十勝川中流部川づくりワークショップ(第6回)議事概要
十勝川中流部川づくりワークショップ(第6回)議事概要
日時: 平成23年3月4日(金曜日)18:30~20:00
場所: とかち館2階 鳳凰の間
出席状況: ワークショップメンバー(全25名):20名が参加
オブザーバー(全5名):2名が参加
一般傍聴者:11名が参加
場所: とかち館2階 鳳凰の間
出席状況: ワークショップメンバー(全25名):20名が参加
オブザーバー(全5名):2名が参加
一般傍聴者:11名が参加
議事概要
1.全体討議
[川づくり案について]
・資料-2により、第5回ワークショップで出された意見を踏まえた川づくり案について事務局から説明。
・全体討議の結果、「音更川合流点より下流②」、「相生中島下流」は事務局案で了解、「音更川合流点より上流」、「相生中島より上流」については事務局の川づくり案をベースに現地を確認しながら計画していく。また、「音更川合流点より下流①」、「十勝中央大橋より下流、十勝川温泉より下流」については、引き続き検討していくことなった。
[平成23年度試行地について]
・資料-3により、平成23年度試行地について事務局より説明。
・全体討論の結果、事務局から提案した内容で実施することとなった。
・資料-2により、第5回ワークショップで出された意見を踏まえた川づくり案について事務局から説明。
・全体討議の結果、「音更川合流点より下流②」、「相生中島下流」は事務局案で了解、「音更川合流点より上流」、「相生中島より上流」については事務局の川づくり案をベースに現地を確認しながら計画していく。また、「音更川合流点より下流①」、「十勝中央大橋より下流、十勝川温泉より下流」については、引き続き検討していくことなった。
[平成23年度試行地について]
・資料-3により、平成23年度試行地について事務局より説明。
・全体討論の結果、事務局から提案した内容で実施することとなった。
2.今後に向けて
・来年度も引き続きワークショップを開催し、今年度残った論点や現地の状況などを見ていただきながら検討を進め、川づくり案をまとめていく予定。
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全体討議の状況
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【十勝川中流部川づくりワークショップ(第6回) 議事要旨】
1.全体討議
川づくり案について
[音更川合流点より下流②、相生中島下流]
・事務局から提案した川づくり案で了解を得た。
[音更川合流点より上流]
(メンバー)
・事務局からの提案で概ねよいと思うが、保全する部分の樹林についても密度の高いところや高い木があると思うので、疎林化等を考えられないだろうか。
(事務局)
・事務局としては、生き物の連続性を確保する観点から最低10m幅の樹林についてはそのまま残す案を提案したが、メンバーの皆さんから疎林化という提案があれば、その方向でも検討したいと考えている。
(メンバー)
・伐採予定の範囲について、木の種類や樹齢等の情報を示してほしい。
(事務局)
・手元にデータがないので、次回にお示ししたい。
(メンバー)
・事務局の案では河岸沿いの樹木を保全するようになっているが、木の種類や質も考え、たとえば、堤防沿いの高速流を抑制するため、良い木があれば堤防沿いを保全するなどの対応は可能なのか。
(メンバー)
・ここの場合は堤防の近くに木がないので、環境的な面で判断することになると思う。堤防沿いの高速流については別の手だてを考えた方がよい。
(事務局)
・現地の木を見ていただいて、保全する樹木の位置を変更することは、十分可能と考えている。
(メンバー)
・樹林の保全幅10mの根拠は何か。また、伐採後の樹林の再生についてはどのように考えているのか。
(事務局)
・保全幅については、帯広畜産大学の藤巻名誉教授からの助言により、鳥類の生息環境を考えると最低5m必要と言われている。今回は余裕を見込んで10mを保全幅としている。伐採後については、放っておくと再樹林化の可能性が高いので、草地化や抜根等の対策を考えたい。
(メンバー)
・川辺の鳥は樹林幅5mで移動が可能で、10mでは繁殖が可能である。そのようなことを考慮した上での保全幅10mということだと思う。
(メンバー)
・川が水だけでなく土砂も流して自然に平衡状態を保つということを考えると、人為的な掘削を伴う代替案①や②ではなく、必要範囲の樹林を残し、他を伐採して流下能力を確保する方法が一番良いと思う。
