として太平洋へと流れる十勝川。大自然の物質循環を理念とする。
・また、地域の活性化や、川と人との付き合い方を考える、川文化を学ぶ場を理念に加えた
・象徴として、イトウが生息できるような川づくりを理念としたい。
[実現の可能性のある要素]
・川は自由に動くものとの前提で、河原、淵、瀬、蛇行、氾濫機能などの要素は多様性が生まれるための欠かせない条件。
・ワンド、湿地も掘削の仕方により実現の可能性があり、河道法面の多様化によって緩やかなエコトーンが生まれるのではないか。
・礫河原の保全。河畔林の伐採は場所によっては必要。
・タンチョウの採餌・生息やワシ、カワセミ、ショウドウツバメの生息環境も実現の可能性があるのではないか。
・地層や埋もれ木なども十勝川の貴重な財産として残せるものは残す。
・さらに、エコロジーパークの掘削や白鳥護岸でのワンド形成も関係機関と協議をしながら是非検討してほしい。
[将来に向けて]
・将来的には河川利用に関するルールづくりも必要。
(Cグループの代表発表)
・Cグループでは対象箇所ごとに意見をまとめた。
[音更川の合流地点]
・樹林化が非常に進んでおり、流下能が不足している。
[音更川合流点より下流]
・中水敷の樹林化が進んでおり、治水上の課題のほか、キタキツネが多くなっていることからエキノコックスの問題も心配される。
・また、河畔林が多くなると放火など防犯面からの懸念があるほか、ヤナギの花粉の問題、流木化した際の漁業関連の定置網への被害についても心配される。
・その一方で、流木がある程度ないと魚の生息環境にも影響する。
・樹林化防止の観点から、河道の掘削は年に2、3回冠水するような高さが良いという意見もあった。
・流下能力を確保するに当たっては、河畔林の功と罪を踏まえて、河畔林伐採での対応と掘削での対応のバランスをとることが大切。
[白鳥護岸]
・治水と観光の両立や、ネイチャーセンターで行っているボート下りについても配慮していきたい。
[川づくりにあたっての考え方]
川のフィールドミュージアム(川の博物館)という発想がよいのではないか。
(基本的に安全を確保しながら、生きている川の侵食、運搬、堆積のダイナミズム、それに対応して作り出される多様な生態系、撹乱された生態系をセットで丸ごと展示できるようなもの)
[支流の保全]
・十勝川に流れ込んでくる支流をしっかり保全することによって、ニホンザリガニも外来種から保護できるのではないか。
[実現可能性のある要素]
・撹乱環境が必要な生物の保護やゴミの不法投棄の防止、花火鑑賞への配慮などから、河道内のヤナギをある程度伐採しても良いのではないかという意見が出された。
・より人々に親しんでもらえるようワンドや湿地、瀬、淵などがあればとの意見があったが、ワンドや湿地を維持していくことはなかなか難しいことなので、造成するにあたっては川の性質をよく理解した上で行うことが大事。
・これまでの事業で成功したものや失敗した事例などをもとに検討してはどうか。
・ 河畔林の伐採や河川工事を行うと、それだけでどこか悪いイメージを持たれているように思う。より一層工事に関する情報公開や理解してもらう努力が必要ではないか。
・特に十勝大橋の付近では、花火大会など人々が集まる機会を利用して、集まった人々にゴミ問題をPRするなどしてはどうか。
(Bグループの代表発表)
[十勝川中流部の河道掘削で念頭に置く考え方~理念]
・日高山脈、大雪山から大動脈として太平洋へと流れる十勝川。大自然の物質循環を理念とする。
・また、地域の活性化や、川と人との付き合い方を考える、川文化を学ぶ場を理念に加えた
・象徴として、イトウが生息できるような川づくりを理念としたい。
[実現の可能性のある要素]
・川は自由に動くものとの前提で、河原、淵、瀬、蛇行、氾濫機能などの要素は多様性が生まれるための欠かせない条件。
・ワンド、湿地も掘削の仕方により実現の可能性があり、河道法面の多様化によって緩やかなエコトーンが生まれるのではないか。
・礫河原の保全。河畔林の伐採は場所によっては必要。
・タンチョウの採餌・生息やワシ、カワセミ、ショウドウツバメの生息環境も実現の可能性があるのではないか。
・地層や埋もれ木なども十勝川の貴重な財産として残せるものは残す。
・さらに、エコロジーパークの掘削や白鳥護岸でのワンド形成も関係機関と協議をしながら是非検討してほしい。
[将来に向けて]
・将来的には河川利用に関するルールづくりも必要。
(Cグループの代表発表)
・Cグループでは対象箇所ごとに意見をまとめた。
[音更川の合流地点]
・樹林化が非常に進んでおり、流下能が不足している。
[音更川合流点より下流]
・中水敷の樹林化が進んでおり、治水上の課題のほか、キタキツネが多くなっていることからエキノコックスの問題も心配される。
・また、河畔林が多くなると放火など防犯面からの懸念があるほか、ヤナギの花粉の問題、流木化した際の漁業関連の定置網への被害についても心配される。
・その一方で、流木がある程度ないと魚の生息環境にも影響する。
・樹林化防止の観点から、河道の掘削は年に2、3回冠水するような高さが良いという意見もあった。
・流下能力を確保するに当たっては、河畔林の功と罪を踏まえて、河畔林伐採での対応と掘削での対応のバランスをとることが大切。
[白鳥護岸]
・治水と観光の両立や、ネイチャーセンターで行っているボート下りについても配慮していきたい。
[川づくりにあたっての考え方]
川のフィールドミュージアム(川の博物館)という発想がよいのではないか。
(基本的に安全を確保しながら、生きている川の侵食、運搬、堆積のダイナミズム、それに対応して作り出される多様な生態系、撹乱された生態系をセットで丸ごと展示できるようなもの)
[支流の保全]
・十勝川に流れ込んでくる支流をしっかり保全することによって、ニホンザリガニも外来種から保護できるのではないか。
2.座長総括
・十勝川にはいろいろな要素がたくさんあり、それぞれが大事ではあるが、要素と要素のつながりなども非常に大事だと思う。
・ある生態学者が「生態系の最小単位は流域」だと言っていたが、いろいろな要素を繋げて川の全体的な姿を作るということが重要なことだと思う。
・次回のワークショップでは、中流部の川づくりについて実際にどういう形で考え ていくべきか、今回討論した要素や要素同士のつながりを踏まえながら、写真や図面に描いていく作業を各グループに分かれて行うこととしたい。
・ある生態学者が「生態系の最小単位は流域」だと言っていたが、いろいろな要素を繋げて川の全体的な姿を作るということが重要なことだと思う。
・次回のワークショップでは、中流部の川づくりについて実際にどういう形で考え ていくべきか、今回討論した要素や要素同士のつながりを踏まえながら、写真や図面に描いていく作業を各グループに分かれて行うこととしたい。
以上