(座長)
・今回出していただいた意見を踏まえながら、事務局の川づくり案をベースに計画していくこととしたい。
[音更川合流点より下流①]
(メンバー)
・中水敷にキツネがかなり巣づくりをしていて、民家の方に頻繁に出てきているので、これを防止することを考えて代替案①でお願いしたい。
(事務局)
・以前のワークショップで、左岸の樹木の方が右岸より良いという意見も出されていた。そのことについて意見をいただきたい。
(メンバー)
・現地を見て考える機会を設けてほしい。キツネの事についても樹林があるから巣を作っているのか、木を切れば少なくなるのかなどを考えた上で、どうするかを議論していきたい。
(メンバー)
・動物の移動路を確保することと、キツネが居て困る・駆除してほしいという事への対応についてどのように考えているのか。
(メンバー)
・動物の移動を妨げると、どこかにまた行ってしまう。そこに居つかれて巣を作られると困るという事なので、移動路は確保するけれども、巣を作れないような環境にすることしか手がないと思う。たとえ駆除したとしても住める環境があれば入ってくる。
・この箇所については様々な意見が出されているので、メンバーの方に現場を見ていただいた上で、改めて検討していくことで良いと思う。
・キツネなど動物の影響については、わからないところが多いので、実際に対策をする事になれば、柳川先生など専門家のご意見を伺いながら進めていきたい。
・この箇所については様々な意見が出されているので、メンバーの方に現場を見ていただいた上で、改めて検討していくことで良いと思う。
(座長)
・次年度のワークショップで議論を続けて行くこととしたい。
[相生中島より上流]
(メンバー)
・右岸側の保全幅を50mから10mにすることで掘削幅を40m増加させたが、左岸側の掘削幅が20~30m程度しか減らないのは流速の差によるものか。
(事務局)
・右岸側は部分的に高水敷よりも切り下げたところを流下断面として見込んでいないことのほか、ご指摘のように左岸の低水路の方は流れが速いことが影響している。
(メンバー)
・代替案の掘削断面が矩形になっているが、特に湿地植生をつくりたい場合、一様な断面では単一の植生になってしまうと思う。断面を階段状にしたり緩傾斜にすることは可能だろうか。
(事務局)
・資料に添付した掘削断面はポンチ絵として示したものであり、実施にあたって変化をもたせることは可能と考えている。
(座長)
・基本的には第5回ワークショップで提案した川づくり案に基づいて、現地を見て考えながら進めていくこととしたい。
[十勝中央大橋より下流、十勝川温泉より下流]
(メンバー)
・十勝川温泉より下流について、この辺は観光地であり、河川に隣接している宿泊施設もある。資料に関連団体からの意見聴取とあるが、宿泊施設や観光関連の方からの意見を聞くことも可能だろうか。
(事務局)
・そのような他の関連機関からも意見を伺いたいと考えている。
(メンバー)
・河床を掘削することになっているが、この土砂はいつ頃からたまっているのか。
(事務局)
・平成18年に千代田新水路が完成しているが、それ以前は洪水時においても千代田堰堤側に流れており、堰堤による堰き上げの影響で河床が高い状態となっていた。新水路完成後は分流堰を開けることで土砂も流せるのではないかと思っているが、まだ大きな洪水を経験していないため、今後も状況を見ていきたいと考えている。
(メンバー)
・千代田新水路の堰が土砂を流せるような状態であれば、実際に河床低下するかもしれない。それらも含めて考えられていれば問題ないと思う。
(座長)
・河床変動等については泉先生からご意見を伺いながら考えていただきたい。
・この箇所については、引き続き検討していくということで、次年度ワークショップでも議論したい。
・川づくり案については一通り合意を頂いたが、今回いただいた意見をまとめて、次回事務局から提示していただきたい。
・事務局から提案した川づくり案で了解を得た。
[音更川合流点より上流]
(メンバー)
・事務局からの提案で概ねよいと思うが、保全する部分の樹林についても密度の高いところや高い木があると思うので、疎林化等を考えられないだろうか。
(事務局)
・事務局としては、生き物の連続性を確保する観点から最低10m幅の樹林についてはそのまま残す案を提案したが、メンバーの皆さんから疎林化という提案があれば、その方向でも検討したいと考えている。
(メンバー)
・伐採予定の範囲について、木の種類や樹齢等の情報を示してほしい。
(事務局)
・手元にデータがないので、次回にお示ししたい。
(メンバー)
・事務局の案では河岸沿いの樹木を保全するようになっているが、木の種類や質も考え、たとえば、堤防沿いの高速流を抑制するため、良い木があれば堤防沿いを保全するなどの対応は可能なのか。
(メンバー)
・ここの場合は堤防の近くに木がないので、環境的な面で判断することになると思う。堤防沿いの高速流については別の手だてを考えた方がよい。
(事務局)
・現地の木を見ていただいて、保全する樹木の位置を変更することは、十分可能と考えている。
(メンバー)
・樹林の保全幅10mの根拠は何か。また、伐採後の樹林の再生についてはどのように考えているのか。
(事務局)
・保全幅については、帯広畜産大学の藤巻名誉教授からの助言により、鳥類の生息環境を考えると最低5m必要と言われている。今回は余裕を見込んで10mを保全幅としている。伐採後については、放っておくと再樹林化の可能性が高いので、草地化や抜根等の対策を考えたい。
(メンバー)
・川辺の鳥は樹林幅5mで移動が可能で、10mでは繁殖が可能である。そのようなことを考慮した上での保全幅10mということだと思う。
(メンバー)
・川が水だけでなく土砂も流して自然に平衡状態を保つということを考えると、人為的な掘削を伴う代替案①や②ではなく、必要範囲の樹林を残し、他を伐採して流下能力を確保する方法が一番良いと思う。
(座長)
・今回出していただいた意見を踏まえながら、事務局の川づくり案をベースに計画していくこととしたい。
[音更川合流点より下流①]
(メンバー)
・中水敷にキツネがかなり巣づくりをしていて、民家の方に頻繁に出てきているので、これを防止することを考えて代替案①でお願いしたい。
(事務局)
・以前のワークショップで、左岸の樹木の方が右岸より良いという意見も出されていた。そのことについて意見をいただきたい。
(メンバー)
・現地を見て考える機会を設けてほしい。キツネの事についても樹林があるから巣を作っているのか、木を切れば少なくなるのかなどを考えた上で、どうするかを議論していきたい。
(メンバー)
・動物の移動路を確保することと、キツネが居て困る・駆除してほしいという事への対応についてどのように考えているのか。
(メンバー)
・動物の移動を妨げると、どこかにまた行ってしまう。そこに居つかれて巣を作られると困るという事なので、移動路は確保するけれども、巣を作れないような環境にすることしか手がないと思う。たとえ駆除したとしても住める環境があれば入ってくる。
・この箇所については様々な意見が出されているので、メンバーの方に現場を見ていただいた上で、改めて検討していくことで良いと思う。
・キツネなど動物の影響については、わからないところが多いので、実際に対策をする事になれば、柳川先生など専門家のご意見を伺いながら進めていきたい。
・この箇所については様々な意見が出されているので、メンバーの方に現場を見ていただいた上で、改めて検討していくことで良いと思う。
(座長)
・次年度のワークショップで議論を続けて行くこととしたい。
[相生中島より上流]
(メンバー)
・右岸側の保全幅を50mから10mにすることで掘削幅を40m増加させたが、左岸側の掘削幅が20~30m程度しか減らないのは流速の差によるものか。
(事務局)
・右岸側は部分的に高水敷よりも切り下げたところを流下断面として見込んでいないことのほか、ご指摘のように左岸の低水路の方は流れが速いことが影響している。
(メンバー)
・代替案の掘削断面が矩形になっているが、特に湿地植生をつくりたい場合、一様な断面では単一の植生になってしまうと思う。断面を階段状にしたり緩傾斜にすることは可能だろうか。
(事務局)
・資料に添付した掘削断面はポンチ絵として示したものであり、実施にあたって変化をもたせることは可能と考えている。
(座長)
・基本的には第5回ワークショップで提案した川づくり案に基づいて、現地を見て考えながら進めていくこととしたい。
[十勝中央大橋より下流、十勝川温泉より下流]
(メンバー)
・十勝川温泉より下流について、この辺は観光地であり、河川に隣接している宿泊施設もある。資料に関連団体からの意見聴取とあるが、宿泊施設や観光関連の方からの意見を聞くことも可能だろうか。
(事務局)
・そのような他の関連機関からも意見を伺いたいと考えている。
(メンバー)
・河床を掘削することになっているが、この土砂はいつ頃からたまっているのか。
(事務局)
・平成18年に千代田新水路が完成しているが、それ以前は洪水時においても千代田堰堤側に流れており、堰堤による堰き上げの影響で河床が高い状態となっていた。新水路完成後は分流堰を開けることで土砂も流せるのではないかと思っているが、まだ大きな洪水を経験していないため、今後も状況を見ていきたいと考えている。
(メンバー)
・千代田新水路の堰が土砂を流せるような状態であれば、実際に河床低下するかもしれない。それらも含めて考えられていれば問題ないと思う。
(座長)
・河床変動等については泉先生からご意見を伺いながら考えていただきたい。
・この箇所については、引き続き検討していくということで、次年度ワークショップでも議論したい。
・川づくり案については一通り合意を頂いたが、今回いただいた意見をまとめて、次回事務局から提示していただきたい。
平成23年度試行地について
(メンバー)
・資料では掘削時期が7月以降となっている箇所がある。7~9月は観光客はもちろん、川に来てくれる人が非常に多い時期であり、時期等について配慮できないものか。
(事務局)
・川の中の掘削は、関係団体との調整により、基本的にサケの遡上期前に行いたいこと、また、サケ稚魚の降下についての関係機関との調整により、6月下旬から7月いっぱいで完了したいと考えている。
(座長)
・なるべく観光に配慮することでお願いしたい。
・試行地については事務局から提案された考え方で実施していくこととする。
その他
(メンバー)
・今年度のワークショップが終わり来年度も行うとの事であるが、本ワークショップでのとりまとめの時期、及び実際に掘削工事を行う大まかな時期を確認したい。
(事務局)
・十勝川中流部の河道掘削については、十勝川全体の中でも人口が一番多くリスクの大きい地域であることから、できるだけ早く工事を実施したいと考えている。
・本ワークショップでの議論については、論点として残されているところがあることから、事務局としては引き続きメンバーの方にご参加いただきまして、来年度もワークショップで議論していただき、平成23年度には方向性を取りまとめたいと考えている。
・資料では掘削時期が7月以降となっている箇所がある。7~9月は観光客はもちろん、川に来てくれる人が非常に多い時期であり、時期等について配慮できないものか。
(事務局)
・川の中の掘削は、関係団体との調整により、基本的にサケの遡上期前に行いたいこと、また、サケ稚魚の降下についての関係機関との調整により、6月下旬から7月いっぱいで完了したいと考えている。
(座長)
・なるべく観光に配慮することでお願いしたい。
・試行地については事務局から提案された考え方で実施していくこととする。
その他
(メンバー)
・今年度のワークショップが終わり来年度も行うとの事であるが、本ワークショップでのとりまとめの時期、及び実際に掘削工事を行う大まかな時期を確認したい。
(事務局)
・十勝川中流部の河道掘削については、十勝川全体の中でも人口が一番多くリスクの大きい地域であることから、できるだけ早く工事を実施したいと考えている。
・本ワークショップでの議論については、論点として残されているところがあることから、事務局としては引き続きメンバーの方にご参加いただきまして、来年度もワークショップで議論していただき、平成23年度には方向性を取りまとめたいと考えている。
3.座長総括
・川づくり案については、6箇所に分けて議論をしていただき、合意があったところ、現地を見ながら引き続き議論をしていくところがあるが、全体的な方向性は定まってきていると思う。
・試行地の3箇所については、実験的に進める意義が非常に高いということで実施していただきたい。
・十勝川中流部でこれから具体的に事業を進めるにあたり、今年度は6回のワークショップを開催し、地域の皆さんの意見を活かしながら討議した結果として川づくり案を出せたことは、ワークショップの成果だと思う。
・平成23年度も引き続きワークショップを行い、川づくり案をまとめていきたい。
・試行地の3箇所については、実験的に進める意義が非常に高いということで実施していただきたい。
・十勝川中流部でこれから具体的に事業を進めるにあたり、今年度は6回のワークショップを開催し、地域の皆さんの意見を活かしながら討議した結果として川づくり案を出せたことは、ワークショップの成果だと思う。
・平成23年度も引き続きワークショップを行い、川づくり案をまとめていきたい。
以上
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